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Sonora 【ソノラ】  作者: じゅん
アフェッツオーソ
68/319

68話

「悪いわね、体は結婚相手にしか許す気はないわ」


 え、もう結婚のことを考えてるんだ。


「ともかく。私も気になっていることがあるの。聞いていいかしらベル」


 なに?


「さっきも出てたわね。どうしてピアノを止めてしまったの? 言いたくなければ言わなくていいわ。聞いた後、忘れろと言うのなら忘れるわ」


「それはあたしも気になってたぞ。だってお前、たまにエアでピアノ弾いてるところとか見るし」


 う……まぁ……色々、ね。


「でもエアピアノしてるってことは、好きなんでしょ?」


 そう……なのかな。実はね、自分でも忘れようとしてるんだけど、リズム刻んだり、指を動かしてるのに気づくと、わかんなくなるんだ。でもね、もう一度あんな想いをするのが怖い、んだと思う。弾きたい気持ちと、でもやるなら上を目指したい気持ち。そうなるとたぶんまた……。


「あんな、ってのはよくわからないけれど、あなたのやりたいようにしたらいいんじゃないかしら? 私達はあなたの味方ってのは覚えてていいわ」


 ……ありがと。ごめんね。


「なにに対して謝ってるのかしら」


 よくわかんないけど、なんとなく、かな。


「辛いことを無理にやる必要はないわね。ちなみにもう一度ピアノをやる可能性はどれくらい?」


 もう一度か……一〇パーセントもない、かな。


「あーもう! はっきりしない!」


 ど、どうしたのシルヴィ?


「なんかなー、十っていうとそれなりに可能性あるような気がしてくるんだよなー」


「そう取れなくもないわね」


 でも……それだとどうしたら……。


「じれったいんだよなー」


 と、言われても……。


 シルヴィが唸りつつ思案すること一〇秒。


「…………よし! あたしが良い店紹介してやる!」


 い、良い店? なんの? シルヴィ、すごく悪そうな顔してるけど。


「それは秘密だ。ちょっと待て。地図に書いてやる」


「お店の名前は? それくらいはいいんじゃない?」


「それはなー、〈ソノラ〉だ」


 〈ソノラ〉?


「怪しい店じゃないでしょうね」


「わはははは」


 否定してよ!


「安心しろ、たぶん今のお前にピッタリの店だ」


 ふ、不安……。

ブックマーク、星などいつもありがとうございます!またぜひ読みに来ていただけると幸いです!

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