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聖女視点 悪役令嬢が王太子の気を引くために今回のスタンピードをわざと起こしたと噂を流しました

私は女神様に選ばれて、このゲームの世界のヒロインの聖女に転生させてもらったのだ。


誰がなんと言おうとモブ聖女に転生させられたんじゃ無い!


でも、何故だ?

何故、王太子のエミールはヒロインの私に惹かれない?


比べてみても、

胸はあの平坦な悪役令嬢よりも当然ある!


顔はあの地味顔に比べれば私の方が100倍可愛い!


性格は、あの我が儘悪役令嬢に絶対にヒロインの私の方がいいはずなのだ!


私が負ける要素はどこにも無い。

あるとすれば地味でダサいところだけだ。

そんなのに惹かれるのは変態だけだ。


なのに、なのにだ!


「騎士団長。討伐は終わりで良いな。俺は十二分に聖女の面倒は見たからな」

あたかも無理矢理、私の面倒を騎士団長のせいで見させられた感満載で、エミールはそう叫ぶと、ゴモラの街を飛び出してくれたのだ。


聖女の私を放り出して……


普通ゲームのヒロインの扱いでは無いだろう!

どういう事なの?

私はヒロインなのよ!



「ダンケル。私達もすぐに帰るわよ」

私はダンケルに命じたが、

「そうは、おっしゃっても、聖女様。途中で魔物が出るやも知れません。ここは騎士団と一緒に帰る方が安全です」

と言ってダンケルは聞かなかったのだ。


このダンケル、討伐では役に立たず、なおかつ、私の行動を邪魔するなんてどういう事なの?

私は怒り狂ったが、途中の魔物の出現の可能性や盗賊がいることを考えると騎士団を連れて帰った方が良いだろう。


原因をまだ探るという魔術騎士団は置いておいていいだろう。後片付けは地元の役立たず騎士団にさせれば良い。


「取り急ぎ、王宮にご報告に上がらねばなりません」

という言い訳をして、私は騎士団長と帰途に付くことにしたのだ。


私は騎士団の尻を叩いて、最速で帰ることにしたのだ。

せっかくここまで出てきたのだ。

さっさと帰って私がどれだけ活躍したか、皆に知らしめないと意味が無い。


私は取り巻き令嬢達に、私が騎士達を如何にたくさん癒やし魔術で治したか、百%増しで誇張して書き送った。


当然、悪役令嬢の活躍なんて、一言も書かない。ダンジョンの最奥の地も私が浄化したように取ることも出来る手紙を大量に送った。


どのみち悪役令嬢は私と違って、友人の数も少ないし、皆に大っぴらに報告もしていないはずだ。

私は昔私が癒やし魔術で治した貴族達全員にダンケルや付いてきた教会の人間を使って大量の手紙を書き送ったのだ。


何しろ私はこのゲームのヒロインなのだ。嘘をついても全然問題ないはずだ。


私に昔助けてもらった貴族達はあっさりと私の話を信じてくれたが、学園ではうまくいかなかった。

あの生意気なロッテンマイエルが皆の前でクラリスが全て片付けたと明言してくれたらしい。


な、なんと言うことだ。


こんな事なら、もっとロッテンマイエルの言うことを聞いておけば良かった。

馬鹿な令嬢が私の手紙の通り聖女様が活躍されたはずです。などとロッテンマイエルの前でいってくれたものだから、ロッテンマイエルから嘘をついてはいけませんと叱責の手紙までが送られてきたではないか。

早速ゴミ箱に捨てたが、これではまずい。


私は早速、教皇と男爵に私が如何に活躍したか、広めるように手紙を書き送ったのだ。


宿にも泊まらずに、野宿を重ねて帰ってきたのに、私を迎える王都の人の数は少なかった。


なんと言うことだ。これも全てあの転生してきた悪役令嬢のぼけなすが、余計な事をしてダンジョンを消滅してくれたからだ。


女神様も幾ら転生者だからって余計な魔力を悪役令嬢に与える必要は無いじゃない。せっかく教皇が聖遺物を使ってスタンピードを起こして私の活躍の場を作ってくれたのに、あの悪役令嬢のせいで私の努力が水の泡になってしまった。


悪役令嬢は一躍スターになっていて、何でも王宮ではダンジョンを破壊消滅したクラリスに勲章を贈る計画まであるそうだ。

私は教皇に私も勲章をもらえるように働きかけてくれと泣き込んだ。

私は百年に一度の聖女様なのだ。それに悪役令嬢を貶めるサマーパーティーまであと少し。

私は持てる力を全て使って悪役令嬢を貶めることにしたのだ。



教会の暗部が言うには、今回急にゴモラの街でスタンピードが起こった件に魔術騎士団が人為的な力が働いたのでは無いかと疑っているそうだ。


尤も教会の使った聖遺物は悪役令嬢がきれいさっぱりゴモラのダンジョン諸共消滅させてくれたので、証拠は残っていないはずだ。


「と言うか、その疑いを悪役令嬢に向ければいいのでは無いですか? 殿下の気を引くためにスタンピードを人為的に引き起こして、最後は自分で証拠諸共消滅させたことにすればいいのでは?」

私は教皇に提案した。


「こちらがやったという証拠はないのです。悪役令嬢がきれいさっぱり消滅してくれましたから。こちらとしては逆に悪役令嬢がやったと噂を流すのが良いのでは。私と悪役令嬢では信用度は私の方がありますから」

「そうじゃな。うまく出来そうか?」

「取り巻き達を使えばなんとかなると思いますわ。失敗しても取り巻きの首を切ればいいだけですから」

私は何でも無いように言い切った。


そうだ。噂を流す力なら、私の方が上よ。


覚えていなさいよ。クラリス。

ヒロインの本当の力を見せつけてやるわ!

私は今度こそ、悪役令嬢を悪意の渦の中に嵌める気満々だったのだ。



ここまで読んで頂いてありがとうございました。

罠に嵌めようとする聖女

クラリスの運命や如何に?

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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