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Sonora 【ソノラ】  作者: じゅん
ヴォランテ
241/319

241話

「調べたけど、ガーランド型のネット入り、どこも取り扱いがないわ。あまり売れなかったのかもね」


 オードによる非情な宣告。だが考えてみると、結婚式の花はみんな持って帰ったりするため使う必要はないし、基本生花やフォームは屋内専用だ。屋内であればスワッグや、普通に花瓶などにアレンジメントすればいいだけ。


 悲しいがベルも同意するしかない。重い嘆息。


「……たしかに、使い道が狭い、かも」


 だが、同じことを考えた人はいるということ。つまり需要は細いがある。それだけが救い。


 なんだかすごい申し訳ないことをしてしまったような気のするオードだが、事実を伝えただけ。私は悪くない。


「ま、ガーランドはこんなもんね。何個も何個も作って、それで覚えるしかないわ。この時期だけだから、来年には忘れてるかもだけど」


 少しでも気を楽に。指先が不器用というわけでもなさそうだから、すぐに作れるようになるだろう。


 それでも。まだ道はある。ベルは最後まで諦めたくない。思いついたことは失敗するまで。


「……ちょっと、待っててもらっていい? 少しだけ、すぐ戻る!」


 それだけ残し、急いで階段を降りて行った。ないなら、それならそれで手はある。


 いい? と聞かれたが、答える前にすでにいない。ひとり取り残されたオードは、去っていった方向目掛けて遠い目をする。


「……あの子も血筋はジェイドと変わんないわね……」


 たぶん、家系を遡れば、どこかでぶつかるのだろう。あたしはそういうのを引き寄せる力でもあるらしい。

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