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剣鬼は出会う3


「レンジ今日は帰れセリアが心配して帰りを待っているだろ。」

リンドウは俺にそう告げる。正直まだリンドウと話をしたかったが家でセリアが待っている。

「わかったよリンドウ、また明日な。」

「ああ!また明日な!」


俺はリンドウの返事を聞くと帰路についた。


裏窓から家に入りセリアにリンドウの事を伝える。

「リンドウくん、ひとりで寂しい思いしてるよね。」

俺達は二人だから多少の不安があっても孤独じゃない、だがリンドウ瓦礫の中で一人だ。

「また、明日もリンドウに会いに行く約束をした。」

「あたしもついて行ったらだめ?」


セリアには悪いが魔物と遭遇等の最悪の事態が起きたとき俺はセリアを連れて逃げ切れる自信がない。

「ダメだ。」

「レンにいちゃんのいじわる!」

セリアを頬膨らませてこちらを睨んでくるがちっとも怖くない。

「そんな口の利き方をする悪い子にはこうだ!」

俺はセリアの脇腹を思いっきりくすぐった。

「やめてよ!くすぐったいてば!」

セリアは耐えられず笑い転げている。


そんなくだらないうやり取りを何度か重ねてるうちに、陽は沈み俺達は食事を取ったり寝る前に会話を少しだけして眠りについた。



翌日俺は外に出て騎士団がまだ町に到着してない事を確認する。

騎士団はいつになったら来るんだ、不安と焦りに煽られるが現状は何も変わらない。

俺はしばらくてしからリンドウに会いに行った。


リンドウは変わらず元気だった。何気ない会話のやりとりをし必ず助けが来るとお互いに励ましあった。そして、リンドウはセリアを気にし俺に帰る様に促した。

俺はまた明日も来ることだけ伝えた。リンドウの返事を聞き俺は家に帰る。

リンドウの声から少し覇気無いような気もしたが、俺はこの状況で疲れているのだろうと思った。


家に帰るとセリアが本を読んでおり、俺の帰宅に気付くとこちらに寄ってきてリンドウとどんな会話をしたか聞いてきたので教えてあげた。

必ず騎士団が助けに来てくれる、俺達が冒険者になって旅をする話、村の皆の話。

セリアは俺が冒険者に憧れている事をしっており、その話の度にあたしも一緒に冒険者になると駄々をこねる。今回も一緒であたしもなる!との一点張りだが俺は気に留めない。


「セリアはダメだ。俺が皆を、、、皆を守れるぐらい強くなったら、その時セリアを迎えに来るから。」

俺はセリアの頭を撫でる。

「レンにいちゃんそれも約束だからね!忘れないでね!。」

セリアは指切りを求めて来たのでそれにしたがった。


俺は一刻も早く騎士団の到着を願った。

まだ見えぬ希望に祈るしかなかった。

俺とセリアは陽が沈むまで喋った、そして本を読み聞かせてあげたりして今夜も眠りにつく。



四日目の朝が来たが、騎士団が来る事はなかった。

「くそ!何してんだよ!騎士団の奴らは!」

俺は声を荒げる、抑えて感情が思わず出てしまう。

大きく息を吸い込み一度家に戻り、セリアにリンドウに会いに行くと伝えた。

セリアは早く帰ってきてねと返事をし、それを聞いた俺はリンドウの元へ行く。


瓦礫の前に到着し、俺はリンドウに呼びかける。

「リンドウ、俺だレンジだ。」

俺はいつもの空洞からリンドウに喋りかけるが返事が無い。俺はまだ寝てるのか?と思いリンドウを何度も呼んだ。

「リンドウ!おい!リンドウ!」

俺はリンドウにいくら呼びかけても返事が返ってこない事に焦りと嫌な予感が脳裏によぎったその時


「あぁ...レンジか・・・?」

空洞からリンドウの声がする。

「お前!心配させんなよ!死んだのかと思ったぞ!」

俺はリンドウの無事に安堵し胸を下した。


「わ、わりいな....少し寝てたみたいだ.....。」


リンドウの声から覇気がない。寝起きでうまく声が出ないのであろう。

「いや、無事ならいいんだ。それと、まだ騎士団の連中来る気配が無い。」

俺は来る気配のない騎士団にイラついてる事をリンドウに伝えた。

すこしの沈黙の後リンドウが答える。


「そ、うか...。魔物との..戦いが長引いて..んだろ..。」

リンドウの返事がぎごちない。昨日までの明るい声とは裏腹に生気を宿してないような声だ。

そして、リンドウは続ける。

「なあ..レンジ...。お前と出会えた...事に..俺は一生....感謝してる..んだぜ..。」

急な、らしくないリンドウからの感謝の言葉に動揺した。

「おい、急になんだよ!しんみりするだろうが!恥ずかしいからやめろよな!」

俺は動揺を隠しながらリンドウに返事をした。


「お前だけが...俺の夢を...笑わずに..いつも..聞いてくれてた...ありがとな...。」

リンドウは続ける。

「お前と...過ごした..日々はほんとに...幸せだった...苦しい時...楽しい時...嬉しい時...ずっと一緒だった...。」

俺は何故リンドウが今それを伝えてきたのかを理解できずにいた。リンドウが何処かに行ってしまいそうにも思えた。

「あ、改めてなんだよ、まるでお前と今世の別れみたいじゃないか。」

リンドウは俺の返事を無視し話を続ける。


「レンジ今...剣を..持ってるか..?」

俺は護身様に持ち歩いてる剣の鞘に触れる。

「持ってるなら...少し...少しで..いいから...振ってくれねえか...?。」

言われるがままリンドウの頼みを承諾した。


俺は鞘から剣を抜刀すると、息を整え剣を振るう。

何度も、何度も振り続けた。

一太刀一太刀に全身全霊を込め振り続けた。

静かな町の中に俺の剣を振るう音だけが響く。


「レンジ...絶対に...冒険者に...”なれよ”。」

リンドウの声に俺は思わず剣を止めた。

普段なら”一緒になろうぜ”と言うのに今日だけは”なれよ”と俺に伝えてきた。


「ばか、お前も一緒になるんだよ!!」

俺は動揺を隠すためにまた剣を振り始める。

「あぁ...。」

リンドウは小さく答える。


俺は剣を振るい続け、流石に疲れたので剣を鞘に納めた。

「流石に疲れたぞリンドウ、いつになったら止めてくれるのかと待ってたんだぞ」

俺はリンドウに茶化しながら問いかける。

少しの間を置いてからリンドウは答える。


「レンジ...今日はもう帰れ...セリアが...待っている...。」

俺の返事に答える事なく、リンドウは家に帰る様伝えてきた。

確かに今日は普段より長く居る。セリアも不安がっているだろう。

だが、それ以上に普段と違うリンドウの違和感を拭えなかった。

「リンドウ、お前。今日おかしくないか?元気もねーしいつもみたいに明るくないぞ?。」

今日のリンドウはどう考えてもおかしい。普段のリンドウを見て来た者なら気付くだろう。


「別に...変わらねえよ..少し...寝不足で..疲れてる...だけだ。」

リンドウは覇気のない声で返す。

「レンジ...早くセリアの...元へ帰って..やれ。」

リンドウは俺にセリアの元へ帰る様せかしてきた。


「リンドウ、本当に寝不足で元気がないだけなんだな?具合とか何処か怪我してるんじゃないよな?」

俺は焦りの混ざった声でリンドウに問いかける。


「あぁ...。」

返ってくるのは覇気のない声だ。


「そうか。リンドウ!また、明日も俺は来るからな!明日になったら騎士団の奴らもくるさ!」

俺はリンドウを元気づけようと普段より大きな声で伝えた。


「あぁ...そうだな...。」

変わらず覇気がないが俺の声は聞こえてるみたいだ。

「じゃあ、またなリンドウ、必ず来るからな。」


「ああ..また明日な。」

リンドウの返事を聞き俺は立ち上がり歩き出したその時。


「親友よ...また逢おうな...。」


微かに聞こえたリンドウの声に俺は振りかえる事はなく帰路に向かった。




















































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