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飛ぶ

作者: 桜ノ宮潤雅

窓の外は澄み渡り晴れ渡り

私の瞳には眩しすぎていただけない


私の体は軽くなった

入院時よりそれはそれは軽くなった

ベッドから起きるのもだるいくらい

体は軽くてもまるでふぬけのように力が入らない


それでもまだまだ若さが手を貸してくれるから

なんとか窓際まで来ることができる


鳥が空を飛ぶように私も飛べたらいいのに

それは一度は誰しもが思うこと

でも私はこんなに軽いのだからもしかすると浮くかもね

そんなことを思いながら笑った

気持ちの中で 頭の中で 笑った

もう顔の表情筋すら動かす気力がない


でも窓際まで来てはそらを眺める

恨めしい

そう 羨ましいのではなく恨めしいのだ


でも 飛べるかもしれない

ふと 声が聞こえた

「飛べるよ 窓を開けてごらんよ」

窓を開ける 風が吹き込んでくる

ああ・・・飛ばされそう・・・

「そうだよ 風に乗るのさ」

ナニカが またそう言う

勇気というより体力を振り絞って窓の枠を乗り出してみた

「もっと もっと 前に出なけりゃ飛べないよ」

そういわれたので 窓からもっと乗り出してみる


すると 体がふわりと浮いた

あ、飛べるんだ!


私はふわりと浮かんだ

空はどこまでも広がり どこまでも高くて


きっと天まで行けるよね


私の記憶は ここまで


 その日の午後

テレビで有名人

病院から落ちた末期癌の少女は自殺か?他殺か?

病気を苦に自殺?

いいや 少女は脳死状態 とても一人では動かない


真実は風に聞け 鳥に聞け 空に聞け










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