表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/81

婚約者から前線は遊びで無いから来るなと伝言されて、私は逆ギレして絶対に行くと心を決めました

「私なら、ゴモラのダンジョンを消滅させられるのではないですか?」

 私の問いにカンダベル先生は一瞬、固まってしまった。


「それは確かに出きるかもしれないが、危険すぎるだろう!」

 我に返ると先生は首を振ってくれた。


「でも、危険なのは王太子殿下も、アニエスさんも同じです」

「未成年のあの二人は基本的には前線には出ずに後方にいるだけだ。だからそこまでの危険はないはずだ」

 先生がそう断言してくれた。


 えっ? エミールは怪我をしてアニエスに治してもらって、二人の仲が良くなったのではないの?

 噂ではそうなっていたのに、どうやら違うらしい。


「そうおっしゃられても、魔物討伐の終わりがなかなか見えないのならば、試してみる価値はあるかと思うのですが」

 私は先生に主張してみた。


「それはそうだが……」

「先生、魔物が溢れるなど、国の危機です。ここは試してみる価値はあるでしょう?」

 私が再度意見を述べるとカンダベル先生は私を見つめて考え、そして、判断してくれた。


「判った。王宮で早急に検討してみる」

 私の決心が固いのを見るとカンダベル先生はそれから急に授業を切り上げて、急遽、王宮帰って行った。

 

「クラリス、大丈夫なの? あなた、討伐現場なんて行ったことないんでしょ」

 後でフェリシーは心配してくれたが、


「アニエスさんも行っているんだもの。私が行けない訳はないわ」

 私は怖かったけれど、これ以上毎日エミールの心配をするのも嫌になっていた。

情報の全く入ってこない中で、無事かどうか毎日神様に祈るのはいい加減に疲れてきたのだ。

夜もよく眠れなかったし。


 それに、制御できない魔術をぶっ放したらどうなるかは判らなかったけれど、うまくいけばダンジョンは消滅するはずだ。

 私が魔術をぶっ放す時間くらい騎士達が時間を稼いで私を守り切ってくれるだろう。

 私も何も考えていない訳では無いのだ。



「クラリス! 魔物討伐に参加したいなど、どうしてそう思ったのだ?」

 王宮から帰って来るなり、お父様が私に向かって怒り口調で詰問してきた。


「騎士団の皆様が苦戦していらっしゃるようなので、私でもお手伝いできるかと思ったのです」

 私がお父様に答えると、

「しかし、とても危険ではないか!」

 お父様が心配して言ってくれるのは判るけれど、

「私も公爵家の者です。国の危急の時は役にたちたいのです」

 私はそう言い張ったのだ。


「しかし、何も令嬢であるお前が第一線に立たなくても」

「無駄に魔力だけはありますから、回りを気にしなくて良いなら十分にお役に立てると思うのです」

 私が再度主張した。


「しかし、後方にいる聖女と比べてもとても危険ではないか」

 お父様はあくまでも反対みたいだった。

 お兄様も女のお前がやるべきではないと、反対してくれたが、


「聖女も前線にいるんでしょう?」

「何を言っているんだ。聖女は絶対に安全な後方で何重にも守られているのだ。前線に出るお前と危険度は全く違う」

 お兄様も聖女が後方にいると言ってくれた。

 じゃあアニエスの取り巻きが流してくれた噂ってほとんど嘘なの?


「聖女の友人がどこから情報を仕入れたのかは判らないが、聖女は確実に安全なところから出ようとはしていないみたいだ」

 お兄様は苦虫をかみつぶしたような顔をした。

 それを私が知っていたらここまで強く言わなかったかもしれないが、もう言い出してしまったのだ。今更後には引けなかった。



 翌朝私は王宮に呼ばれた。


 丁度制服を着て学園に行こうとしていたので、そのままお父様の馬車に乗って王宮に向かった。


 私はお父様と会議室に通された。


 会議室には国王陛下と王妃様はじめ、前線から飛んで帰ってきた魔術師団長もいた。


「クラリス。その方、前線に出て、ダンジョンを破壊する事が出来るのでは無いかとカンダベルに進言したとのことだが、私としては、女性で未成年のお前を前線に出したいとは思わないのだが」

 陛下が頭を振って言ってくれた。


「しかし、聖女アニエスさんは未成年ですが、前線にいるかと」

 私がそう言うと

「聖女やエミールは騎士達が厳重に警戒している後方の野戦病院にいるだけだ。決して前線で戦っている訳では無い」

 陛下もアニエスが前線にはいないと断言してくれた。


「しかし、討伐が始まってから早くも、三週間が経ちましたが、未だに終結のの見込みが無いとか。どうなるか判りませんが、魔力制御の必要が無いのならば、私もお役に立てるのではありますまいか」

 私が陛下に提案すると、


「しかし、クラリス。あなたは未来の王妃なのです。何もそのような危険なことをせずとも良いのではないですか?」

 王妃様も止めようとしてくれた。


「そうだぞ。エミールからも、クラリスは危険だから来るなと手紙が私宛に届いた」

 私は陛下の言葉に完全に切れていた。


 今までエミールには何回も手紙を送っているのに、返事もくれないくせに、来るなという手紙だけはくれるなんて! それも陛下に送ってくるなんて、信じられない。

 エミールが無事だというだけでも返事くれていたら、私は安心していられたのに!

 エミールが安全でいることさえ知っていれば、こんな提案はしなかったのだ。

 私はエミールのことが心配で最近はあまり寝れていなかった。

 エミールはあまりにも勝手すぎるんじゃないかと私は思ったのだ。


 それにエミールも後方の安全なところにいるのならば、返事くらい書く暇はあるはずだ。

聖女とイチャイチャしていて返事を書く暇がないのかもしれないが、人を心配するだけさせてイチャイチャしているなんて許せなかった。



「騎士団の皆様や、魔術師団の皆様のお役に立ちたいのです。是非とも行かせてください」

 私はあくまでも主張したのだ。


 最終的には魔術師団長が全責任を取って私を戦場から無事に連れ帰ると断言してくれたので、私が前線で試してみることが決定した。


ここまで読んで頂いてありがとうございます

ついにクラリス出陣です。


続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

最新の作品はこちら

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/




このお話の前の話

『もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい』https://ncode.syosetu.com/n9267kb/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ