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Sonora 【ソノラ】  作者: じゅん
ヴォランテ
230/319

230話

 ざっくばらんに打ち明けてくれているため、お返しにベルもできる限りの自身の情報を。少し慌てる。


「えっと、私は、ピアノとフローリスト。とは言っても、まだフローリストのほうは駆け出しだから、やっていると言っていいのかわからないけど……」


 ならばピアノはしっかりとやれているのか、と問われると、なんとも返しづらい。学校での講義は受けてはいるが、花と並行しているためそれぞれが中途半端になっている、かもしれない。語尾が窄んでいく。


 少しのけぞり、言葉の把握に時間をかけるジェイド。フローリスト、ということは……花。


「……なるほど。ちょっと待ってて」


 専門家がいるなら話は早い。作品のラストピース。迷っていた部分。なにかヒントがあれば。


「絶対にどうでもいいことを考えついたやつね。あんま相手にしちゃダメよ。なんらかの形で手伝え、って言ってくるだろうから」


 思考を先読みしたオードが釘を刺す。もう何度感じた空気だろうか。


「手伝う? 私が? どうやって?」


 自分に何かができる、とはベルは思わない。アドバイスを求めるなら、シャルルくんかベアトリスさん。逆に変なことを言ってしまう可能性があるため、黙っていたほうがいいのかも、とさえ。


 会話していて忘れていたスモアを食しながら、オードは安寧を保とうとする。


「それはわからないけど。座右の銘が『他力本願』みたいなヤツだから、断ることも必要。てか断れ」


 あと、ムカつくけど流石に美味い。本当にあいつが作ってるの?


 助言をもらったベルだが、手放しに賛同はできない。というのも。


「……それを言ったら私もオードに他力本願してるかも……」


 救いの手を差し伸べてもらっている。ならば、やっていることは一緒? だとしたら、助け合いの精神は必要。


 はぁー、っと長く息を吐き、その優しさは不要と念を押すオード。


「あいつは程度が違うのよ。ベルの場合は『教わって活かそう』。あいつは『とりあえずよろしく。首を縦に振らない限り、おはようからおやすみまで見守る』って感じ」


 ゾクっと悪寒が走る。例えで言ったつもりだが、本当にやりそう。三食しっかりウチで食い荒らして。


 どんどんと暗雲が立ち込めてきたことを察したベル。その元凶が去っていった方向をガバッと振り返る。


「……もしかして、恩を売られようとしてる?」


 多少はジェイド・カスターニュという人物がどういうものなのかは把握しているオードは、声を顰めた。


「かもね。しかもクーリングオフの効かないヤツ。御愁傷様」


 これで被害者は自分を含め二人。いや、知らないだけでもっといるかも——。

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