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adventure & daily life  作者: ケー
1/10

プロローグ

オーソドックス?な冒険もの。舞台はファンタジーです。

基本的に主人公がダンジョン攻略に挑みます。

また、冒険を行う中での日常がメインの予定です。

ハーレムはありません。

更新は不定期です。

また、自分は文学の勉強をしていないため、文が拙いです。


個人的には、会話が主で地の文が入る、といった具合だと思います。

――――


そこは、見渡す限りの大自然。

丘の上には木々が立ち並び、険しき山々が遥か先々に連なっている。

動物たちは活発に、植物たちはみずみずしい。朝日は地上の生物へ活力を与える。


山へと向かう一台の馬車。

大きな荷物と幾人の旅人を乗せ、カラコロと山道を進んでいた。


――――



「・・・おーい、まだつかねーのかよ!」


「うるせぇ、静かに待ってろ!」


「行きだけで二日もかかるたぁ、こりゃ商売にならねぇな・・・」


「けっ、これだからモンキスってのはヘッピリでいけねぇや」


「なぁにぃ! このイヌっころが、ケンカ売ってんのか!?」


「お前ら、二人揃ってうるせぇよ・・・」


手綱を握るのは、犬の顔をした人間。

この世界では「ドッグス」と呼ばれる種族。

そして、馬車に乗っている者たちは、一人は「ヒト(モンキス)」。

眠けまなこをこするのは、猫のような顔の「キャッツ」と言う種族の男。


「はぁ・・・もうすぐ着くぞ。 今のうちに用意でも済ましとけ!」


「イヌっころはすーぐ興奮しちまっていけねぇや」


「さっさと済ませとけ!!」


「うわっ! わ、わかったよ・・・!」


「やれやれ・・・」



馬は山の洞穴で足を止める。

目の前に広がる洞穴は、馬車でもゆうに進入できそうなほど大きい。

木々は凱旋する勇者を迎え入れるかのように、静かに凛々しく朝日を受けていた。


「おい、着いたぞ」


「おう、ごくろーさん!」


「それじゃ、お前も用意を済ませて来いよ」


「了解」


キャッツに促され、ドッグスは馬を降り馬車へ乗り込む。

男たちは馬を近くの樹につなぎ、水を与え休ませていた。

ドッグスが戻るまで、二人も装備の最終チェックを終えた。


「それじゃあ、行くとするか!!」


「「応っ!」」


ヒトの号令に犬と猫が吼える。

闇に満たされる洞穴は、息を殺すように静かだった。

三人は小さな明かりを頼りに、朝日のささぬ闇へと進む。



「気をつけろよ、一体どの程度レベルのモンスターがいるかはわからねぇ」


「おいおい、事前調査くらいしといてくれよ」


「アホか。 それをするのが俺たち冒険者だろうが」


「・・・! 静かに・・・・・!」


先頭を行くドッグスが二人を止める。

耳を澄ますと、水の流れる音が聞こえる。

三人は音の元へと向かった。


「・・・水だ」


「まぁ、見ればわかるが・・・」


「ここだけ日が差してるのか」


たどり着いたそこは、小さな泉。

湧き水が屋根無き天井の光を受け、幻想的な景色をかもし出している。


「こりゃ、絶対モンスターがいるなぁ」


「この規模のダンジョンとなると、竜でもいそうだな」


「ハハハ、おいおい冗談やめろよ」


「・・・・・」


闇に囲まれた三人は、無言の圧力をひしひしと感じていた。



「! おい、今奥のほうで音が聞こえたぞ!」


「ああ、わかってる。 おそらく、何かが暴れてやがるな」


「・・・どうする」


「結構でかいな」


「仕留めるのは難しいだろうな」


「一目見て勝てそうならやる、無理そうなら逃げればどうだ?」


「この暗闇でか?

 こっちはしょっぺぇ松明三本、相手は夜目が利くデカブツだぜ?」


「どっちにしろ、今日は下見なんだ。

 今のうちに内情はできるだけ把握しておいて損はない」


「さすが参謀! そうこなくっちゃ!」


「チッ、わかったよ」


「なぁにワンチャン、もしかして尻尾巻いて逃げる気だったのぉ?」


「あ゛?」


「静かにしろよ、お前ら・・・」



息を潜め、慎重に奥へと進んでいく。

時折奥から音が聞こえてくるが、それ以外はいたって静かである。


「おい、いくら何でも不自然じゃないか・・・」


「そう、だな・・・」


「ここまで一度もモンスターと遭遇していない」


「まさか、ここは巨大なモンスターの巣じゃねぇのか・・・?」


「いつでも撤退できるようにしておけよ」


「へ、へへ、面白くなってきたじゃん?」


「おやまぁ真っ赤なお尻のお猿さん、声が震えてるようでして?」


「ああ゛!?」


「静かにしろ!! 何かいるぞ!!」



風のうなるような声。

明かりが差す開けた場所には、大きな物体が暴れていた。

その姿を見るや否や、三人は声を揃えていた。


「ド、ドラゴン!!!」


「撤退だ、撤退!!」


「急げ!!見つかる前に来た道を戻れ!!」



駆ける三人。

来た道に明かりはなく、何度も転びそうになる。

泉を抜け、広く暗い廊下を走り、そして光が目に差し込んだ。


「・・・っ、はぁ、はぁ!!」


「ま、まさかドラゴンがいるなんて、聞いてねぇぞ!?」


「はぁ、はぁ、言ってないからな」


「クソ犬ゥ!!」


「とにかく、三人で何とかなる相手ではないな。

 幸い見つからずに逃げ切れた。追ってくることは無いはずだ」


「こうなると、他の冒険者を雇うか、諦めるかだな」


「あ~!! せっかく大物ダンジョンかと思ったのに、手柄が減るってのか!」


「仕方が無いさ。 命あっての物種だろ?」


「とにかく今後の事は町に戻ってから・・・・・」


「・・・? どうした、何かあるのか」


「・・・足音だ」


「「え?」」






「・・・いやぁ~!! どうなるかと思ったぜ!!」


「・・・!」


「な・・・?」


「ぼ、冒険者!?」



「お、同業者か! ひょっとしてこれからここを探索する気か?

 残念だけど何も無いぜ? 俺がたった今攻略してきたからな!」

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