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お兄ちゃん卒業  作者: 太郎
第1話 高校デビューと出会い
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兄貴がいるの

ジリジリと

目覚まし時計が私を起こそうと全力を尽くす。

残念ながら、その努力は無駄だよ。

私は起きてるから。

今日は早起きできたもんね。

欠伸をしながら時計を止める。

今日はお兄ちゃんが起こしてくれた。

学校の先生になったからかな?

早起きしたお兄ちゃんが暇だったから、私を起こしたみたい。


そのおかげで私はだらだらできるけど、仕事と言ってお兄ちゃんが出ていってしまったから、自分のことは自分でしなければいけない。

当たり前のことだけど、面倒くさい。


髪を結うのも、食事をとるのも。

最近やってなかったから、やり方忘れた。

お兄ちゃん居ないと私ダメダメじゃん。

と少し笑う。


学校の準備を終えて家を出て気付く。

髪の毛がボサボサなこと。

鍵を持ってないこと。

「お兄ちゃんの馬鹿ぁ…」

ぼやきながら家にもどる。

いつもは長めの髪を縛らずにいくのに、今日は適当に縛ってゆく。


鍵を探してる途中に、見てはいけないものを見てしまった。


危険な、酷いもの。


「は?」

手が震える。

「何でこんなとこに置いてるの?」

怒りが沸いてきた。

こんなこと、聞いてない。

お兄ちゃんの馬鹿。

リビングに置いてたら自然と目には入るよ。

机の上にあった鍵を手に取り、急いで出る。

このことお兄ちゃんに早く聞きたくて。

少しでも、この事実を否定して欲しくて。




学校に着くとそこは地獄だった。

男に飢えた女の子達が私を囲む。

「彩ちゃん?アタシのこと鈴城センセに話してくれない?」

「彩ちゃん!いやっ彩!私のことを紹介して!」

やっやっぱり

こうなると思っていたんだよ。

お兄ちゃん無駄に格好いいから。

「やめなさいっ!彩嫌がってるの気づかないのぉっ!?」

悠子が女の子達を追い払う。

渋々去る女の子達。

それを後目に悠子がやりきった表情で私を見る。

「分かるよぉ、彩の気持ち。無駄に格好いいシスコンの兄貴を持った気持ち」

私の手を取り目をキラキラ。

「あたしにも兄貴いるからぁ!」



誤字等々修正致しました。

読了ありがとうございました。

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