悪の軍団のボスになったから頑張ろうと思う。
普通の人生を歩んできた俺が、朝目が覚めたら、悪の軍団のボスになっていた。
「お目覚めでございますか、ブラック総督」
そうこちらに声をかけるのは全身真っ黒のメイド
「ああ、紅茶を入れてくれ」
ボスだった頃の記憶もあるおかげか特に違和感もない
「かしこまりました」
そう言って出て行ったメイドを見ながらこれまでの事を考える
なるほど今まで世界を征服しようとしていたが武力ではヒーローには勝てんか…なら別の方向から行くしかあるまい
紅茶を持ってきたメイドに幹部達を呼ぶよう命令する。
「「「お待たせいたしましたブラック総督」」」
そうして現れたのは3人の幹部達
美魔女と呼ばれるアクジョー
怪力怪人のマッスル
悪の科学者のDr.ワル
「お前達に告げる事がある」
「あのヒーロー、ジャスティスを倒す方法でしょうか」
「いや、違う」
「それでは?何でしょうか?」
疑問の顔をする幹部達に威厳を保ちながら告げる
「新たな世界征服の方法だ」
◆◆◆
「おい、ブラック総督貴様こんな所で何をしている!」
ジャスティスが私に向かい指を指しながら吠える
「何って、会社のパーティーだが?」
そう、もう武力での世界征服は難しい、だから会社を立ち上げたのだ。
幸運な事に世界征服をする為のお金はあったので、それを元手にアクジョーは美容の、マッスルはスポーツの、Dr.ワルはロボットのそれぞれ会社を立ち上げ、流石に悪の幹部だけはあり短期間で成果を挙げていった。
「どうせ悪だくみだろう、決着をつけてやる!」
「悪だくみ?何を言う、我らの会社はホワイト企業だブラックなのは仕事着だけだぞ」
従業員達からも批判を受けジャスティスは撤退していく。
「ブラック名誉会長、これからもよろしくお願いします。」
「うむ、みんな頑張って世界を征服するように!」