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五月三日・昼Ⅲ? 対???






「うう…お腹空いた…」


綴也は床に大の字になっていた。

もう一歩も動きたくない位だった。

お昼ご飯を食べていなのにアイディアルに夢中になりその上今までに無いく

らい全力全開で戦ったので身体もそれを訴えるかの様でお腹が何度も鳴り止

まないでいた。


「ウフフ…これから食べるご飯は美味しいですよ…」

「お腹減っていたの解っていたのに何でサクラ会長に言ってくれなかったん

ですか?」

「自己管理に関わる事は自分で自己申告するべきでしょう…サクラさんに信

じてもらえるかは兎も角…ね?」

「うう…ごめん」


そう言われると綴也も文句は言えなかった。

ましてや空腹で文句も思いつかないし例え空腹でなくとも何処かで空腹をサ

クラに訴えるべきだったと思ったからだ。

自分は信じられていないからと言って何も言わないのはもっと駄目なんだと

反省した。


「綴也さん…身体が動かないなら私が食べさせてあげましょうか?」

「それは多分大丈夫…それよりもサクラ会長は?」


首だけを綴也はサクラの方に向ける。

アイディアルで再現されたとはいえ自分が致命傷を負わせた為か彼女は目を

覚ましていなかったので心配だった。


「私がちゃんと見てますよ…心配いりません。直ぐに目を覚ましますよ…」

「でも…全然起きないんだけど…」

「身体チェックしてみたらこの子寝不足な様ですね…最近良く眠れてない様

ですね…だから眠りが深いのですよ…後三分くらいすれば目も覚めますよ」

「え?そう…なんだ…」


今日の彼女は前に戦った時よりも強いと感じたがミフルにそう言われ彼女の

行動を思い返すと唐突過ぎると思えるのもあった。

もしかしたら彼女に勝てた事も彼女の寝不足の理由もそのすべてが一斉に綴

也の頭の中でつながった。


「まあ…彼女の悩みは綴也さんだけではないのだけは言えますけどね…」

「そう…かな…?」

「ええ…どちらかと言うとアイディアル復帰を悩んでいるのでしょう…」

「そうだった…」

「まあ…綴也さんがイリュシオンにいるからアイディアル復帰を迷っている

可能性はありますけどね…」

「うっ!!」


ミフルにその可能性の話をされても綴也は心の中で謝るしかできない。

しかしコンディションが良くなかったとはいえあれだけの戦いができる彼女

が完全な状態だったらどんなに強いのか想像できなかった。

想像するのは当人に悪い気がしたがアイディアルに復帰した彼女を見てみた

いという思いを抱いた。


「う…ん…」

「あ!!ミフさん?」

「ね?目覚めたでしょう…」


会話する二人の目の前でサクラの手が動いた。

怪我とは言え複合現実で再現されたものなので無かったかの様にサクラがゆ

っくり起き上がった。


「サク…」

「負けられない…」

「?…サクラ会長?」

「ん?」

「負けられない…こんな…」


しかし起き上がったサクラは何事かを呟き始めた。

その言葉を綴也は聞き取れなかったがそれが尋常ではない事は理解できた。

何故なら彼女の身体の周りから金色の何かが立ち上っている様に見えたから

だ。


「こんなお前みたいな…卑怯者なんかに!!」


体中から激しく立ち上る金色の何かを纏った彼女は綴也に駆ける。

それは先程の試合の時よりも速いと綴也は思った。

だが思う事は出来ても空腹で動く事は出来ない。

仮に空腹であったとしても動けたかはわからなかった。

試合の時よりも速いと思うよりも速くサクラの拳が綴也に突き刺さろうとし

た。


「え!?」


だがそうはならなかった。

その拳を受け止めるものがいた。


「え!?ミフさ!?」

「私は電子製命体ですよ光の速さで動く事は簡単なんですよ」

「そ、そうなの!?」


光の速さで動ける事がどの位凄いのかは想像ができない綴也はとにかく凄い

事なんだという事という事にした。

何故なら今自分はサクラに殴られそうになったと今になって理解してミフル

の言葉を理解するのは難しかったからだ。


「どうしたんですか?お嬢さん?今のは…」

「邪魔を…」

「な!?」

「するなぁぁぁぁぁぁ!!」

「これは!?」


サクラ叫んだ瞬間彼女の手のひらから身にまとう何かと同じ色の光が放たれ

てミフルはその光に掻き消されるかのように消えた。


「え!?」


そこから動けず見ていただけの綴也は何が起きたのか分からない。

いや解っている筈なのに頭が理解してくれなかった。

とにかく条件反射ともいえる行動で目を動かしてミフルを探していた。


「ミフルさん!?ミフルさん!?」

(綴也さん!!)

「あ!?ミフ…」

(逃げて下さい!!)

「え!?」


ミフルを探して目を彷徨わせる綴也の耳に探し人の声がした。

見つかったと安堵する時間は全くない。


(原因はわかりませんが体が構成できません!!声が聞こえてるなら早く!

!今のサクラさんはまともな状態ではありません!!)


それはいつもの声色ではなく切羽詰まった声だった。


「くっ…」


その声に従いこの場から去りたかった。

しかし空腹の所為で身体が思うように動かなかった。

立ち上がる事も困難な程だった。


「逃がさない!!」


サクラは綴也に突っ込んできた。

その様は悪に立ち向かう英雄の様な振る舞いなのかもしれないがそれを向け

られる側からすればそれは正義を掲げて自分を消そうとする者に見えなくも

ない。

しかし評判が悪いとはいえ今動けない相手に対しそうふるまう事の是非は話

が別ではある。


「が!?」


サクラは綴也に拳を叩き込んできた。

綴也はとっさに腕を盾にするが腕の骨が軋む。


「くっ…が!?」


拳を受け止めたが受け止めきれずに綴也は殴り飛ばされてしまう。

それはこの世界の学生平均で軽い方とはいえそれは車にぶつかった以上の吹

き飛ばされ方だった。


「がぁあ!?」


サクラは綴也の背後に現れて蹴りを叩き込み。


「ぐ!?サ…クラか!?」


蹴り飛ばされて横に表れて殴られ…。


「お前の所為で…あの人は…アイディアルを…お前は…お前の所為で…色ん

な人が苦しんでるのよ!!何でそんなお前が何事も無かったかの様に生きて

るのよ!!」


彼女の叫び共に無数の拳と蹴りが綴也の身体を叩き込まれて倒される。


「…う…がはぁ!!」


綴也の体中には打撲の跡があった。

それらは再現されたものではない事が綴也の身体から発せられる痛みという

信号から無理矢理に理解させられる。

信じてもらえなくともサクラに言葉を発したかったが痛みで言葉が出ない。


「がばぁ!!…あぁ…」

「これで…終わりだ!!」


サクラが拳を振り下ろそうとした。

それは避けられない目をつぶる一瞬も無く迫る。

何かを思う暇もない。

だがその拳が綴也に届くことは無かった。

その時何者かがサクラを吹き飛ばした。

そしてその時の衝撃で吹き飛ばされた綴也は身動きが取れないが誰かの手に

受け止められその際に何かが当たった。


「うっ!?…おえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


その瞬間に綴也は吐き気に襲われた。

抱き留められていた誰かの手を払い綴也は湧き上がるものを吐く。

体中流られた所為か吐くものの中に赤い色が混じっていた。

体中が痛みを発している中で吐くのは今まで一番苦しいものだった。


「ごめんなさい…貴方の体質まで気遣えなくて…」

「うぇ…え!?」


体中の痛みと吐き気に襲われる綴也はそれを見て驚いた。

何故なら先程まで今の今まで自分を断罪していたサクラと全く同じ顔と声が

優しく自分を救いいたわる様に語り掛けて来たからだ。


「ッ!?…え?」


吹き飛ばされたサクラは自分を吹き飛ばしたであろう人物を睨みつけた。

だが直ぐに今の光景が理解できなかった。


「あな…た…?」


サクラは目の前にいる人物に驚いていた。

知り合いからでもない仮に思いもよらない人物ででもここまでは驚かない。


「あ…なた…誰…なの?」


何故なら目の前にもう一人の自分が現れて綴也を助けて労わっている様に見

えたからだ。

Mル…ウフフ…全く綴也さんは…


E香…貴様と共感してしまうのは業腹だが確かにな…


Mル…彼女に勝てたのは様々な偶然のおかげと思っているようで

   すけど…


E香…そこは綴也君らしいと言えばらしいと言えるかな…


Mル…もう少し自信を持っても良いんですけどね…。


E香…貴様がそういう風に仕向けているからああなっているんで

   はないのか?


Mル…そんな心算はありませんよ。

   綴也さんが私が言う事を素直に受け取ってくれてとても良

   い子ですよ…うふふ。


E香…もういい。

   それより話の更新が遅れてないか?


Mル…作者がF〇Oで遅れた所為ですね。


E香…やれやれ…


Mル…今回は話の解説はしにくいそうなのであとがきも短めです。

   ネタバレになるそうなので…。


E香…ネタバレになると困る話があるのか?


Mル…ええ…一応は…ね。

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