157 チビ赤竜
初めてこちらを見つけていただいた方へ。
ありがとうございます。
1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度朝6時更新という短いスパンです。 たまに遅れまる場合が(^0^;)
ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。
ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと除いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw
よろしくお願いしますm(_ _)m
「あ! 今日ちょうど村でお祭りやってるのよ。良かったら一緒に行かない?」
「おー、そうだなー。それがいい。2人共どうせ時間あるだろ」
シガスも賛同する。だがリュカとアイラは、
「え……」
「……」
その場に固まった。
『人見知りで人が多い場所が嫌いだからなー。この2人』
『うむ。2人とも凄く嫌な顔をしておる』
『でも断れないから困っているというところか』
四竜の黄竜、白竜、青龍が口々に実況している。だがその声はリュカとアイラにしか聞こえていない。
「うるさいぞ四竜」
「ほんとに。わかっているけど四竜に言われると、腹が立つわね」
リュカとアイラはシガス夫婦に聞こえないように小声で言う。
『お主達、思考がよく似ておるな。同じ感情だ』
『本当に。似た者同士だな』
『だがそんなことでは生きていくのに苦労するな』
まだ言いたいことを言っている四竜に、リュカとアイラは目を細め、
「うるさい黙れ」
「黙って」
と言うのだった。
そこでアイラはあることに気付く。
「ねえリュカ、赤竜はどうなったの?」
実体を持った赤竜だ。あれだけ大きいと目立ってしょうがないはずだ。
「赤竜か? あそこにいる」
リュカが指差したのは、シガスの子供達のところだ。
「え?」
見れば、子供達の目の前にリスほどの小さな赤い生き物がいた。見れば赤竜の子供だ。
「赤竜? 小さくなれるの?」
驚き言うアイラに四竜達は説明する。
『リュカに小さくしてもらったのだ』
「え?」
そんなことが出来るのかとリュカを見ると、
「別に大したことはない。ただ小さくしただけだ」
と、さも簡単なことをしたまでだという言い方をする。
「いや、普通の人は出来ないと思うわよ」
すぐさま突っ込みを入れる。
魔法で生命体の大きさを変えるには膨大な魔力を要する。そして対象の生命体の魔力を上回らなければならない。ましてや魔力が大きければ大きいほど、それ以上の魔力が必要になるのだ。
四竜は相当の魔力を持っている。だから昔の者は四竜を小さく出来ず、市民は恐怖し、いつの間にか『四凶』と言われるようになったのだ。
――ほんと、前世も思ったけど規格外ね。
前世で『大魔術師様』と言われたのも納得がいく。
すると赤竜がアイラの元へやってきた。
『アイラ、どうだ、かわいいであろう?』
「可愛いけど……」
見た目は可愛い小動物に見えるが、声はそのままのため、違和感ありありだ。
『これならどこでも一緒に行けるぞ』
そう言ってリュカの肩に乗る。
「なぜ俺の肩に乗る」
不満全開の顔を向けるリュカに、
『アイラだと我の重さで辛くなるであろうからな』
と赤竜は言う。りすほどの大きさなのだ。重いわけがない。訳のわからない理由を言う赤竜にリュカは目を細める。
「その大きさなら重いわけがないだろ」
『いきなり大きくなってアイラをつぶしてしまったらどうする。お主ならどうにかするであろうが、アイラでは無理であろう?』
「まずそんなことは起きない」
『絶対ではないであろう? 魔法が得意な敵が解除してしまうかもっしれぬではないか』
「……」
そう言われてしまえば元も子もない。それ以上反論出来なくなったリュカに、赤竜はしてやったりという自慢げな顔を向ける。負けた感が否めずリュカは更に不機嫌な顔をする。
それが面白くてアイラはクスクス笑う。そんなアイラをリュカが睨み返すと、
『リュカ、八つ当たりは良くないぞ』
と、赤竜が言う。
「誰のせいだと思っている」
リュカは肩に乗っている赤竜をひょいと掴むと、子供達の方へ投げつけたのだった。
結局リュカとアイラはシガスの家族と共に村の祭りに行った。
それほど大きな村ではないが、祭りは壮大に開かれ、かなりの人で溢れていた。
「すごい人……」
「そりゃそうだ。1年に1度の村のイベントだからな。村中の者が集まっているからなー」
シガスが笑いながら言う。シガスの子供が嬉しそうに走って行く。それを、
「危ないから走らないで」
と注意しながらシガスの奥さんも追いかけて行った。それを見送りながらリュカはシガスに訊く。
「感謝祭か何かですか?」
「よく分かったな。そうだ。大昔に村が魔物の大群に襲われたんだ。それを『英雄様』が救ったことから、それ以来この村では毎年この次期に感謝祭をしているんだ」
「英雄様?」
それにはアイラが訊ねる。
「ああ。その者達は名乗らなかったらしいから、『英雄様』みたいだ」
「それって、もしかしてジン先生と同じ……」
「さすがだな少年。そうだ『国守玉の脚』の者達だ。魔穴が開いて大量の魔物や魔獣が沸いてきたのを四竜と『国守玉の脚』達が戦った時のことだ」
それはこの地に竜柱が出来た時のことだ。
「それにしてもこれも因果か、竜柱を作った『国守玉の脚』の者を祝う祭りの日に、竜柱を解除した者が祭りに参加するなんてなー」
シガスが揶揄するように言い笑う。
「あんたら2人は大役をやり遂げたんだ。今日はご褒美だと思って祭りを楽しみな」
最初乗り気ではなかったアイラだが、結局、見たこともない屋台や催し物などに目を奪われ、いつの間にか楽しんでいた。そんなアイラにリュカは、
「楽しそうだな」
とボソッと呟く。
「ええ。こんなお祭り初めてだから」
「初めて?」
「うん。私の所は小さな田舎町だったからね。お祭りみたいなことはまったくなかったから」
「そうか」
「ねえ。リュカは今日予定はなかったの?」
リュカは貴族だ。休日は何かと忙しいはずだ。
「今日は別に何も。マティスも今日は懇親会を開くと言ってたからな」
「懇親会?」
「ああ」
そこでアイラは何か引っかかり顎に手を当てる。何か大事なことを忘れているように思えて仕方ない。
「そういえばセイラも来ると言っていたな。次期聖女だからな」
そこでアイラは思い出し叫ぶ。
「あー!」
「どうした?」
「忘れてた……。セイラが心細いだろうから出席してもらえないかってマティスに頼まれてたんだ」
「え……マティスに?」
「うん。断ったんだけどどうしてもって言われて」
「断れなかったのか」
「うん」
苦笑しながら言うアイラに、どこまでお人好しなのかとリュカは心の中で嘆息する。
――前世で自分を殺した奴に怒りを感じないわけがなかったはずだろうに。
「バカだな」
「え?」
「どうするんだ? 皇太子の約束をすっぽかしたんだ。重罪だぞ」
「うっ!」
王族の約束を守らないことはこの国では重罪だ。下手すれば前世と同じ牢屋に入れられることもある。
「だ、大丈夫よ。マティスはそんなことしないわ」
それは前世からの経験から言っているのだろうとリュカは思う。
「たぶんライアンがどうにかしてくれるわ」
「ライアン? そういえば今日ライアンも誘われてるんだったな」
「ええ」
ライアンはアデール学園の学園長の息子だ。懇親会には誘われるのは決まっていた。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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