悠子の日常なぁ登校
あたしには兄貴がいるの。
超が付くほどのシスコンなの。
兄貴のことは好きだけどぉなんか、最近気持ち悪い。
「悠子ぉぉぉぉぉぉぉー!」
兄貴がやってくる。
もう、起きてるからぁ。
うるさいよ。
こんこんと小さくノックする兄貴。
あんなに叫んでいて
ここは何で小さいのぉ?
くすっ
笑っちゃうよ。
「兄貴、起きてるからねぇ?」
扉越しだけと喜んでいるのが分かる。
面白いなぁ。
「用意したからいつでもいいよ!」
兄貴が言う。
恒例行事ともなっている頭のセットの事だ。
絶対彩には言えないな。
自分でセット出来ないことを。
兄貴が私を待っているから
早く行かないと。
リビングに入るといいにおいが入ってくる。
凄く美味しそう。
兄貴の前に置かれた
あたし専用座布団(作.兄貴)に座り兄貴を待つ。
「いただきまぁす」
手を顔の前で合わせて食べ始める。
ンー美味ですなぁー…
兄貴があたしを包み込む形で後ろに座った。
そして、寝癖を直し始める。
兄貴は手先が器用だからなぁ。
コテを使ってあたしのトレードマーク。
ゆるふわなキュートな髪を作っていく。
あたし兄貴がいなくなったりしたら終わるかもなぁ。
何にも自分で出来ない。
出来ることは、兄貴を使うことぐらい?
兄貴の無駄なかっこよさに惹かれた女どもに
現実を教えてあげることもかなぁ?
あはぁ
思っていたより多くて嬉しいなぁ。
まぁ兄貴があたしの前からいなくなるなんて
馬鹿なことはしないだろうねぇ。
あたしの嫌なことは1度もしなかった兄貴だから。
「終わったよ」
兄貴がニコニコ笑顔であたしをみる。
あぁ兄貴のこの顔大好きだな。
別にあたしはブラコンじゃないけど、何かほわほわする笑顔だから。
ぎゅってハグされる
「あれ?叩かないの?いつもなら叩いて嫌がるのに?」
不思議そうな兄貴。
えっと、叩かれたかったの…?
「今日は何となくぅ、報酬だよ。別に深い意味ないしぃ!」
逆切れしてしまった。
照れ隠しなんだけどな…
でも、兄貴はニコニコ。
兄貴って時々変だなぁ。
嫌、いつもかも。
こんなことしてたらいつの間にか時間はたっていて。
まぁでも、今日特別こんな感じって訳ではなくて。
中学入った辺りからかなぁ?
兄貴とここに逃げ出して来てからだから…それくらいかな。
あいつらから逃げ出せたのは兄貴のお陰だしなぁ。
今日はご褒美だい。
ぎゅってあたしからハグしてあげる
今日だけだよ?
兄貴から離れカバンを持つ。
残念そうにあたしをみる兄貴。
そんな顔するなよぉ。
仕方がないなぁ。
「家出るまで見送っていいよ」
やったぁと兄貴。
それだけで喜ぶなんて。
あはは、可愛いなぁ。
「行ってきます。」
ドアを開けて出ていって気付く。
言い忘れていたこと。
「兄貴学校には来ないでね!」
兄貴だったら彩の兄貴よりやらかすと思う。
あたしの兄貴も先生とかやめてよねぇ。
その日の、午後。
兄貴が学校にいることを知るのはまだ先。
今回はいつもと違い悠子サイドとなりました。
入学式の翌日の朝の様子です。
楽しんで読んでくれたら嬉しいです。
誤字等々修正致しました。