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4.裏市場へ

 伯爵の話によると、町の端に広がる闇市場の視察に向かうボルドの護衛をするという内容だった。

 そんな大事な仕事を冒険者に任せるのでは無く、町の警察みたいな組織に任せれば良いのにと疑問に思ったが、これには訳があるらしく、領主が武力部隊を組織してはいけないという国のルールがあるらしい。

 その為に冒険者を雇って傭兵業などをやらせているのだと、伯爵は煩しそうに嘆いていた。

恐らくは地方での反乱とかを防ぐ為のルールなのだろう。

日本で言う豊臣秀吉の刀狩りみたいな感じだ。少し違うって?少し違うくらいなら問題ない。

 一応は自警団があるらしいが、それは町の人達で組織したものの様で、伯爵が命令を下す事は出来ない。

だからこそ国のルールには、当て嵌まらないらしい。上手く抜け穴を見つけたものだ。


 闇市場は、エリクの町の黒い部分を掻き集めたと言っても過言じゃない程、危険な場所だと伯爵もボルドも言っていた。

 エリクの暴力事件の大半が、闇市場で起きているらしいのだ。

 それが闇市場に住んでいる人達の間でならまだしも、道に迷って入り込んでしまった人を好んで襲っているという話なのだ。

 それを見過ごす程、愚かなバルザード伯爵では無く、直ちに問題解決の為に踏み出したのが、今回の視察である。


 もっと早くに対処すれば良かったじゃんと思うだろうが、秩序の無い裏市場に手を出すという事は、少なからず命に関わる事なのだ。

適当な対処では、返って問題が大きくなり町全体を巻き込む恐れまである。

 最初は乗り気では無かったけど、伯爵の話を聞いたら俄然やる気が出てきた。

 バルザード伯爵は領主としてエリクの人々を守る為に行動している。

 それに俺が、これから住む町にそんな裏があっては安心して暮らせたもんじゃない。


 これはある意味試練なのかもしれない。自分が暮らす町くらい自分で整えろというエイルからの試練だ。

 とは言え流石に疲れた。ボルドとの戦闘でかなり消耗したからな。

 ちょうど視察に向かうのは、明日の早朝なので、邸に一泊させてもらう事にした。

部屋も用意してもらえるみたいで助かる。更に食事付きと来た。至れり尽くせりとはまさにこの事だな。


 執事の案内で、部屋まで向かった。


 本当に寡黙な人だ。必要最低限の事しか喋らない。少し不気味ではあるけど、ザ・執事って感じだな。


「ここでございます。どうぞごゆっくりお休み下さい」


 丁寧すぎる執事に何て反応したら良いか分からなくて会釈だけして、すうっと部屋に入った。

 部屋の中には目立った家具は無く、ただ純粋に休むだけの部屋といった感じだ。

 少し寂しい感じの部屋だが、ご好意で用意してもらった部屋だ。文句は言わないでおこう。


 唯一の家具と言っても過言じゃない、このふかふかのベッドは最高だ!


 夕ご飯が来る前にシャワーを浴びる事にした。

 何度か戦闘をした所為で服や体に砂埃やらが付着して小汚い。

 可能なら服も洗いたいのだが、流石に洗濯機は置いてないか。

 夕ご飯の時にでも、執事かメイドに洗濯をお願いしよう。


 さて、俺は普通にシャワーを浴びるだけなのだが、罪悪感を否めない。

 そう!俺は男だが、女だ。しかも中身が男で、体が女と来た。

 何が言いたいのかと言うと、自分の体ではあるけど女の子の体に触れると言う事が俺には荷が重いのだ。

 そもそも俺は高校生だ。盛んな時期とは言え度胸も経験もない童貞が、いきなり女の子の体に触れてみようなんて言語道断、空理空論だ。

 しかし、しかしだ。体を洗わずに過ごすのかと言われれば、それは嫌だ。美少女と不潔は同居出来ないからな。


 数分葛藤した後に俺は決心する。この決心は今までで一番重要で厳しい決断だった。

 震える足をどうにかシャワールームまで進め、アーマーを外して服とスカートを冷静に脱ぐ。

ここまでは順調に進んでいるが、本当の戦いはここからだ。


 俺は、純白の下着に手をかける。小さく見えた自分の胸は、アーマーを外してみると思っていた以上に大きかった。


 一度、深呼吸する。深く深く、吸って吐く。


 パンツから脱ぐのか、ブラから外すのか。少し悩んだがブラから外そう。理由は特にない。

 震える手で、ブラを外す。

制限が外れた胸は、ポヨンと揺れてから静止する。張りのある良い胸だ。

 俺は何も言わずに次の行動に移行する。なるべく無心で。


 パンツに手を掛けた。ブラを外した俺にはパンツを脱ぐ事など造作もない。と思ったが、心臓が破裂しそうだった。

 特に動いても無いのに息が切れている。


 女神エイルよ!これも俺への試練なのか!?なかなかに手強い試練を用意してくれたな!と心の中で、葛藤の嘆きをぼやいている内に裸体を曝け出した。

 壁に張り付いた鏡には楽園が映し出されている。

 しかし、その光景を目にしても俺の心は動かない。


 何故かって?それはユニークスキル<無の境地>を習得したからだ(嘘です。めちゃめちゃ心動いてます。)

 俺は平然とシャワーを浴び、体の隅々を洗ってすっかり綺麗になった。

 女性の体はこんな作りなのかと感心しながら、いろんな意味で気持ちが良い時間だった。いろんな意味で・・・。


 風呂から上がると夕ご飯が運ばれてきた。それを完食して、洗濯物をおばさんメイドに渡してからベッドに寝転がる。

 そして今日の出来事を思い返し色々あったなと、嘆息する。


 事故で死んで、異世界転生して、ユニークスキルを使って伯爵の息子を救い、今に至るわけだ。

 刺激的かつ濃密な1日だった。何だかんだ楽しかったかも知れない。


 一日を振り返っている間に自然と目蓋は閉じて、意識は微睡みの中へと落ちていく。

 深く眠るまで、そんなに時間はかからなかった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 カーテンのズレから太陽光が差し込み顔を照らしつける。

 もう朝か。あぁ良く寝たなあ。軽く伸びをして眠気を吹っ飛ばした。

 ふかふかのベッドとおさらばするのは、少し名残惜しいが、思い切って立ち上がる。


 タイミング良く執事が部屋のドアをノックした。

 朝食の準備が出来たみたいだ。昨日の夕ご飯が美味しかったので、朝食にも期待が持てる。

 入って来たメイドがテーブルに朝食を並べる。

 執事は丁寧に料理の説明をしてくれたが、俺は興味が無いから聞くふりをして、情報を右から左へと華麗に受け流す。


 美味い!美味い!!美味い!!!

 どれも最高だ!パンにスープにサラダにメインの肉。どれも最高に美味い!!


 この味を美味いとしか表現出来ない俺の語彙力の乏しさには驚きだが、本当に美味い。これだけは伝わって欲しい。

 高級というより庶民的な料理だったが、味は確かに高級感のある一級品だ。


 異世界という事で料理には多少の心配があったが、前世と比べても劣らない程、魅力的な料理が多くて、これからの生活が楽しみだ。

 世界中の料理を巡る冒険も面白いかもしれない。


 俺が食事を終えるとメイドが食器を片付け始めた。


 メイドってやっぱ良いよね。しかもこの子可愛いよ!

 メイド服のデザインを見て俺は感心していた。バルザード伯爵は良くわかってるお方だ。案外趣味が合うのかも知れない。


 メイドが片付け終わってから、執事が一礼してから口を開いた。


「バルザード様より朝食が終わり次第エレン様をお呼び立てするようにと言われましたので、準備が整い次第向かわれてください」

「わかりました!」


 それでは、と執事は部屋を出て行った。

 伯爵の部屋に向かう為に着替えようかと思ったが、そういえば昨日着ていた服を洗濯に出してしまったので、着る服が無い。

 寝巻きで行くのは流石に無いよな。

 まだ部屋の前で物音がするから執事かメイドがいるのだろう。

 その人に頼んで昨日の服を持ってきてもらおうかな。


 ドアを開けると何かにドアがぶつかった感触があった。


「キャッ!」


 メイドのお尻にぶつけてしまったらしい。


「ごめんごめん!そんな近くにいるとは思ってなかった」

「大丈夫です!こちらこそ申し訳ないです」

「君に頼みがあるんだけど良いかな?」

「何ですか?私に出来る事であれば何でもやりますよ!」


 別に大した事をお願いする訳では無いのだが、このメイドは張り切っている。人に頼み事をされるのが好きなのだろうか。


「大したことじゃないよ!服をもらいたいんだ。昨日洗濯に出しちゃって」

「え?それだけですか?」


 大した事じゃないって言ったじゃん!

 そこまで露骨に期待外れだって顔されても困るよ!本当!


「うん、そう。それだけ」

「そうですか・・・。持ってきますので、待ってて下さい」


 まあ良いか。服はどうにかなりそうだし。でも、少し心配だ。あの子からはドジっ娘オーラを感じたからな。とんだ災難を起こしそうだ。

と、思っていた矢先だ。俺の思った通りこの子はドジっ娘だ。

 直ぐ戻って来たと思ったらメイド服を渡してきやがった。

「お待たせしました!はいこれ、似合うと思いますよ!!」とか言って、笑顔で出て行った。


 いや似合うとかそう言う話じゃ無くて、一応客人である俺にメイド服を渡すってどうなのよ?

 まあ着るけどさ!他に服ないし!実際可愛いし。・・・ヤバイ!だんだん心まで女になってる気がする!

 心は男だ!心は男だ!よしっ!大丈夫。俺は男だ!


 だけど、実際このメイド服は可愛い。今の俺の顔ならバッチリ似合う事請け合いだ。

 ドジっ娘メイドとかと服のデザインが違うのを見ると、やはりバルザード伯爵はメイド好きという事か。


 着てみたが、なかなか良い感じだ。着るのに手間がかかるのが面倒だが、似合っていると思う。


「どうですか?開けても大丈夫ですか?」


 ドジっ娘メイドがドアの向こうから言った。最初は少し叱ろうかと思ったが、このメイド服のチョイスはかなりのセンスだ。

 もしかしたら俺に似合うという確固たる自信があったからこそ、このメイド服を敢えて持って来たかもしれない。

 ドジっ娘を装って俺を嵌めたという可能性もゼロではないだろう・・・。無駄な考えだな。

 まあ叱りはしない。怒るのは余り好きじゃないからね。


「うんいいよ」

「開けまーす・・・うわっ!可愛い!!えっ可愛い!!」

「あ、ありがとう。少し照れくさいな」

「本当に可愛いですよ!やっぱり私のセンスは確かでした!絶対似合うと思ったんですよ!」

「あはは、、」


 本当に照れくさかった。可愛いって言われるのは悪く無いけど、あまり言わないで欲しい。反応に困りまくるから!


「うわぁ!可愛いですよ!エレンさん!」

「いやそれ以上言わないでくれ、恥ずかしいから!てか、何でお・・・私の名前知ってるの?」

「バルザード様から伺っていますよ!ボルド様を救った方だと!」


 結果的には救った事になるだろうけど、俺は元々殺す気でボルドと戦ったからな。少し違う気がする。

 言ってもややこしい事になるだけだから、言わないんだけどね。


「まあ結果的にはね」

「終わり良ければ全て良しですよ!」

「そうだね。あっ!まだ名前聞いてないな。私の名前を一方的に知られてるのは嫌だから君も名前を教えてよ」

「メイドに名前を尋ねるお客様なんて滅多にいませんよ。私はアリシアです!」

「アリシアか。うん良い名前だね!」

「はいっ!私も好きです」


 あっ、この子も可愛い。アンもそうだけど素直な子はこんなにも可愛く見えるのか。

 見習わないとね。やっぱり見た目は美少女なのだから可愛い仕草とかを見習って、男を騙すとか出来たらカッコいいかもしれない。

 それで情報操作とか出来たりしたら、もう勝ちじゃん


 そういえば伯爵に呼ばれていたんだった。大分伯爵を待たせてしまっている気がする。

 アリシアとの談笑も程々にして向かわないと。


「アリシア!お客様の部屋で何をしてるの?」


 他のメイドがサボりを決めているアリシアを呼びつけた。それに対して焦った様にアリシアは返事をする。


「は、はーい!直ぐ行きます!すいませんエレンさん。まだ仕事がありますので」

「あぁ。私もそろそろ伯爵の所に行かないといけないから」

「はい!それでは」


 アリシアと別れてから俺は伯爵の部屋へと向かった。

 迷路の様な邸だが、伯爵の部屋へのルートはしっかりと把握している。俺は優秀だから。


 多分メイド好きである伯爵が、この姿を見たら目が飛び出るほど驚いた後に抱きついてくるかもしれないな。「こんな美少女メイド見た事無い!」とか言いながら。

 勿論、おっさんに抱きつかれるのは勘弁なので、全力で避けてやるけど、褒められるのは嬉しいからな。


 そう、くだらない事を考えている間に部屋に着いた。

 ドアをノックしてから中へと入ると、伯爵はイスに座り眉間を指で抑えて俺にジーっと熱い眼差しを向けた。


 食いついたな!と思ったが、想像していた視線とは少し違う様で、何故か溜息を一つ吐いた。

 あれれ?お気に召さなかったかな?趣味が違ったとか?

 あっ!もしかして溜息が出る程ドストライクだった的な?

 そんな事を考えてると伯爵が、また溜息を吐いた。


「エレン、一つ質問をしても構わないか?」


 少しシリアスを感じる。


「なんですか?」

「何故メイドの格好を?」

「何故と言われましても、メイドのアリシアに服を用意してもらったら、このメイド服を出されたんですよ」

「はぁ、やはりアリシアか。」

「あれ?バルザード伯爵はメイドが好きなのでは無いんですか?」


 それを聞いた伯爵は眉を寄せて溜息をもう一つ吐いた。

 どうやら別に好きという事では無いらしい。


「申し訳ないが私にはそんな趣味は無いぞ。お主にその服を渡したアリシアは鈍臭いメイドでな。はぁ、どうしようもない奴なのだ」


 それは大体察していたが、伯爵のお墨付きとは正真正銘のドジっ娘メイドという訳か。

 しかし伯爵がメイド好きでは無いというのは驚きだ。

 いや好きだけど伯爵という立場で、前面的に好きと言えないのかも知れない。それなら頷ける。

 そういう事ならこれ以上は何も言わないであげよう。


「ですよね」

「あぁ本当に鈍臭くて仕方がないメイドなのだ

 が、やけに他のメイド達からは可愛がられている」

「世話の焼ける子ほど、可愛いと言いますからね」


 微笑ましくて何よりだ。


「そうだな。まあそんな話はこのへんで辞めておこう。話を本題に移すが良いだろうか?」


 伯爵は真面目な顔になってそう言った。


「父上。エレンさん。あはようございます」


 見違える程の好青年になったボルドが、爽やかな笑顔で挨拶をして部屋に入って来た。


 昨日の生意気な顔付きは嘘見たいに消えていた。

 うーん。元は良い奴なんだろうけど、逆に気持ち悪いと言わざる終えないな。申し訳ないけど。


「あぁ。来たかボルド。お主達には昨日言った通り裏市場の視察に向かってもらいたい。特に奴隷商を見てきてもらいたいのだ」


 奴隷商か。嫌な響きだ。

 人を物の様に扱うなど、あってはならない事の筈なのにこの世界にはこういう職業も存在しているのか。


「承りました。今回は視察だけで良いのですよね?」

「あぁそうだ。エレンもやってくれるか?」

「勿論です!その為に来たんですから」


 伯爵にメイド服で行ったら怪しまれるのでは?と聞いた所、案外怪しまれないらしい。

 裏市場には、身分を隠す為に仮面を付ける人や突飛な服を着用する事で普段と印象を変える人が多くいるみたいなのだ。

 そうだとしてもメイド服で奴隷商人の所に行くのはどうかと思うが、まあ服装をとやかく言ってもしょうがないのか。


 ともあれ出発だ!

 裏市場までは歩いていく。視察は勿論だが町の事をもう少し知っておきたいから。その為には歩いた方が良いからね。

 裏市場までは思ったより近くて歩いて、約3時間程度で着くとの事だった。

 伯爵の邸から徒歩で3時間の所に裏市場があるというのは嫌な話だ。


 ボルドは伯爵の息子という事で、顔もそれなりに知られている。その為フード付きのマントを着用して顔を隠した。

 服装も全体的に質素な感じになっている。貴族である事を悟られたら大問題だ。金銭目当てで襲われる場合もあるだろうしね。

 色々と心配だ。争い事にならなければいいけど。


 裏市場に向かう道中この町について色々とボルドに教えてもらった。


「ねえボルド、この町の壁って何のためにあるんだ?」

「あの壁はですね。魔物から町を守る為のものなんですよ!」


 魔物とは言ったが、町の外にはスライムしか居なかった気がする。

 スライム程度の魔物から町を守るのにあんなデカイ壁はいらないはずだと思うのだが、実は凶悪な魔物がここら辺の近く潜んでいるとかか?


「でもこの辺にはあまり強い魔物はいないじゃない?」

「今はいないですね。だけど昔はいたんですよ!まだ魔王が世界を蹂躙していた時代に、この土地は戦いの最前線だったんです!そして魔王が勇者に封印された後に、この町が出来たらしいのですが、魔王はこの土地に多くの魔物を残したんです。その魔物達から町を守る為に作られたのがあの壁です!」

「かなり壮大な話だな」

「そうですね。けれど魔王が残したという魔物の殆どがもういませんけどね」

「そうなのか」

「はい。ここ数年間大型の魔物の出現報告はありませんし、もうあの壁も必要ないのかもしれません」


 その後もボルドとの話に花を咲かせている間に裏市場まで辿り着いた。


 ボルドのおかけでこの町の歴史について知る事が出来た。

 魔王やら勇者やらゲームでは、聞き慣れたワードが飛び出してきたが、この世界では一般常識なのだろう。

 もしかして俺がその勇者とか?いやそんな訳ないか。


 本当にボルドは変わった。見違える程の好青年。

 やはりあれは悪魔による効果が大きかったのだろう。

 元は自分を制御できる人間なのだが、悪魔によって欲を極限まで膨張させられ狂ってしまったという事なのだろう。

 ボルドに悪魔の書を渡した奴の事は気になるが、今は伯爵からのクエストが優先だ。


 俺とボルドは裏市場へと足を踏み入れた。


 イメージでは薄暗くて、酒で酔った荒くれが暴れているのを想像していたが、実際はありふれた町の商店街みたいな感じであった。


 少し拍子抜けだが、ボルド曰く奥に行けば酷い有様との事だ。

 俺たちの本命はこの先にある。





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