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物理的評論会及びお悩み相談室?






一部が真ッ平らになった街で幻想住人の集団がドラゴンを包囲する様に向か

って来る。


「何…これ?」


その数は先程までの相手にしていた集団など比較にならないものだった。

綴也も望んだ訳ではないがこの世界で集団に囲まれた事があったしアイディ

アルで一度だけ一万の人間相手の戦場に立たされた事もある。

だが今までの大人数が一人と同じだと思える位の集団いや此処まで来ると軍

団と言えた。

綴也はこのドラゴンがこれだけの集団を相手に出来るのかと思った。

ドラゴンは街を破壊している元凶なのだが綴也はドラゴンにこれだけの人数

で戦いを挑むのはアイディアルの時以上の理不尽に思えた。


「こんなの…」

「やっと来たか。このエリアの連中は最近遅刻がヒドイな…」

「え!?遅刻!?」


綴也が心配していたドラゴンは周囲を囲んでくる大軍団を見ても気にしてい

ない。

寧ろ遅刻だと少し怒っている。


「でも…ドラゴンさん…空にあんなに…」

「あの程度の数を軽く相手に出来る事がイリュシオンにおける最強クラスの

最低条件と言われるくらいでな…これ位の数だとまだ少ない位だ…」

「ええ!?」


綴也のドラゴンに対する不思議な心配はこのドラゴンには勿論この世界では

無用のだった様だった。


「では…迎えに行くか」

「え?」


ドラゴンは背中の巨大な翼を開き震わせまるで鳥の様に浮かんだ。

その巨体がまるで余りにも簡単に浮いた事に驚愕しその間にドラゴンがその

巨体でまるでミサイルの様に集団に飛んでいった。


「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


綴也は以前ミフルにこのドラゴンは変形機能があるといっていた事を思い出

した。

が今はそのあの時の姿ではないが悲鳴を上げながらも片手で突起を掴み落ち

ない様に必死に必死に耐えるしか出来なかった。

追記するとその為に其処に同じくいるのに何事も言わずに何事も無い様に立

っている老紳士の事は突っ込む事は出来なかった。

空を飛んだドラゴンは向かって来る集団の中で一番近い集団に向かってその

直前で止まった。

集団はいきなり標的が自分達の元に姿を現した事に多いに驚いている。


「待っていたぞ新天神の住人達よ…貴様等最近遅刻が目立っているな…たる

んどるぞ貴様ら!!だから来てやったぞ!!」


ドラゴンは集団を前に遅刻を注意していた。

綴也はそんな事を言っている場合かなと言いたかったが今は振り落とされな

いように耐えたので息が上がり何も言えなかった。


「今日こそ討たせて貰うぞ!!自称物理的評価家気取りの破壊活動中毒め!

!」

「そうだそうだ!!」


集団のリーダーらしき者だろうかドラゴンに武器を向けている。

ドラゴンの巨体を前に脅える様子は無い。

集団の所々からも同調の表れが出ている。


「まあ…破壊する事が楽しくないとは言えんがその異名はお前達が勝手に付

けたモノだぞ…それに我ながら物理的評論家と言うもの板についてきたしな

…辞める気にもならん!!」

「ええ!?」

「うるさい!!俺達は関係ない!!貴様にどれだけ…街を破壊されたか…ん

?誰だ?」


集団のリーダーらしき男はドラゴンの周囲を見て頭上にいた綴也と目が合っ

た。

目が合ったので綴也は何ともいえなくて一応会釈をした。


「こ、こんあにちは…」

「貴様は…成程…そういう事か…」

「…ん?」

「姫神殺しの悪名は僅かな間で広まっていたがまさか界塵竜を手懐けるとは

な…」

「「「「「な!?」」」」

「……え?……え?」


その男の一言に周囲にいた住人も綴也も驚きの声を上げる。


「姫神殺し!!そのドラゴンを操って何を企んでいる!?」

「え!?いや…」

「やはり狙いは彼女か!?」

「いや彼女って誰ですか!?」

「とぼけるな!!界塵竜を利用してヴィヴィアンヌを殺しそして歌姫を手篭

めにする為だろうこの外道が!!」

「な、何で!?」

「そのドラゴンを開放しろ!!そいつは許せぬ敵ではあるが貴様の良いよう

に操って良い奴でも無い!!」

「「「「そうだ!!そうだ!!」」」」」


集団の目的が明らかに変化しているのが綴也にもわかる。

集団が目的が別の事に同調しているのも感じる。

しかし何でこんな事になっているのか解からない。

それがその一言を聞いた綴也の正直な気持ちだ。

だが目の前の事態が自分が思いも寄らない展開をしている。

もうドラゴンの周囲は囲まれていた。

集団の目がドラゴンから頭上の綴也に向けられているのが明らかだった。


「やれやれ…」


その様子に嘆息したドラゴンが突如地上に急降下した。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


下のほうにも壁の様に沢山の住人達がいた筈なのにそれすら無かったといわ

んばかりに降下しただけで蹴散らした。


「な!?」

「この通り今日は友人を乗せているのでな…私もあまり暴れられんのだ…」

「友…人…だと!?」


ドラゴンという生物が大地に立っている時膝を曲げた足と巨大な尻尾で大地

に立っているという生態がイメージとして定着している。

しかしこのドラゴンは大地に降り立ち大剣を大地に刺しまるで巨大な人の様

に直立姿勢になり其処から人間の格闘技らしき構えを取った。


「な!?」

「?」


ドラゴンを包囲する軍団に驚愕と遺憾の表情が二分する様に伝播していく。

綴也はドラゴンを一ヶ月前まで知らなかったのでその生態のイメージと言う

のも知る訳がなかった。


「こうして何時もより手加減するので遠慮せずに来ると良い!!」


このドラゴンの構えと一言が戦いの狼煙となった。

挑発されたと感じた住人達は武器を取り突撃していく。

しかしそれでも向かっていくのはドラゴンと言うより綴也だった。

挑発に乗った者達とは言え向かわれている綴也の目にそれは見えなかった。

仮に両目が健在でも同じ事だった。

皆が綴也よりも上位の実力を持っていると言う証だった。


「フッ」


そんな動きが全て見えているのかドラゴンがとった手段は単純明快素手と足

で住人を攻撃ごと撃ち落したのだ。


「「「「「な!?」」」」」


綴也と住人達が驚愕している間にドラゴンは住人達を圧倒していく。

集団に接近したドラゴンが振るう拳はその巨体からは放たれたとは思えない

まるで機関銃の如くで一人一人を捉えて撃って爆散させる。

また振り上げられる蹴りはを巨体とは思えないまるで大きな剣の如く集団を

蹴って粉々に裂いた。

自身に放たれた攻撃をも攻撃の最中に全て手か足で弾き或いは攻撃ごと住人

達を倒した。

ドラゴンは自分よりも像と蟻という程の小さな人間をまるでアクション映画

のスターの様に躍動して一人も打ち漏らさずに倒していた。

やられた住人は気付いていないがドラゴンの頭上にいた綴也は必死にしがみ

ついている事無くその驚愕の光景を見ているほどにドラゴンが配慮していた

事だった。

しかしそれでもこれの何処が手加減だとドラゴン以外の全てが思ったに違い

ない。

そして真ッ平らになっている街にいた空を覆った軍団はまるで短い夢だった

様に無くなりこの一帯にはドラゴン以外は頭上にいる二人の人間以外誰もい

なかった。


「……………」


あまりの事展開に綴也は言葉が発せられなかった。


「うん…手足だけで戦ったのは久しぶりだな…鈍ってはいないな…」

「あの…コレってハンデって言わないんじゃ…」

「そ、そんな事は無いぞ武器は使っておらん…だからハンデだ!!」


ドラゴンの暢気とも言える気がした一言に我に帰った綴也はそくその言葉に

反論する。

ドラゴンはハンデの心算だった様がきっと倒された住人達は皆が違うと言う

だろうという確信寄りの予感がした。


「いや…しかし中々に生き残ったな…予想以上に強くなっとるな…」

「生き…残った?…強…く?」


ドラゴンの一言に驚きながらも綴也は片目を凝らして見てみる。

周囲にはとても建物の残骸よりも人間の残骸と呼ぶべき物の方が多かった。

ゲームとはいえとても見たいと言える光景ではない。

しかし所々に形を保ち呻きながらも生きている住人がいるのが見えた。


「い、生き…てる?」

「おいおい…我は全て壊したり殺したりしている訳ではない…これでも手加

減はしていたのだぞ…例えばこんな風に…ふっ」


そう言って破壊されていなかった建物に拳を振るった。

振るわれた建物は屋上が吹き飛び屋上に倒れていた住人達は。


「ちょっと!?」

「ウム、やはり前よりも硬いな…」

「え?…硬い?」

「前はこれだけで半分は吹っ飛んでいたのだこの建物は…」

「え?」

「我は破壊した建物や殺した住人達の我が一撃に耐えうる強さをこうして試

しているのだよ……前回は駄目でも連中は今度こそと更に強い建物を作り出

そうとするだろう…住人もより強くなっているだろう…」

「それって…前の結果を覚えているって事?」

「伊達に物理的評論家と呼ばれる様になっている訳ではない…それに奴等も

強くなればより強い建物も住人も出来上がり我も手加減の必要がなくなるの

で楽しみなのだよ…ハハハッ!!」


その楽しみ方は明らかに迷惑な気がした。

綴也はとてもそんな事は自分からやろうとは思えなかった。

しかしドラゴンはその様子を楽しんでいた。


「羨ましい…」


次の瞬間綴也の口からそんな呟きを漏らしていた。


「ん?」


街を破壊する事は許せない。

それはこの世界に初めて来た時何も知らない身であの凄惨な人間の部品を見

てしまった事が切っ掛けだった。

知らなかったとはいえ怒りで目の前のドラゴンが手加減してくれてても殺意

を抱き剣を振るい殺そうとした。

ではもしもゲームだと知っていたら…。


「だけど…」


それでも駄目だと綴也は思えた。

綴也はドラゴンの様にゲームとはいえ街を破壊したりして楽しむ事は出来な

い。

でも今の楽しそうなドラゴンを見て楽しそうだとそれが羨ましいと思った。

それは綴也が自分の仇名が原因とはいえここに来て楽しいと思い切れなかっ

た故だった。

自分がドラゴンみたいにいられたら今日一日に起きた事も笑って流せていた

だろうかと…。


「だけど…」

「………綴也君」


しかしそれは出来なかった。

仮に理由が有ろうが無かろうがそれが出来る様な人間ではなかった。

それでも苦しいと思えばそれを吐き出さない人間ではなかった。

自分で負けたくないと誓ったのにシアともサクラの事で協力すると約束した

のに今は苦しくて苦しくて堪らなかった。


「お前はそれで良い…」

「え?」

「お前はこんな風に思うと思った…だからこの世界に誘ったのだ」

「…え?」

「我も此処に来た最初は此処を楽しむ事は出来なかった…」

「え!?」

「おい何だ…その驚愕した顔は?」

「いや…明らかに驚くに決まっているでしょう…貴女にそんな鬼の霍乱みた

いな時期があったとか…」

「今まで空気になっていた奴に辛辣な事を言われたくは無い!!」


ドラゴンの言葉に綴也は驚いた。

このドラゴンは街を破壊しアレだけの光景を毎度作る。

許せない事をしている相手だが綴也に対して親しげに話しかけてくれる事に

不思議な温かみともいえる何かを感じている。


「まあ…それでも我はこのゲームを続けたのだ…」

「な、何で…?」

「負けたみたいで嫌だったのだ…この我がこの世界に負けたみたいでな…」

「!!」

「それで今では街を破壊して評価するのが楽しみであると…歪んでますね…

もっと真っ当な楽しみを見つければ住人達も困らずにすんだのに…」

「黙れ!!空気爺!!」


ドラゴンにも自分と同じ悩みが在った事には失礼かもしれないが驚く。

しかし共感できる所があった。


(そうだ…僕は…)


自分は自分で決めて此処に来たはずなのに何を落ち込んでいたのか。

ミトラが言ったとおりイリュシオンでも自分の仇名はとんでもない悪評をば

ら撒く。

それは綴也の想像を遥かに超えていた。

だがそれでもこのイリュシオンに負けたくないと此処に来たのにもう負けそ

うになっていた。

この問題はきっとイリュシオンに来る限り付き纏う問題になった。

ゲームなのだからやめる選択肢もある。

しかし辞める事は嫌だった。


「ドラゴンさん…ありがとう…僕…頑張るよ」

「気にするな…似たような悩みを持った先達のお節介な助言だ…まあ自分の

楽しみを探してみる事を」


問題が解決した訳ではない。

しかし自身の心の中で渦巻いていた何かがまるでドラゴンの一言で破壊され

て軽くなった気分だった。

だからこそ何で自分がイリュシオンをやると決めたのかを思い出した。


「良し!!…では破壊の続きと行くか!!」

「って…街を破壊しないという選択肢は…?」

「私は物理的評論家と呼ばれているのでその異称に掛けて無い!!嫌ならば

お前も我を止めてみろ!!」

「なら…」


ドラゴンの挑発に綴也に迷いは無かった。

綴也は即座に自分の傍に置いてあった大剣を右逆手にドラゴンの頭部に振る

う。

しかしドラゴンの頭上は何事も無いと言わんばかりに弾いてしまう。


「ぐっ!?」

「ハハハ…その状態で振るうにしては良い一撃だが我には効かぬわ!!」


綴也はそのまま何度も大剣を振るうがドラゴンの頭部はビクともしない。


「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ハッハハ!!我に傷を付けたければもっと貴様等共々自身を磨く事だな!

!」

「なら!!」


綴也は大剣を腰にしまいPDでもある光剣の玩具を起動する。


「させるかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


悲鳴に似た声でドラゴンはその場を回転し始める。

それは周囲に黒い竜巻が現れた様だった。


「今日一日に二度もその武器でまた股を斬られてたまるか!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「やれやれ…」


ドラゴンも流石に必死なのが声に現れていた。

綴也とドラゴン比較的和やか雰囲気の回転するドラゴンはまるで黒い竜巻に

なり未だに破壊されていない街にそのまま襲う筈だった。


「二人供そろそろ…ん?」


その寸前で赤い光がその竜巻に向けて飛来した。


「フン!!」


ドラゴンはその光をかわしていく。

だが赤い光は次々と飛来してくる。

その動きに綴也が必死に片手でドラゴンの突起にしがみついているのは言う

までもない。

やがてまるで包囲したかの様に赤い光がドラゴンに襲いかかる。


「ふッ!!」


ドラゴンはかわしていく最中回収していた大剣を振るい赤い光を次々と撃ち

落していく。

赤い光はあらぬ方を飛んでやがてどこかに当たり大爆発を起こす。


「何が!?」

「私が来ない事をいい事に随分やってくれたわね…」

「!?」


光が止んだ直後綴也はドラゴン以外の声を耳にした。

其処には赤い髪と瞳を持つ女があった。


「ようやく来たか…ヴィヴィアンヌ」


ドラゴンと対抗できる幻想住人ヴィヴィアンヌことサクラ・レノンフォード

だった。


Mル…ピンポパンポーン

   このお話ではある人物をわざと空気扱いにしております。

   誤字脱字の類ではありませんのでご注意を…。


???…その意図は?


Mル…貴女とて喋りづらかったのでは…色々と…。


???…(沈黙)


Mル…あのドラゴンが出現していなかったら綴也さんまた死んで

   ましたしね。


???…(沈黙)


Mル…そういう事です。

   貴女の逡巡表わす為に表現です。

   それは置いておいてこの話では今の所最強のドラゴンが手

   加減をして戦っています!!


E香…手加減になっているのか?

   人間でイメージすると人間が蟻や蝿に手足を振るって殺し

   ている図の様になっている気がするのだが…。


Mル…さすが糞女!!

   下品だと思い私ですら口には出さなかった事をよくぞ平然

   と…(心からの笑顔)

   

E香…クっ!!(しまったという表情)


Mル…しかし例えてとしてはそれ以外に適切な物も考えられ無い

   んですけどね。

   超巨体のドラゴンがましてや映画スターのようなア

   クションで自分よりも遥かに小さい人間の大軍団を手足だ

   けで倒していくとかあの女も何と言うか…イリュシオンに

   馴染んできたと言うか何というか…


E香…凄いなこゲーム…このドラゴンの中身本当に人間なのか

   信じられん。


Mル…貴女もいつかイリュシオンに来てみたらあのドラゴンの拳

   や足をその身で味わえますよ。


E香…断固断る!!


S命…はあ…(溜息)

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