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Sonora 【ソノラ】  作者: じゅん
コン・アニマ
123/319

123話

「……なぜラテアートまでやろうとしている」


 自分よりこの店の機械に詳しいシルヴィに、ベアトリスの眉間の皺が寄る。


「だから言ってんじゃん、練習させてもらってるからさ」


 そうこうしているうちに、シルヴィがチューリップのラテアートを完成。花屋だし。


 うまくいって上機嫌のシルヴィと対照的に、完全に不機嫌が臨界点を突破したベアトリスは、それを奪ってズズっと飲む。


「あ」


 上唇に付着したミルクを舌で舐め取ったベアトリスは、喉元を過ぎる滑らかな感触に満悦する。


「美味い。さすがウチのマシンだ」


 貰いものだけど。


 目の前で自信作を奪われたシルヴィは、ベアトリスの前に仁王立ちする。身長差は二〇センチ以上。完全に見下ろす形だ。


「ケチ」


 唇を尖らせて、不満を表現する。せっかくいい感じにアートできたのに。


 絵柄など気にせずベアトリスは飲み干した。

 

「私のカップだ」


 そしてコトッ、と横のシンクに置く。飲み終わったので洗うために。


 その時、ふと、なにかが閃く。


「……?」


 漠然としているが、なにかの糸口になりそうな。そんな予感がする。


「だからな、今日来たのは暇だからであって——ん?」


 全く話を聞いていないベアトリスに、シルヴィは疑問を持つ。


「……?」


 深く、潜るようにベアトリスは深層世界へ。今は誰の声も届かない。花と自分だけの空間。

 

 (ラテアート……カップ……)


 なにか、ある。ここにヒントが。最後のピースとなりそうな、そんななにかが。

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