花とハチ
この星には私以外誰もいないのだろうか・・・・・・
岩の間に咲いた小さな白い花は嘆いた。
ねぇ。誰か。返事をして下さい。
返事をしてくれたら・・・・・・・私以外の誰かに逢えたら・・・・・・・
私とても幸せです。
ハチが飛んできた。
「こんにちは」花が嬉しそうに言った。
「やあ」
「私と友達になってくださる?」
「うん。いいよ」ハチは答えた。
「ありがとう!」
「きみの花粉をくれるかい?」
「もちろんよ!」花は笑って言った。
「君はもうじき、枯れるよ」花の顔が曇った。
「え?」
「でも、もうすぐ、種が落ちるさ。そしたら君の子が生まれるよ」
「うれしい!死ぬのなんか怖くない!」
「君は土の中で子供たちを育てるのだよ」
「うん!」
「ぼくはここにいるからね」
ハチも弱っていた。
ある日花とハチは寄り添って死んでいた。
春・・・・・・・生き生きとした花が幾つも咲いた。
もう誰も一人ぼっちではなかった。
ハチもたくさん集まっていた。
悔やんでいない・・・・・・たった一人の大切な人と・・・・・・一緒に
・・・・・・新しい命を育てているのだから。
生きものは皆次の命を受け継ぐために生きているのだよ。
豊かな自然を守るために。
生き生きとした地球を永遠にあるために。
誰もひとりぼっちになっては生きてゆけない。
花とハチは今も生きつづけるのだ。
今もこの瞬間も・・・・・・
わたしたちは生きつづけよう。
初めての投稿です。
この話はノートに書き綴ったものを少し変えて書きました。