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「……ってまさか北条が。しかも召還士だって。……世も末だね」


 翌日の昼休み。二人は保健室に足を運んだ。

 ちなみに昨晩は朱乃の家にそのまま泊まる。素直に引き下がっていない場合と新手がいることを考慮して朱乃が引き留めた。聖戦は夜限定というのが暗黙の了解なので昼間はまだ安心して出歩ける。


「まったくです。……どうしましょう?」


 頭を抱える土方と朱乃。

 当のひかりはというと落ち着いた面持ちで出されたお茶を飲んでいる。ファンタジーの存在は昔から信じていたし、ファンタジーの住人になりたいと常に願っていただけに今の状況に悩むことはない。


「とりあえずだ。如月から聞いてるかも知れないけど一応説明するよ。メンドーだけど私の義務だからね」


 言葉通り面倒くさそうに頭をかく。


「見たと思うがファンタジーはあるんだ。それも世界観が統一されているんじゃなくてバラバラというかゴチャ混ぜなんだな、これが。ヘタしたら自分の存在を否定するとか矛盾する設定のファンタジーが間近にいる。自分の正当性を主張するために矛盾した相手を消そうなんてことを大昔は日常茶飯事だったらしい。でもファンタジーは神秘性を保ってこそ力を発揮できる。ということで聖戦というものを行うことにした。ここまでで質問は?」


 昨晩朱乃と聞いた内容とさほど変わらない。だが一晩たって落ち着くと一つ疑問が出てきた。


「なんで統一されたファンタジーじゃなくて様々な種類が混同してるのですか?」

「さぁ?」


 土方は興味なさそうに首を傾げる。


「大元は1つって話だけどね。定説はあるけどハッキリとはしてないんだよ。人間だって似たようなDNAなのに肌や髪の色や言語なんか違うだろ?」

「……それと同等なんですか?」

「納得できなくても何とか折り合いをつけてくれ。私が言えることはファンタジーってのは何でもありなんだよ」


 困惑するひかりを軽く突き放す。

かつての自分はどんなファンタジーに出会えるかと思い描いていた。そのすべてが目の前に現れただけ、ファンタジーなんだから何でもありで自分の想像など及ぶものではない。そう納得することにした。


「はい。では続けてください」


 素直に頷き、自分の中で納得するひかりを見て土方は内心で感心する。見たものを信じるというタイプでもなかなかこうはいかない。


「ああ。16年に一度、というか16年かけて完成する大規模結界『メタリウス』を使って聖戦は行われるんだよ。この大規模結界ってのが張られるとファンタジー能力で壊された無機物は自然と修復するし、一般人が偶然街で聖戦の現場に出くわしたとしても本物だとは思わず夢か何かと思うような幻術的な作用がある。これは『ルナキス』の復元力を使っている」

「ルナ……キス?」

「ひかりちゃん、それは異世界のことなの」


 昨晩説明し忘れたと朱乃は補足する。


「月の内側――裏側ではなくね――には異世界が存在してて、そこにはファンタジー溢れるっていう話なの。あたしたちの力の源もそこから流れてくるってことらしいんだけど」


 神秘の世界ルナキス。

 地球に存在するファンタジーの源流とも、人の想念・思想を具現化したものとも、魂の終着点ともいわれる未知なる存在。空気中には膨大な魔力が漂い世界を常に復元しようと働いている。ファンタジーを護ろうとするかのように。

 大規模結界『メタリウス』はその力を利用している。地球とルナキスの境界を曖昧にすることで聖戦で破壊されたものを自然に修復。ファンタジー適性のない人間からファンタジーを遠ざけるといった効果がある。

(……異世界)


 だがひかりにはそんな裏設定には興味がない。興味があるのは異世界の存在だ。それは引っかかっていることの希望につながる。

 黙っているひかりを肯定ととり、土方は話を続ける。


「その力には副作用もある。ファンタジーの適性がない人間を弾くがその逆、ファンタジーの適性がある人間を受け入れてしまう。……受け入れる、とは少し違うか。チャンスを与えるんだな」

「チャンス?」

「ああ、その人の適した能力を与えて聖戦を生き残ったらファンタジーの住人として認めてくれるという仕組みだ」

「……そんなことは頻繁にあるんですか?」


 朱乃は自分も知らないことを知っている土方に質問する。実のところ朱乃の聖戦の知識は師匠の母からのみなので知らないこともある。古くからの魔術師の家系という自負からか聖戦を管理する人物に込み入った話をするのは初めてだった。


「如月なんかは知らないか? リアル系の魔術師には突発的能力所有者に縁遠いからね。でも他の系統なんかじゃ結構ザラにあるよ。だから私たちみたいな管理者の多くは教職についてるんだから」

「どういうことです?」


 キョトンとする朱乃に軽くため息をつく。避けられていることは知っていたが如月家だから問題ないとほうっておいた。だが知識が偏っているのなら無理にでも一度話しておくべきだった。


「聖戦のたびに新たな能力者が増える。そいつらは年齢的に中高生が多いからな、フォローするのには教師が適してるのさ。如月やウチの弟とかみたいに各家系の当主が学生の場合も多いしね」


 思い当たる節があるのか朱乃は何度も頷く。


「如月~、知らないことがあるなら聞きにこいよ。知らないことは恥ずかしいことじゃないんだからさ。私らそのためにいるんだからさ」

「……はい、ごめんなさ~い」


 ぺこっと頭を下げる。そのかわいらしい仕草は有数のリアル系魔術師の当主とは思えない。


「先生。では次は召還士のことについて教えてください」


 ひかりは間を見て話の流れを自分の方に持ってくる。


「ああ、そうだったな」


 土方はお茶を一気に飲み干しノドを潤す。


「ふぅ、まぁ召還士のことっていってもアレだな。文字通りとしかいいようがないけどな。北条、実は何となく予想はついてるんだろ?」


 もちろん予想はしている。


「召還士として括られる能力者は……ルナキスに生息している生物、もっといえば現代では空想上の幻獣といわれるたぐいの種族を召還して使役できる」


――パチパチパチ……。


 ひかりの文句のつけようのない説明に二人は思わず拍手する。


「正解。その認識でほぼ間違いない。減点すらできない」


 強いて文句をつけるとしたらファンタジーに遭遇したというのにその存在を初めから疑わなかったかのような今ここにいることくらいだ。フォローする身としては物足りない。もっともパニックになって話ができないよりはマシではあるが。


「私は何を召還できるんです?」


 ひかりの立場としてはもっともな問い。だが土方は疲れたように首を振る。


「わからん」

「……じゃぁどうすれば召還できるんです?」

「わからん」

「ちょ、ちょっと先生! ふざけないでください!」


 立ち上がり、土方に詰め寄る。


「落ち着け、北条。別にふざけてるわけじゃない」


 いつもと変わらない表情でイスに座るようにジェスチャーする。

 納得はいかなかったがしぶしぶ従う。


「突発的に能力を与えられた人物のフォローが私の役目だ。知り合いでもふざけたりはしないし、聖戦の説明は納得するまでしてやるし、質問に答えるのもやぶさかではない。でも知らないものはどうしようもないだろ?」

「……知らないって?」

「誰にどんな能力が与えられたかなんてわからないんだよ。だから前もってから聖戦参加資格のある家系の参加者には見慣れぬ人物にオーラが見えたら聖戦を知ってるかの確認、もしくは管理者に報告を義務づけてるんだよ」


 オーラを確認できるのは同系種の人間のみ。管理者とはいえそれを感知する術はない。ゆえに参加することが確定の人物には前もって突発的能力者に出会った場合のことを指示しているのだが。


「でも先生の弟……」

「言うな! あいつは後で殴っとくから」


 朱乃の言葉を遮る。管理者の弟からして指示に従わないのだから義務とはいえ度合いはたかが知れている。


「まぁ、なんだ。召還士の突発的能力者はミラクル系が多いみたいだ。自分の危機に何かが勝手に召還されて護ってくれるってパターンが多いらしい」


 召還されるモノでその人物の能力の度合いがわかる。


「……でも私ってリアル系なんでしょう? なんらかの呼び出し方が必要なんじゃないですか?」



 昨日のことを思い出しひかりは質問する。土方はその内容に目を丸くするが、ひかりがなぜそう思ったかを悟る。


「召か、如月に聞いた? ウチの家系がリアル系だって?」


 リアル系の召還士にオーラを見られたということは自分もリアル系の召還士だと思うのは今までの説明からすれば無理もない。


「確かにウチはリアル系だけどね。聖戦における召還士ってのはリアルもミラクルも関係ないんだよ」

「そうなんですか?」


 ひかりよりも朱乃の方が驚く。彼女の感覚ではリアル系とミラクル系が戦うということは考えられない。


「まぁ如月のところはそうだろうがね」


 どこか疲れた顔で苦笑をもらす。


「召還士は結局ルナキスから呼ぶって大元が一緒のせいかな? 垣根なく戦ってるよ。いいか悪いかは微妙だけどね」


 召還士の場合結局のところ戦うのは召還した存在。個人の技能としてはいかに強い幻獣を召還するか、はたまた相手の幻獣の天敵を召還するかにつきる。

 ミラクル系の場合強力な存在を呼び出せる反面一匹のみという場合が多く、それが死んだら召還士としておしまい。リアル系の場合自分の力量以上のものを呼び出せないが何種類も呼び出させる。


「私のところの場合は呼び出せるのは一回につき一匹。それが命令をまっとうするか死なない限り他のを呼び出さないという制約付きの召還士だ。場に一匹ってのはミラクル系と一緒なんだが、それはまだいいんだ。何匹も同時召還したら操る精神力や魔力が持たないからな。でも命令をまっとうできない上になかなか死んでくれないヤツを召還したら面倒なんだ」

「どうなるんです?」


 土方は肩をすくめる。召還士である以上戦闘は召還獣まかせ。基本的に戦闘力がないので自分では殺してルナキスに帰すという手段がとれない。


「いつまでもこっちの世界にいられると魔力が持たないからな。一旦強制的に契約を切るんだ。そうすると召還したモノは何の縛りもなく一人歩きするようになるけど私の手は空くのでな、別なの召還して強制的にお帰りいただくという寸法さ」


 一応土方家に名を連ねる者なのに家系の機密をベラベラ喋っていいものかと他人事ながらに心配になる。だが逆にこの程度は機密ではないのかもとも朱乃は考える。リアル系でもっとも大事なのは論理性や理だ。


「……昨日、弟さんはファンタジー最強種を呼び出すようなことを言ってましたが?」


 ひかりは意を決して聞く。彼からその言葉を聞いたときからずっと気になっていたことがある。


「彼はホントにそんなものを呼び出す力を持ってるのですか?」

「う~ん、なかなかでっかいキーワードだねぇ」


 土方は背もたれに身を預けて天井を仰ぐ。


「私にはまず無理だけど……あの子にできるのかな? 一応弟はね、土方家始まって以来の才能って言われてて子供の時からじいさまにみっちりと仕込まれてたからね。ハッキリとしたことはわからないけど……召還士としてのレベルが高いのは間違いないね」

「姉弟でも知らないんですか?」

「私はどっちかっていうと落ちこぼれだからね。前回の聖戦以降修行なんかさせてもらってないよ」


 自嘲めいた口調に朱乃はしまったと口をつぐむ。

 前回の聖戦時、土方家では適した候補者がいなく無理矢理まだ幼い少女を参加させた。まだ小学生で能力以上に心身すら未発達の少女であったが不参加よりはマシと判断したのだ。結果無惨なものだった。


「あ、い~よ、い~よ。気にしない」


 手をパタパタと振る。


「でだ。ウチの弟は口は悪いし、粗野だし、キレやすいし、頭悪いし、ついでに目つきも悪いけど……ハッタリは言わないヤツなんだ。だからまったく可能性がないわけじゃないと思う」


 決して褒め言葉には聞こえないがそれなりに姉からの信頼は得ている。


「でも……ファンタジー最強種っていう言い方、大雑把ですよね。それだけじゃ何が召還されるのかわからないですよ」

「ああ本人も何を召還するのかわかってないよ」


 朱乃の言葉に土方は少々迷いながら反応する。


「他言無用で頼むよ。ウチの召還術はね、いくつかのキーワードで召還するんだ。でもってそのキーワードに近い獣なりモンスターなりが召還される仕組みなんだ」


 土方は久々に召還術のことを思い出す。


「たとえば……『地を駆ける鋭き牙を持つ獣』として召還するとする。私的には虎を召還するつもりでも、このキーワードを解釈したルナキスがライオンだったり豹をこっちに持ってくるってのはよくあることなんだ」


 土方家の召還術はそのものズバリを呼び出せないという欠点を有している。だが呼び出した召還獣のランクはそれなりに高いという利点がある。

 他家の場合、狙った通り虎を呼び出すことができるがその時の術者の体調、魔力などによって強さが変化する。

 何が召還されるかわからないが常にレベルの高いものが出てくる召還術と呼び出したいものが出てくるが強さが不安定な召還術。どちらがいいかは一長一短。それを確かめることができるのも聖戦に参加する理由となる。


「だから実際呼び出してみなければ何が出てくるのかわからないんだ。……でもまぁファンタジー最強種って言えば本命はドラゴンか」


 土方の一般論に朱乃は口を挟む。


「フェニックスとかはどうです? 不死鳥ってくらいだし死なないんだし」

「確かにそれもあるな。他には……麒麟って手もあるな」

「対人限定と考えると吸血鬼とかはどうです?」

「ありえそうだな。ドラゴンとかフェニックス呼び出すと維持の魔力が想像もできないしな。あのバカの魔力がいくら大きくても無理っぽそうだ」


 まだ見ぬファンタジー最強種談義に華を咲かせる朱乃と土方。


「――違う。ファンタジー最強種は……そんなんじゃない」


 ひかりは小声でポツリと呟く。しかし確固たる想いが言葉に宿ったのか、聞き漏らすことはなかった。


「違うって?」

「ひかりちゃん、なんか心当たりあるの?」


 だがひかりは答えない。下唇を噛み、うつむく。まるで何かに必死で耐えている、そんな印象を受けそれ以上の言及はできない雰囲気だった。


「……それで、どうする? 聖戦?」


 土方はため息をつき、本題に入ることにした。


「一応言っておくのが私の仕事だからね。聖戦で勝ち残るとルナキスへ通じる扉が与えられる。北条にはわからないと思うんだがファンタジーを継承する家系の人間には最高に栄誉なことなんだ。私たちは自分からルナキスに行くことはできない。それがいつでも好きなときにルナキスにいける。研究し放題だし、地球じゃ人目があって使えない大技だって使える。あとそこには『龍の聖女』が残したという英知を冠した『カンリズノウ』と呼ばれるゴーレム、無限のエネルギー『エイキュウキカン』、そして異世界に通じる『ゲート』を突破する方法があると言われている。……とまぁ基本的に参加者の多くはその報酬と嫌いな家系つぶしのために殺し合ってる。参加し、負けはしたものの運良く生き残ったものは――私のようにね――次回の聖戦の管理者を行うという義務が生じるけどね」


 面倒くさいが死ぬよりはマシ、といった表情で笑う。


「不参加なら今すぐにでも能力を仮封印する」


 机の引き出しから持ち運べるタイプのミニ金庫を取り出す。鍵を開けるとその中には内側になにやら文字の彫ってあるブレスレットがいくつも入ってる。


「これをつけるとどんな種類のファンタジーの能力でも封じることができる。8月の聖戦終了まではそれをつけてすごしてもらう。私たちも忙しいからね。でもブレスレットするとオーラも消えるから狙われることはないから安心していいよ。9月以降に今後のことは話し合おう。能力を完全に消すことも記憶も消せる。まぁ望むなら今後もそのままでもいれる、おすすめはしないけどね」


 ブレスレットを指に引っかけてもてあそぶ。

 参加を断ったからといって完全にファンタジーから引き離されるわけではない。参加者、ひいては能力者が増えるのは他の家系からすれば喜ばしいことではないがルナキスが選んだ以上無下には扱えない。理解できずパニックになるなら話は別だが理解できた上で選択するのであれば口出しはしないのがルール。


「……先生」


 仮封印。今の自分の身からしては悪い提案でない。何の能力かすらわからないのに聖戦を戦うのは無謀。かといってせっかく手に入れた(らしい)ファンタジー能力を捨てるのもはばかられる。


「覚悟があるというのなら参加すればいい。でも……」


 土方はおもむろに白衣を脱ぎ、その下のシャツをめくる。


「――――!!」


 土方の脇腹を見て息を飲む。

 白い肌を無惨に浸食する傷跡。古い傷なので生々しさはない。だがその傷の大きさは壮絶さを物語る。


「私が聖戦に参加した代償。子供といえどもライバルはさっさと消しとこうという敵から初日に狙われた。そいつ人狼使いでさ、生きながら喰われかけたよ」


 乾いた笑いをしつつ服を戻す。


「思い出したくないくらい……痛かったな。傷も深かったし、血は信じられないくらい流れるし、死んだと思ってたんだけどね。かろうじて生き延びたものの目を覚ましたときには聖戦が終わってたよ。身体が治った後も後遺症に苦しんで、あんまりにも理不尽だったんで復讐してやろうかと思ったらそいつはあっさりと聖戦で死んでたって言うんだから……イヤになる」


 忘れることのできない恐怖の記憶。

 無理矢理聖戦に参加させられたのに何もできずに負けたことを責め、落ちこぼれの烙印を押した家族。払拭しようとも憤りをぶつける相手はこの世にはもういない。傷口はふさがっても心の傷はふさがらない。かえって年月が経つごとに蝕まれていく。

 ファンタジーに恋いこがれる少女の淡い想いだけでは生き残れない血生臭さ漂うのが聖戦。

 実際に体験しているだけに彼女の言葉には重みがある。


「……私は」


 ファンタジーはあると教わり、信じてきた。それがいま現実のものとなった。自分のとるべき道は何だろうか?


「ファンタジーは好きです。あって欲しいと願ってさえいました。でも正直なところ聖戦とか、ルナキスとかに関心があるわけじゃないです」


 その言葉を聞いて朱乃の顔がパッと明るくなる。自分のせいで聖戦に巻き込むことを危惧していた。ひかりが能力者になるという展開にひどく焦ったが不参加を表明してくれるなら何の問題もない。

 危険な目にあうのは自分だけで十分だ。


「でも……」


 続くひかりの言葉に二人は身を固まらせる。


「ファンタジー最強種。ただそれだけには興味があります」

「ひかりちゃん!」


 友人の悲鳴に近い声をあえて無視。


「私は昨日からずっと心に引っかかってることがあります。ファンタジー最強種がさっき言ってたドラゴンとかいうベタなのでしたら私はすぐにでもリタイアします」


 ドラゴンに限らず伝説上の幻獣をこの目で見てみたいという願望がないでもないがそれに殺されるのはお断りだ。


「……でもそれが北条の予想通りのヤツだったらどうする気だい?」


 土方にはひかりが最強種として何を想像しているかはわからない。だがその時どうするかは気になる。


「聖戦に参加するのかい? それとも確認さえできれば満足なのかい?」


 ひかりは答えに窮する。そんなことは考えてもいなかったからだ。

 昨晩から色々なことを見て、聞いて、体験した。だが心をしめるのはファンタジー最強種の正体のみだったからだ。


(……でも)


 ひかりの目には迷いのない強い光が宿る。

 確認のためなら命を賭けてもいいのではないかと。


「若者のスペースオペラ離れを嘆く女神様に宇宙船をもらったんだが、引きこもるにはちょうどいい」を読んでいる人は『龍の聖女』という単語を覚えておくと損はない、……かな。


あちらほう、パソコンのメドがたちましたので予定より早く再開すると思います。

活動報告に詳しく書いてますので良ければ見てください。

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