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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あの日から違う町

作者: 梟町

あの日からガラリと変わった街

ある日の街の警察署の一室にけだるそうな男がいた。

「あぁ、せっかくの日曜なのにこんな部屋で一日を終えるなんてなぁ」

「どうせ外に出たってみんな生きるのに必死で何にもないですよ、それに隣町にもあれがきたってうわさじゃないですか?」

あくびをしながらこたえる

「そうそう、あそこらへんは工場とかいろいろ集まっていたからね。

明日は非番だし家でゆっくりとしようかね」

「おたくの奥さんがそろそろ片付けないとって言ってましたよ。」

「嘘だろ」

「ホントホント、明日の朝にチャチャっと片付けちゃって午後にゆっくりしたらどうですか、そうだ!俺も早めに退勤して一杯やりましょうよ」

「おめぇが酒飲みたいだけだろ、しかしこのご時世に飲み会なんて申し訳ないわ」

「しゃあないしゃあない、どうせ俺らもそろそろ紙を渡されるんだし」

「あぁ~生まれる時代を間違えたわ、戦争もない時代に生まれたかったなぁ」

「へいへい、あっそろそろ見回りの時間だ」

「夜は静かにしろって、お上のお達しだけど静かだと見まわるこっち側が怖いよな」

男たちは外に出て街を軽く見回りをして

「異常なしっと」

報告文に記録し、帰宅した

翌日のまだ日の出したばかりの朝、駅の近くにいたこの男は何故かタンスを背負っていた。

「めんどくせぇ、なんで連勤明けの俺に隣町のばぁちゃんの家に箪笥持って行けっていうんだよ、自分で持ってけよ。」

グダグダと文句を言いながら、一歩一歩進んでいく。

すると、

「おぉ、あんちゃん久しぶりやな、一体どうしてそんなもんかかえとんのか?」

「あぁよっちゃん久しぶり、嫁にばぁちゃんの家までもってけって言われてのぉ。」

「そりゃ災難やな」

よっちゃんっと呼ばれたこの男は快晴の空の中で傘をさして、男のことを笑った。

「しかも、わしゃ昨日も仕事しとってやっと、終わったちゅうのに、これや」

「可哀そうやの、ハハッ」

「笑うなやボケ、可哀そうと思うんなら手伝えよ」

「やだね、まぁそこの踏切までは一緒についていってやるよ。」

しばらくの談笑を楽しんでいると、踏切にたどり着いた。

「ほな、わしゃここを曲がったところやから」

「おう、またな」

よっちゃんは傘を下して空を見上げていう

「おっ」

「どした」

「飛行機や飛行機や恰好ええな、それにしてもこの辺を飛ぶのはめずらしいのぉ、ほら見てみ」

呼ばれた、男は上を向こうとする素振りすら見せずにこう言った。

「お前煽っとんのか、わしゃ今上を向けんのや」

「ハハハッ、またな」

よっちゃんは高らかに笑って、左へ曲がる。

「ハッ、今度会ったら飲もうや」

よっちゃんは、振り返らず手を高く上げる。

「よっしゃ、チャチャっと済まして帰るか」

男が前を向き歩き出した瞬間。

ドカンっと音が鳴り、視界がピカリと光る。

急な異常に熱中症か何かかと思い、荷物をおろす、するとそこに広がっていたのは、昨日の夜見廻った、街ではない何かがそこに広がっていた。

この光景を何と形容すればいいのだろう、真っ赤に燃え盛る家々から這い出る人々、まるで地獄、そう地獄、八大地獄の一つが絵を見せさせられているのだと、男はおそるおそる左を向く、そこにはよっちゃんが全身が赤く爛れ倒れていた。

「よっちゃん、よっちゃん大丈夫か」

かすれた声でよっちゃんが、

「あついあついよ、水が水が欲しいよ」

「水か水が欲しいのか」

男はすぐに近くの川に行き、手で水をすくい、こぼさないように持っていく。

「水だ、これを飲め」

こぼれて、半分ほどになった水を口に流し込む。

「ありがっとう、あぁ傘じゃ防げんかった」

焼け焦げ骨組みだけになった傘に指をさす。

「死ぬんかぁ、俺死ぬんかぁ、どうして俺がこんな目に遭わんと行けんのか」

「死ぬな、死ぬな、諦めるな、諦めるな」

男は涙を流し叫ぶ

「お前の涙は冷たいんやの、ちょうどええ温度や、あぁ死にたくな...」

そういって、男はこと切れた。

男はこののち、水を飲ませたのが間違いだったと知るが、そのころには戦争が終わり、街が復興し始めたころで、この当時の出来事を聞かれてもあまり話さず、話すとしても、

「俺はな、あの時駅の近くの踏み切りにいたんだが、あの時箪笥を背負っていたおかげで生き残ったんだよ。」

っと、作り笑いのような笑みを無理やり浮かべて、笑い話のように話しました。

はじめまして、梟町です。普段はかくよむを中心に活動しています。

この話はその出来事を話すときにはよくある類の話ではあるものの、徹底してその出来事を隠すことで、それは突然やってきたというのを表したかった次第です。

この話の舞台がどこかわかりましたでしょうか?

この出来事はがあなたの運命を変えるわけでもないのですが、この出来事と似たようなことがはこれから起きることがないとも言えませんよね。

筆者はこの話は知人の知人の知人が体験した話を脚色を加えたものです。戦争はいけないもの、とただいうわけではありませんが、自ら戦争に行くやつらだけで他を巻き込むなと思いますね。

この話を書こうと思った理由は特になく、これを出す時期も夏くらいがいいと思いますが、書いちゃったんでとりあえず出したものです。

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