第五章 夜 三
三
――――――助けてあげましょうか
「だれ?どこ? 何なの?! 何者なのよ?!」
――――――わたくしは高い処に、坐する者
「かみ、さま?」
――――――それ、に近い存在
「・・・・・・助けてくれるの?」
――――――ええ。わたくしも助けて欲しいから
「え?」
――――――わたくしは貴女の願いを叶えられる。貴女はわたくしの願いを叶えられる
「私たちを助ける代わりに、貴女の願いを叶えろと? 願い事を聞いたら、本当に私たちを助けてくれるの?」
――――――ええ。必ず。 貴女の願いは?
「っ。わたし、達を、逃がしてほしい。闇花の追っ手の来ない場所へ、命の危険の無い場所へ、平穏に日常が送れる場所へ」
―――――― 一番目の願いだけなら、叶えてあげられる
「なぜ?!他のはなぜだめなのよ?!」
――――――わたくしの願いをあなたがきけば、きっと貴女はあれに追われるから。命の危険は、ついて廻る。
「あれって?貴女の願いって何なのよ?!」
――――――捜しもの
「え?」
――――――大切なもの、無くてはならないもの。けれど、わたくしの手の届かないところにある
「それは、なに?」
――――――宝珠。白き秘宝の珠玉、あれが無ければ大変なことになる
「もしかして、伝承の?・・・・・・そんな、そんなものただの人間の私が、手に入れられるはず無い!!」
――――――いいえ。貴女達でなければ、手に入れられない
「そう、なの?」
――――――そう。お願い、助けてわたくしを
「・・・・・・ッ。どちらをえらんでも私達は危険なのね」
――――――けれど、今の危機からは、救ってあげられる。どうする?
「・・・・・・引き受けるわ。私達を助けて、貴女を助けてあげるから」
――――――ありがとう。 貴女は、どこへ行きたい?
「どこでもいいわ。闇花の追っ手から離れられて、四人で一緒にいられるところなら」
――――――では、お願いしますよ。小さな地界の少女。いつかの時たま逢いまみえる時を愉しみにしていましょう
※※※
名無しの人は意外と強引です。
そしてこの一言で色々台無しです。シリアスなのに。