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水月鏡花―中華恋愛譚・静かに灯る初恋―  作者: 麻倉ロゼ
第一章「氷心、春に融く」

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間の話 1

本編のあいだにある小話。その1。

 朝餉あさげを終え、凌偉りょうい春燕しゅんえんが静かに席を立つ。


春燕は振り向きざま、恭信きょうしんきょうに深々と頭を下げた。


その小さな背中が廊下の向こうへ消えるまで、恭信と嬌は黙って見送っていた。


──そして。


「可愛すぎませんことっ!!?」

嬌は突然、爆発するように立ち上がった。


「あんなっ!あんな小さい身体で!小さい手で!

 粥を食べた時のあの笑顔!!花丸!花丸ですわよ!!」


もう止まらない。扇をブンブンと振り回しながら、まるで乙女のように悶えている。


恭信はというと、茶杯を持ったまま楽しそうに軽く目を細めた。


「あの凌偉の素っ気なさ…!!怖がらせたりしてないかしら…!」

嬌は甥を思い出してはハラハラし、扇を胸に押し当てて見上げる。

「凌偉には、もっと積極的になってもらわないと…」などと独り言が始まる。


「あなたっ!私は大丈夫でしたかっ!?圧がかかっていませんでした!?」

今度は突然、恭信に向かって詰め寄る。

あまりの勢いに恭信の茶が少し揺れた。


「ははは。いつも通りだったから安心しなさい。」

恭信は穏やかに答える。

その落ち着きようは、嵐の中の岩のようだった。


「来たばかりだから…少しずつ寄っていって…!早く仲良くなりたいわぁー!!」

嬌は椅子の上でうずうずと身をよじり、

情緒の上がり下がりが止まらない。


さっきまでの憂い顔はどこへやら。すっかりテンションが戻っている。恭信は茶杯を口に運びながら、穏やかに笑った。嬌は朝から今日も絶好調だ――琳家の朝は、実に賑やかだった。

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