脆く、壊れ易く
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
思ってた以上に、創作部の兄さんの事好きかも知れません。
他の人間がどうだか知らないが、私は精神に翳りが差すと筆が乗る。全ての焦燥、抑鬱、悲哀を筆に乗せて書き表す。そうでもしていないと息が出来ないのだ。生きる事が困難なのだ。
ある日の事、誰よりも早く部室に着いて、夕暮れの光を眺めていた。窓から射し込む爛れた橙が情緒的な色を齎す。其れに思わず黄昏たくなる。
「暗い顔してる」
誰も居ないはずだった。誰にも話し掛けられない筈だった。しかし数奇な運命が其れを覆した。私は声の主の方を向くと、僅かに口角を上げた。
「何時もこんな顔だよ」
声の主は同じ部の同胞だった。私の片棒を担いでいる子だった。だからこそ、私の些細な変化にも気が付いて、すぐにちょっかいを出してくる。
彼女は私の強がる顔を暫く眺めると、鞄の中から原稿用紙を取り出して、机の上に置いた。
「今なら良いの、書けると思うよ。君は翳ってる時の方が描写が尖るから」
未来に対して不安を感じた事は無いだろうか? ある日突然、暴漢に襲われたり、天変地異が起きたり、病気に掛かったり。私は常にそんなものに晒されている。ある日突然、死の恐怖に晒されて、上手く息が出来なくなる。どう生きれば良いのか分からなくなる。そして今もそんな状態だった。
何故人は生きるのか、何故人は死ぬのか、何故そんな不安に晒されても、生きるも死ぬも許されないのか。そんな憂いばかりが心に溜まり、今の美しい気色に翳りが差す。
「生きるのが怖くなってしまった。未来がどうなるか、誰も分からないだろう?」
苦しい生なら楽な死を。こんな憂いに塗れた状態で生きる意味はなんなのか。何も考えるられなくなる死が幸福ではないのか。そんなことばかり考えてしまう。
「やり残している事でもあるの?」
「あるよ。沢山……沢山あり過ぎる。だから今日中に終わらせる事は不可能だ」
まだ完結させてない物語がある。まだ話して居ない人々がいる。まだ浮かんでない物語がある。それらを終わらせて死ぬのが怖い。でもこうやって悩み続けるのが怖いからら、早く楽になりたい。死んでしまいたい。
この矛盾した精神、果たして周りに理解して貰えるだろうか?
「繊細な人。脆く、壊れ易く、だからこそ、壊れ果てた方が楽な可哀想な人」
顔を上げると彼女はころころと笑っていた。書き写した原稿用紙をただ黙って眺める。
「繊細な人。脆く、壊れ易く、だからこそ、壊れ果てた方が楽な可哀想な人。今の貴方」
最近考えてたんですよ。
創作部に登場する兄さん。多分、私が思っている以上に、脆く、壊れ易く、繊細だなと。
それでも表面は何でもない顔で過ごしてそうな、うつ病まっしぐらな性格してそう。
全て救え(書き残せ)ないのならば、全て捨ててしまおう。
中途半端に完成させるならば、壊してしまおう。
そんな0、100思考な気がします。
悩んでいるのが苦しいから、早く死んでしまおう。
脆く、壊れやすく、だからこそ、丁重に扱われるよりも、乱暴にされて壊れたほうが良いという人。
誰にも救えない、救われてくれない可哀想な人。




