表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/81

私が怒って婚約者を屋敷に入れるなと命じたら、婚約者は大通りで大声で私に許しを請い出しました

 私は破落戸どもを騎士団に捕まえさせた後、教皇の捕縛を命じると自分の館に戻ったのだ。


 エミールの態度にムカムカしていた私はその結果を知るまでもなく、公爵家の料理人にデザートを一杯作ってもらってやけ食いしたのだ。

 給仕するデジレ相手に散々エミールのことを愚痴ったのだ。

 デジレはとても私に同情してくれた。


 エミールの薄らトンカチは私に手紙で説明したとかふざけたことをほざいているそうだけど、そんなのは読んでいない。私が見たのは自分が好きなのはクラリスだけで、アニエスとの仲を疑わないでほしいと言う手紙だけだった。

 そんな簡単な説明で私が理解できる訳ないではないか!

 私がその辺り事を言うと


「そういえば王太子殿下からお手紙は何回かきましたけれど、クラリス様は読まずに燃やしていましたよね」

 デジレが指摘してくれた。

 そういえばそんなことも確かにあった。

「それはそうかもしれないけれど、手紙って何なの? 普通は私に直接話してくれるべきじゃない」

 私が文句を言うと

「まあ、そうですね。そこは王太子殿下が悪いと思います」

 デジレも認めてくれた。

「でしょう。だから絶対に許さないんだから」

 私はやけ食いしながら言ったのだ。

 おなかいっぱい食べるとさすがに眠くなって私は寝てしまったのだ。


 寝る前に私は絶対にエミールは許さないと門から入れるなとデジレを通して騎士団に命じていたのだ。




 翌朝だ。

 私は大きな声を聞いたような気がして目を覚ました。


 誰かの叫び声が聞こえたような気がしたのだ。


 でも気のせいだろう。

 もう一度寝ようとした時だ。


「クラリス、申し訳なかった!」

 エミールの大声がしたのだ。


 また、館の中に入れたの?


 私がきっとして起きると、


「本当に申し訳なかった!」

 また、大声が聞こえた。


 でも、これとても遠くからだ。


 窓から見てみると正門から叫んでいるエミールが見えたんだけど……


 ええええ!


 ここって王都から郊外に出るメイン街道で、人通りも多いのだ。


 道行く皆がじろじろとエミールを見ているんだけど……


「ちょっと、デジレ、あれは何なの?」

 私が慌てて聞くと、


「中に入れるなと命じられたのはお嬢様ではないですか。門番の騎士が王太子殿下を命令により入れないと言い張ると、今度はあのように大声で叫ばれ出したのです」

 デジレが説明してくれた。


「ええええ! いつからやっているのよ」

「1時間くらい前からです」

「ちょっと、王都のメイン街道でまずいんじゃないの」

「それはそう思いますけれど」

「直ちに止めさせて」

 私が真っ赤になって言うと、

「先程から騎士達も申しているのですが、クラリス様に中に入れてもらえるまでは続けると言われるだけで」


 私は頭を抱えたくなった。

 私はエミールを許す気にはなっていなかった。


 でも、さすがに人通りの多い門の前で、この国の王太子に叫ばせておくのは外聞が悪い。


「玄関のホールまでなら入れて良いわ」

 仕方がないので私が許可を出した。


「宜しいのですか、クラリス様? あれだけ絶対に入れるなとおっしゃっていたのに?」

 デジレが驚いて私を見た。


「ホールの中なら叫んでもまだ大丈夫でしょう。少なくとも通行人には聞こえないわよ」

 私は言い訳したのだ。



 あの後、公爵家の騎士団達は教皇を捕縛に大聖堂に向かったのだ。

 私を襲ったと言う事実を聞いたお父様とお兄様と何故か私が許してもいないエミールまでが激怒して、我が公爵家の騎士団と王家の騎士団と魔術師団が教会の総本山の大聖堂に向けて捕縛制圧に向かったのだ。合同騎士団の前に、聖騎士団は一瞬で降伏、大聖堂は少しの時間で制圧された。

 捕縛劇の間に教皇の顔がボコボコにされていたという噂もあった。


 まあ、ゴモラの街のスタンピードも教皇が関係していたようだし、教皇もだたでは済まないだろう。

 教会はトップの教皇と聖女の二人が捕まって大打撃を受けたようだ。


 実行犯の聖女のアニエスもダンケルも騎士団に捕まって今は牢獄に入れられている。

 犯罪行為に手を染めて何人もの命を奪ったのだ。

 当然、刑も重くなるだろう。


 アニエスは私が女神様の言うことを聞かずに、聖女を虐めないから、女神様の命令を行うために仕方なしにやったことで自分は悪くないと叫んでいるみたいだけれど、そんなの許される訳はなかった。


 というか、私が予定通り動かないからって、アニエスが犯罪行為に手を染めたのは許されることではなかった。


 まあ、確かに私は女神様の言う通り、動かなかったけれど、私は一言も女神様の言う通り悪役令嬢をやるとは一言も同意していないのだ。女神様はどれだけ私が抗っても、無駄だと言ってくれたけれど、結局今はエミールがホールで私に向かって大声で謝っているようになっているんだけど……

 こんなのはゲームにはなかったはずだ。


 私は一応ゲームをクリアしたと思いたかった。


 そんな時だ。王太后様からお茶会の呼び出しがきたのだった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

一応明日完結予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

最新の作品はこちら

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/




このお話の前の話

『もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい』https://ncode.syosetu.com/n9267kb/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ