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やばい男の物語  作者: ねこたまりん
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昔、男がいた


異世(いせ)物語」……


〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️


 昔、いろんな意味で、とても危険な男がいた。


 高貴な血筋の生まれでありながら、政変に関わった咎で祖父が地位を失い、父親も左遷。


 その男──仮にNとしておく──も、上の方から危険視されて、なかなか職に就けないなど、不遇な時期が長かった。


 高貴な血に見合わない境遇が、Nの性格を刃物のように尖らせたという者たちもいるが、そうではない。


 あの男がデンジャラスなのは生まれつきだ。



 女をも男をも惑わす美貌。


 何者をも恐れぬ、不遜な態度。


 何気ない仕草や言葉の端々にすら、毒のような艶があり、意図せずに人を絡めとる。


 僅かな瑕疵(かし)があるとすれば、いささか学問に疎いことだが、それを補って余りある才気が、その男にはあり……




〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️



「お母さん、何書き写してるの?」


「ずっと昔の恋のお話よ」


「読みたい! 見せて見せて!」


「ちょっと危険なオトナのお話だから、あなたにはちょっと早いと思うわ」


「あたしだって、もうすぐオトナだもん。ねえ、ねえ読ませてよー」


「それなら、お歌のお勉強をサボらずにやりなさい。歌も分からない女は、いい恋なんかできないんだからね」


「はーい」





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レックス・ヒギンズ  監修

イルザ・サポゲニン  編著

サラ・ブラックネルブ 翻訳協力


「異世界歌物語集」第一巻 


異世界に実在した危険人物にまつわる数奇な事件の数々が、同時代の人々の記憶とともに、いま赤裸々に蘇る!


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*「伊勢物語」初段

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