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adventure & daily life  作者: ケー
2/10

冒険者

――――


冒険者。

世界中に存在するダンジョンを調査することを主な目的としている。

モンスターの討伐以来、傭兵などの仕事も請け負い、中には権力者も存在する。


――――



「・・・攻略した、だと?

 アンタ一人でか?」


「ああ、その通りだ。 危なかったぜ~?

 なんせアイテムのほとんどを使い尽くしたからな!」


「中にいたのはなんだったんだ?」


「ああ、中型のドラゴンだな。

 このダンジョンを巣にしてたようだ」


山道を馬車が行く。

手綱を握るのはドッグス。馬車の中では新参を加えた3人が会話を弾ませていた。


「ちっくしょぉ~、まさか先を越されてるとはな!

 せっかくこの俺がドラゴンを討伐して一攫千金を狙ってたのによ!!」


「よく言うぜコイツ。 一番ビビッてたじゃねーか」


「うるせぇぞ犬野郎! あれは武者震いだ!!」


「そうそう、名前を聞いていなかったな。

 俺は【キャッツ】のキリー、よろしく」


「俺は見ての通り【ヒト】のレイだ」


「おっと、俺は【ドッグス】のアルドだ。

 レイお前は【ヒト】じゃなくて【サル】の間違いだろう?」


「こんの野良犬やろう~・・・!!」


「おいアルド、失礼だぞ!」


「あっ、すまないアンタ・・・悪気はねぇんだ」


「ハッハッハ!! わかってるさ、賑やかでいいじゃないか!

 俺は【ヒト】のアドベル。 よろしくな!」



4人の馬車は、険しき道を進み町へと向かう。

途中、郵便屋を見つけたアドベルは国へダンジョン攻略の便りを送った。

そして二日後、一行は町へと戻ってきた。


「悪いな、町まで送ってもらって」


「なに、俺たちだって戻るつもりだったんだ」


「それより調書はどうなった?そろそろ報告がきてるだろう」


「おっと、そうだな。 確認してくるぜ」


「全く羨ましいぜ! 一人でドラゴン討伐だ、相当な報奨金だろうな」






「な、なぁあにぃいいいいいいいい!!!」




「!?」


「な、何だ、どうした!」


「報酬が予想以上だったんじゃねーのか?」



「おい、冗談だろ!?

 何だよこの額は!!」


「そ、そう言われましても・・・」


「おいおい、どうしたんだよアドベル。

 何をそんな興奮してんだ」


「い、いくら中型のドラゴンっつても、こんな小額じゃ納得できねぇぞ!?」


「・・・! 確かに、予想してたよりかなり低い」


「けどまぁ、こんなものじゃないか?

 分けるわけでも無いし、十分高額だろ」


「納得できるかぁ!! さてはぼったくってるだろう!?」


「そ、そんな知りませんよ!」


「おい、アドベル。 いい加減にしておけって。

 何言っても無駄だって」




「ここ郵便屋だろうが・・・」






――――


山の麓には、多種族が行きかう町がある。

宿場に酒場、商店や鍛冶屋まであり、行きかう馬車は専ら商人と冒険者。

ダンジョン攻略は危険を伴うため、冒険者たちは町で装備を整える。

周りにダンジョンが多い町は、商人たちにとって良い稼ぎ場なのだ。


――――


「はぁ~あ~あ~・・・・・」


「あー、何でそこまで落ち込むんだ?」


「今回の中型、倒すのにいくらかけたと思ってる・・・」


「ひょっとして、あまり実入り良くなかったのか?」


「良くないどころじゃねぇ、赤字だよ赤字!!」


「な、あの額で赤字!?」


「お前一体どんな重装備で討伐にいったんだ・・・」


「元は町へ向かう途中だったんだよ。

 そしたらあのドラゴンが住処にしてるダンジョンを見つけたんだ。

 手持ちの装備が充実してたんで、討伐できると思ったんだよ」


「しかし、まさか剣と盾で挑んだわけじゃないだろ?」


「そりゃそうだ。伝説の英雄じゃあないからな。

 俺の持ってたのは包囲罠と毒矢、玉爆薬、その他多数だな。

 奴の熟睡するタイミングを測って、ありったけの罠でしとめたんだよ」


「ほ~、それでも十分すごいな」


「くそ~、高い金払って手に入れた罠だってのに・・・。

 元すら取れないとは・・・・・はぁ~・・・」


「くくくっ、そりゃご愁傷様」


「まぁ、あれだ。元気だせって。

 今夜は俺たちが奢ってやるからよ」


「ふーん、俺は払わないよ」


「言ったなアルド? 俺も自分のしか払わねぇぞ」


「しゃあねぇなぁ! 今夜は飲み明かしてやるか!!」


「えっ!? ち、ちょっと待てよお前たち!!」


「さーて。 酒代は確保できたし、いっちょ俺たちの明日に乾杯しようぜ!」


「お、いいね」


「ほらアルド、ジョッキを持てよ!」


「おい! お前ら、汚いぞ!!

 仲間を思いやる気持ちは無いのか!?」


『かんぱ~いっ!!!』




カキンと心地よいガラスのぶつかる音。

キンと冷えた酒を片手に、冒険者たちは今夜も語らう。

冒険者たちは、常に危険と隣りあわせで生きている。

今宵の宴は、明日への活力なのだ。


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