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114話
が、ベアトリスには通じず、
「知ってるか? シロツメクサの花言葉は二種類あって、『約束』以外に『復讐』なんてのがあってな。あぁ怖い怖い。今まさに復讐されそうだぁ」
あっさりと反撃され、ベルはプルプル震え出した。
ベアトリスは我関せずとばかりに、目線を合わせない。
なにをしても倍で返される感覚も手伝って、ベルはくるっと踵を返した。
「やりますよ! テーマは『愛』、時間は一〇分、これでいいですね!」
「勝手に変えるなテーマを。ま、終わったら呼んでくれ。私は電話してる」
手をヒラヒラと振り、店の奥の方にベアトリスは入っていく。眠いのか欠伸をしている。
それを尻目にベルは花を選び出した。平常心とはかけ離れた顔つきをしている。
「いつか頭に突き刺してやる……!」
およそ花屋の店員の発言とは思えないものであった。




