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147 赤竜の竜柱⑬ 開始

初めてこちらを見つけていただいた方へ

ありがとうございます(≧▽≦)

1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度朝6時更新という短いスパンです。 たまに遅れまる場合が(^0^;)

ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。

ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと除いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw

よろしくお願いしますm(_ _)m




「今からでも遅くない。四竜はあいつらに任せて、嬢ちゃんは止めたほうがいい」


 真剣な顔で言うシガスは、心から心配して言ってくれているのが分かる。


 ――だけど……。


 アイラはリュカとジンへと視線を戻す。2人はさっきまでの柔らかい表情とは一変し、真剣な顔付きに変わり何やら話している。そんな2人を交互に見てアイラは両端の口角を上げる。


「シガスさん、心配してくれてありがとうございます。でも私は大丈夫です。やります」

「本気か?」


 アイラはシガスへと首を向け、大きく頷く。


「はい。私はあの2人を信頼してますから」


 そうはっきり言い笑顔を見せる。


「絶対に大丈夫です」


 ――そう自信を持って言える。


 迷いがない強い眼差しで言うアイラは、シガスに気を使って嘘を言っているわけではなく、心から思って言っていることが分かり、シガスはフッと笑う。


「本当に嬢ちゃんは2人を信頼してるんだな」

「はい」


 ――だって大魔術師様と『国守玉の脚』で一番の強さを誇る私の先生なんだから負けるはずがない!


「だから安心していてください!」


 自信を持って言うアイラにシガスは、


「そうか。なら大丈夫そうだな」


 と笑顔を見せるのだった。



 ジンは腕まくりし、手の関節をポキポキ鳴らし片方の口角を上げて言う。


「リュカ、赤竜、やるぞ」

「了解」

『おう』


 リュカはアイラとシガスに攻撃から守る結界を張ると、その上からジンが全員に国守玉の力の結界をかけた。ジンとリュカ、そしてアイラとシガスが淡く金色の膜に包まれる。


「リュカ、この結界は竜柱から四竜の体を解放した時の衝撃破を堪えるだけの結界だ。その後は自分でどうにかしろよ」

「わかりました」

「じゃあやるぞ」


 ジンは胸元から首にかけていたペンダントを取り出し見る。


 ――さあ、うまく出来るか。博打だな。




 1週間前、ジンは『国守玉の脚』の五守家の長のべニートに呼び出され屋敷を訪れていた。


「赤竜の竜柱が限界を迎えたようじゃ」

「!」


 ジンは驚き目を見開く。


「なぜ分かるのですか?」


 するとベニートは長方形の宝石箱のような物をジンの前の机の上に置いた。


「これは?」

「これは代々『国守玉の脚』の長に受け継がれている物じゃ」


 そう言ってベニートは箱を開ける。そこには4つの水晶が埋め込まれていた。そしてその水晶は、赤、黄色、青、白色の4つの光を放っていた。それを見てジンはすぐに分かった。


「竜柱」

「そうじゃ。これは竜柱の状態を把握することが出来るものじゃ」


 4つとも水晶の中は煙のようなもので濁っている。それが魔障などの不浄なものなのだろうことは分かった。そしてジンはその中の1つ、赤い色を放っている水晶に目が止まる。それは水晶にヒビが入っていたからだ。


「お主も気付いたか。この赤竜の竜柱が限界を迎えたのじゃ」

「!」


 それは竜柱としての機能が失われ封印が解かれるということだ。


「このヒビはどういう意味です?」

「四竜が正常な状態ではないということだ。そしてこの玉が割れた時、四竜の体は魔物に乗っ取られるということだ」


 やはりそうかとジンは目を眇める。


「でだ。お前に渡すものがある」


 そう言ってベニートが差し出した物にジンは受け取り掌に乗せ眉根を寄せる。掌の上にあったのは楕円形の四竜の色が混ざり合った石のペンダントだった。


「これは?」

「竜柱の封印を解く鍵じゃ」

「え?」


 そこであることが脳裏を過る。


「ちょっと待ってくれ。この前黄竜の所に行く時にはくれなかったじゃないっすか?」


 あの時くれたのは黄竜の場所に行く入口の鍵の木札のみだ。


「それは、竜柱の封印を解くことが出来ないことがわかっていたからじゃ」

「どういうことです?」

「この玉にヒビが入らなければ封印の解放は出来ないようになっておる」


 悪意を持った者が解放を願い、玉を奪って封印を解いてしまわないようにという防犯からだとベニートは言う。


「そういうことか……。で、俺に封印の解放を?」

「うむ。だが四竜を倒すことが出来るのは魔晶箱を開けることが出来た者しか出来ぬ」


 それはリュカでしか乗っ取られた四竜に勝つことが出来ないということを意味していた。


「リュカに魔物に乗っ取られかけている四竜の体を取り戻させ、俺に竜柱の封印を解けということですか?」

「うむ」


 ジンは腕組みし小さく嘆息する。


 ――それだけ四竜を乗っ取ろうとしている魔物が強いということなんだろうが……。


 面白くないと目を細めムッとする。


 ――うまく利用されているようであまり気分は良くねえな。


 するとベニートが意外なことを言った。


「これが四竜の意識体が魔晶箱から解放されていなかったら最悪な状態じゃった」

「?」

「この4つの玉は四竜と連動しておるが、それは意識体が魔晶箱から解放されていて初めて発動するものじゃ。もし解放されていなければ、この玉はまだ今でもただの玉だったはずだ。だからわしは竜柱が限界ということに気付かなかったであろうな」

「え?」







最後まで読んでくださりありがとうございます。

少しでも良かったと思っていただけましたら、ブックマーク、いいねボタンの方よろしくお願いします。

とても励みになります。

これからもよろしくお願いします(_ _)


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