154 ジン復活
初めてこちらを見つけていただいた方へ
ありがとうございます。
1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度朝6時更新という短いスパンです。 たまに遅れまる場合が(^0^;)
ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。
ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと除いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw
よろしくお願いしますm(_ _)m
「よし、終わったぞ」
体が動くことに気づきリュカはお礼を言う。
「ありがとうございました。体が楽です」
「そうか、よかった。俺が役にたてたのはこれぐらいだ。力になれなくて悪かったな」
自嘲気味に笑うシガスにリュカは、
「いえ。そんなことないです。俺達が戦っている時あなたはアイラを守ってくれました。そして今俺を助けてくれた。とても役に立ってます。自分を卑下なさらないでください」
と応え立ち上がる。それを見たシガスは目を瞬かせる。
――あれだけの力があるのに、誇示することもなく、こんな俺にも謙虚に接するか……。
感心し、そして呟く。
「少年、お前凄いな」
「?」
シガスの言葉が聞こえず、何か言ったかと首を傾げ振り向くリュカに、シガスはフッと笑い、
「将来、有望な魔術師団員になるなと言っただけだ」
と言い直した。その言葉にリュカは目を細める。
「……魔術師団員」
影を落としたように表情を暗くしたリュカに今度はシガスが首を傾げる。
「将来王宮魔術師団に入るんだろ?」
「……」
リュカは応えることが出来ない。前世ならすぐに「はい、そうです」と言っただろう。だが今は素直に応えることが出来なかった。
リュカの一番の目的である『前世のマティスの最期の願い』を叶えることに、魔術師団員になることがベストなのかが今だに答えが出ないでいたからだ。
「リュカ、お願いだ。この国と僕と、そしてアイラを守ってくれないか?」
前世でマティスが死に際にリュカに託した言葉と映像が、きのうのように蘇る。
――魔術師団員になれば自由がなくなり行動に制限がかかる。そうなればアイラは精霊魔法士にはならないため、離れてしまい守ることが出来なくなる。
そこが大きな問題だった。
だがそこで疑問が過る。
王宮に関わらなければ、ソフィア(セイラ)にも関わることはなくなり、レイとも関わらないで良くなるのだ。ならば、アイラの命は保証されるのではないのか。近くにいなくてもいいのではないのかと。
そう思った瞬間、胸の辺りがモヤモヤする。
――まただ。
たまに感じるこの訳の分からない不快感に眉根を寄せていると、
「どうした? 少年」
と心配そうにシガスが声をかけてきた。そこでハッとし、
「いえ、まだ魔術師団に入るかは決めてないです」
と慌てて応える。なりたくないから決めてないとリュカが応えたのだと思ったシガスは、気まずそうな顔をし、
「そうか。確かにあの仕事は忙しいし大変だからなー。考えるよなー。まだ時間はある。ゆっくり考えればいいさ」
と優しく言った。
そうではないが訂正するのも面倒だったので、リュカは、
「そうですね」
とただ笑顔で応えたのだった。
すると、
「先生!」
とアイラの叫び声が聞こえた。見れば、ジンが目を覚ましたようだ。リュカは急いで近くに行く。
「よかったー。気付いたー」
アイラは涙を流す。
「アイラか……。なぜ泣いてるんだ? うまくいっただろ?」
ジンは朦朧とする意識の中、泣いているアイラの意味が分からなかった。
「先生、死にかけてたのよ!」
ムッとして言うアイラに、
「ああ……そういうことか……」
と苦笑し状況を理解する。そして体を起こすと、そこへリュカがやってきた。
「先生、生きてますね」
「ああ、そうみたいだ」
苦笑しながら応え、
「2人共、よくやった」
と労った。ジンに言われ、なぜか嬉しくなるリュカとアイラだ。
「もう! 先生、無理しないでよー」
アイラは涙でぐちゃぐちゃになりながら文句を言う。そんなアイラの頭に手をあてながら、
「お前がどうにかしてくれるだろうとは思ってたからな」
と応える。すると、
「先生のばか!」
アイラがジンに抱きついてきた。
「ア、アイラ?」
驚き声を上げるジンにアイラはただ、
「よかったー! 本当によかったー!」
と大声で泣いた。
アイラは治療しながら、ジンがこのまま死んでしまったらどうしようかという思いでいっぱいだった。経験上頭では助かるとはわかっているが、それは前世の話であり、今世では違うかもしれないため絶対とは言えない。もしかしたら自分の感覚が間違っているかもしれないのだ。だからジンが目を覚ますまでアイラは不安で仕方なかった。
治療している時は、前世からの癖で仕事モードの時は感情は二の次になっている。だがジンが目を覚ましたことで、いつものアイラに戻り、安心と不安だった感情がどっと押し寄せ、収拾が付かなくなり涙がとめどなく流れたのだ。
「このまま死んじゃうかと思ったんだからー!」
わんわん泣きながら文句を言いながら抱きつくアイラにジンは、
「悪かったな」
と笑顔でアイラの頭をよしよししながら謝った。
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