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妃教育の礼儀作法の先生は、以前悪役令嬢が首にした事を根に持っていて、指導という名の虐めを受けることになりました

 エミールの侍従が私達を呼びに来てくれるまでに、私はイチゴのショートケーキを丸々一個エミールに食べさせられていた。


 侍従が私達を見て一瞬驚いた顔をした後は、生暖かい視線を送ってくれるんだけど。


 そうよね。王子に食べさせられる令嬢って絶対に変よね。

 王子はどっちかというと楽しんで食べさせていたから、ペットに餌をやるような感じではなかったかしら。


「失礼します」

 侍従がハンカチで私の口を拭いてくれた。

 私はめちゃくちゃ恥ずかしかった。


「王妃様が、お呼びです」

「判った」

 侍従のアロイスさん先頭に私はエミールに手を引かれて来た道を帰った。

 なんかすれ違う人、皆驚いてエミールと私を見てくれるんだけど……

 私がドジなのが悪いんです。

 私は真っ赤になっていた。


「あらあら、あっという間に仲良くなったのね」

 手を繋いでいた私達をみた王妃様が顔をほころばせてくれた。

「クラリス嬢がまた、転けたら大変ですから」

 しれっとエミールが言ってくれたんだけど。


「これは殿下。殿方のエスコートはそうではありませんでしょう」

 王妃様の後ろから銀縁眼鏡をかけた女性が現れた。


「ロッテンマイエル!」

 何故か氷のエミールが少し動揺したんだけど。

 青い衣装を着たその女性を私はどこかで見た記憶があった。

「別に私はエスコートしている訳ではない。クラリスが転けないようにしているだけだ」

 むっとしてエミールが反論したが、

「しかし、王太子は殿下ともあろうお方が、手を繋ぐのはどうかと思います。王妃様もそう、お思いになられるでしょう」

 ロッテンマイエルさんは今度は王妃様に話を振ったんだけど。

 思い出した。昔アニメの再放送で見たアルプスの少女に出ていたロ○テンマイヤーさんだ!

 話し方と言い姿形と良いそっくりだ。

 私はその時はまだ他人事だったのだ。


「まあ、ロッテンマイエル、エミールとクラリスはまだ小さいんだから」

 王妃様が取りなそうとしてくれたんだけど、

「何をおっしゃるんです。妃殿下。幼い時こそ、礼儀作法のマナーをきちんとしないといけないのです。それが出来ていないと…………」

 そこから怒濤の如くマイエルさんが話し出した。

 もう、王妃様もタジタジだった。

 エミールもお父様までできるだけ距離を取ろうとしているように見えるんだけど。


「…………おわかりになられまして」

 10分くらい話していたんだろうか。

 私は半分も聞いていなかった。


「判ったわ。ロッテンマイエル。お話はその辺りで良いわ。クラリス」

 私はいきなり王妃様に振られるまで、お父様の隣に座ってぼうっとしていたのだ。

 半分寝ていた。


「はい!」

 横のエミールがつついてくれてはっと顔を上げた。


「あなたもエミールの婚約者になったのです」

 やっぱりなっていたんだ!

 私はがっかりした。

 でも、ショックを受けるのはこれからだった。


「あなたはゆくゆくはこの国の王妃になるのです。そのためのお妃教育を受けてもらわねばなりません」

 そういうものがあるのは私もラノベとかでんで知っていた。

 それもあってエミールの婚約者になるのは嫌だったのだ。


「そして、あなたの礼儀作法の先生をしてくれるのが、このロッテンマイエルなのです」

 私は言われてぎょっとした。このロッテンマイヤーさんが私の先生なの! ハイジみたいに虐められるの?


「クラリス様。王宮の礼儀作法指南をいたしておりますロッテンマイエル男爵夫人です」

 ロッテンマイヤーさんが礼をしてくれた。

「クラリス・ロワールです。よろしくお願いします」

 私は立ち上って一応頭を下げたのだ。


「クラリス様。それでは駄目です。あなた様は私がわざわざ公爵邸までお教えに参りましたのに、『お前には教わりたくないわ』とおっしゃって頂いたのです。さぞやきちんとした礼儀作法をされると期待しておりましたのに、その礼の仕方はなんなのですか?」

 ええええ! クラリスが止めさせた礼儀作法指南の先生ってこのロッテンマイヤーさんだったの!

 私は青くなった。この先生、絶対に根に持つタイプだ。

 それにプライドもとても高そうだし、前のクラリスにこの時ほど怒りを覚えたことはなかった。


「ロッテンマイエル先生。クラリスは流行病で高熱を出して昔のことは忘れているのです」

 お父様がフォローしてくれた。


「まあ、ロワール公爵。クラリス様の頭は都合の良いようになっておりますのね」

 不敵な笑みをロッテンマイヤー先生はしてくれた。

 いやでも事実だから!

 私は呼吸が荒くなった。

 ロッテンマイヤーさんは目をぎょろりと怒らせて私を睨み付けてくれた。


「クラリス様のお母上にも学園で私は懇切丁寧に何度もお教えいたしましたが、最後までご理解はいただけませんでしたわ。ただし、クラリス様は将来はこの国を背負って立たれる王妃様になられるお方。このロッテンマイエル。命をかけて指導させていただきますのでそのおつもりで宜しいですね」

「はい。ロッテンマイヤー先生」

「私はロッテンマイエルです」

 私の答えに、ぶすっとロッテンマイエル先生が訂正してくれた。この人細かいことを気にしそうだ。私の馬鹿!

 何を喧嘩売っているのよ。涙目になりながら


「申し訳ありません。ロッテンマイエル先生」

「宜しい。明日からよろしくお願いしますね」


 ええええ!

 明日からなの!

 私の公爵家の引きこもり生活が……


 この日を境に私はこのロッテンマイエル先生に徹底的に虐められる……いや、指導をされることになったのだった。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

根に持っていそうなロッテンマイヤー?先生

クラリスは果たして王妃教育をやっていけるのか?

続きは今夜です。

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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