表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/81

婚約者が私が胸が無いとはっきり言ってくれたので、怒り狂って張り倒してしまいました

「酷い、エミール様。今まで私を大事にして頂けていたのに、騎士団にこんな事をさせるなんて酷すぎます」

 騎士達に後ろ手に縛られながらアニエスが叫んでいた。


「何が酷いだ! 酷いのは貴様等だろうが。聖遺物なんて使って、ゴモラの街のスタンピードを起こしてくれて、どれだけ多くのものが迷惑を受けたと思うのだ!」

「だって、エミール様が全然私を振り向いてくれないから。これも全部そこの悪役令嬢が悪いのよ」

 きっとしてアニエスは私を睨んでくれた。

「せっかく途中までうまくいっていたのに、クラリス、あなた転生者なんでしょ。大山華子。あなたよね?」

 アニエスが私に変なことを言ってくるんだけど……


「誰よ? 大山華子ってそんな子は知らないわ」

 私は首を振ってやったのだ。

「あなたはそこまでしてしらを切るの? あなた前世で私を虐めて散々な目に合わせてくれただけでなくて、今世までも私の邪魔をしてくれるなんて絶対に許さないわ。女神様に悪役令嬢をやれって言われていたにもかかわらず、やらないなんて信じられない!」

 アニエスが叫んでくれた。

 まあ、私も悪役令嬢をやらなかったという点ではそうだけど、元々、気の弱い私が悪役令嬢なんてやるのが無理だったのよ。そもそも女神様に一度たりともやるなんて言っていないんだから。

 私は心の中で言い訳したのだ。


「おい、アニエス。何を言っている! 俺はクラリス一筋だ。一度たりとも貴様に惹かれた事なんて無いぞ」

 エミールがアニエスの言葉に怒り出した。


「俺はせっかく学園でクラリスと一緒に通えるようになったから、一緒に通っていたかったんだ。それを貴様の保護者の教皇と母が結託してくれて、やりたくもない貴様の面倒を押しつけてきやがって。ゴモラの街でも騎士団長と魔術師団長に泣きつかれて、渋々貴様の我が儘に付き合わされたのだぞ。何で俺様が貴様に惹かれなければならんのだ?」

「そんな、エミール様は私の胸を押しつけられて喜んでいたじゃないですか?」

 アニエスが叫んでいた。


「黙れ! 何故、俺が貴様の胸を押しつけられて喜ぶんだ?

 俺は六歳の時にクラリスに会ってからずうーっとクラリス一筋なんだ。クラリスは我が家の母みたいに煩くないし、イチゴとケーキさえ与えていれば本当に天使の笑みを浮かべて俺の手ずから食べてくれるんだぞ。俺はこの一ヶ月間、貴様等が余計な事をしてくれたせいで、父と母からこの捜査の責任者にされて、クラリスに会うこともままならなかったんだ。何が嬉しくて頭が少しずれた貴様の相手をしなくてはならないんだ! 俺が優しくしただ! 貴様を調べるために近付かざるを得なかったから、仕方なしに、していただけだ。

 なのに、クラリスに無い胸を俺に押しつけてクラリスの感情を逆なでしやがって。貴様のせいで俺はどれだけクラリスに嫌われたと思っているのだ。だから元々貴様の相手はいやだと母にも言い張ったのに!

 ゴモラでスタンピードなんか引き起こしてくれるから、俺が相手をしなければいけなくなったんだぞ。

 俺が少しクラリスの傍を離れただけで、ゴンドワナのゴキブリと我が国一のチャラ男がクラリスに近付いてくれたじゃないか! どうしてくれるんだ。この胸だけ女!

 俺はクラリスが横にいてくれさえすれば良いんだ。胸の大きさもクラリスみたいにこぢんまりしていてそれでいいんだ。貴様が胸が無いとか余計な事をクラリスに言うから俺が睨まれたんだぞ。俺はクラリスがペチャパイでも全然問題ないんだ!」

「で、殿下……」

 カンダベル先生がエミールの注意を払ってその口を閉じさせてくれた。


「えっ、どうかしたか?」

 エミールは顔の引きつったカンダベルにつつかれてこちらを振り返ってくれた。


 そう、私はエミールの言葉に完全に切れていた。それでなくても胸が無いのを気にしているのに、エミールはあろうことか私の事を皆の前でベチャパイと広言してくれたのだ。

 私はエミールを許すつもりはなかった。


「誰がペチャパイなのよ!」

 私は叫んでいた。


「いや、違うぞ、クラリス。俺は言っていない。言ったのはあの聖女だ」

 エミールが必死に言い訳してくれたが、私ははっきりとエミールが私がペチャパイだというのを聞いていた。

 それでなくても、エミールは私が地味で大人しくて面白みがないとか散々アニエスに言っていたようだ。本人は言っていないと言い張るかもしれないが、今も私がペチャパイだとはっきり言ったにもかかわらず、言っていないと言い張っている。絶対にそれに近い事を言ったに違いないのだ。


 それに今まで散々大きなアニエスの胸を手に押しつけられて鼻の下を伸ばしておきながら、胸がでかいのが嫌いだ?

 そういう事は休み休み言ってほしい。


「もう絶対に許さない!」

 私はそう叫ぶと怒りのあまり、思いっきりエミールの頬を張り倒していたのだ。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

ここまで相手にされなかった事もクラリスの怒りに火をつけていました。


クラリスの張り手にすかっとした方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

最新の作品はこちら

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/




このお話の前の話

『もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい』https://ncode.syosetu.com/n9267kb/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ