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イリュシオン捜査線・連続○○○○事件






「今日私と会話をした事は妹には秘密にしてもらって良いですか?」

「どうして?」

「実は私妹に内緒でこの話をしているんでもしあの子が謝って来たら…」

「わ、分かりましたその時は桜さんの事は秘密にしておきます」


妹思いの良いお姉さんだと綴也は思った。

他に兄弟姉妹がいない綴也はいないが故にいいなあと素直な感想を思った。

両親が弟か妹をと頑張っているらしいが会えるかどうかは両親の頑張りだけ

の問題では無いのでねだる事は出来ないしやろうとも思わなかった。


「でも妹はしばらく綴也君には気まずくて近付いてこないかも知れません…

貴方のお父さんを見たくってお店まで追いかけてしまったって…ストーカー

みたいだって落ち込んで…」

「実は最近知ったんですけどなんですけど家の父もイリュシオンの幻想住人

なんです。撫子さんがもし幻想住人なら父と会わせてあげることも出来なく

はないんですけど…」

「朝倉君の…ご両親もですか?」

「はい…でも…」

「どうしたんですか?」

「いえ…僕の個人的な悩みが少しあるんですけどもし良かったらイリュシオ

ンで会ってもらうというのも…」

「綴也さんそれはやめたほうが良いですよ」

「え?」

「ミフルさんの言うとおりです流石にそれは妹の為に綴也君のお父さんに迷

惑をけてしまいます…妹にはそういう事は直接確かめに行きなさいと姉と

してビシッと言っておきます。想い人が年上で妻帯者であるのも問題なのに

…」

「それに朝倉君のお父様が幻想住人というのも秘密にしておいた方が良いか

もしれませんね…」

「そ、そうですね…」


二人から注意されたのは驚いたが内心綴也はホッとした。

お店で会うのが駄目ならと思い付きを言ってみたが思えばあの服装で父と桜

の妹を会わせるのは自分の精神的に抵抗がある。

また桜の言う通りそれは父にも迷惑がかかる。

そしてシアからの注意はそれは撫子だけではなくサクラの為にも秘密にした

方が言いと言う事も含まれていると綴也は察した。

思いつきの迂闊さを反省し綴也はスタッフ専用ルームから駅に戻った。

その頃には綴也は外見も服装もそのままだがシアと桜はそれぞれ幻想住人の

善意的に見て水着の様に見える服装のガラーシアと正体からはとてもそうは

見えない老紳桜羽士思命に戻っていた。

先程までの姿を知っている綴也はそのギャップの違いに呆然としていた。


「!!」

「ガラーシアさん?」

「すみません!!少し外します…」


その直後にシアが突然通信が入ったようで話をしている。

それは緊急の連絡が入った様だった。

通話が進むに連れて彼女の表情が厳しい物に激変していった。

彼女の表情の変化の激しさは彼女にとってとても重要な案件である現れとも

いえた。


「朝倉君、思命さん…」

「は、はい!?」

「な、何でしょう?」

「申し訳ありませんが今からお二人に協力して欲しい事があります」


それは有無を言わさぬ迫力があった。

綴也だけでなく隣にいたアルバイトとはいえこのゲームの運営側の人間であ

る思命もガラーシアに気圧されていた。

二人が気おされている間にガラーシアはMRの写真を取り出した。

その写真には一人の女性が写っていた。


「この写真に写っている女をとっ捕まえて下さい!!」

「どういう事ですか?」

「とても重要な人物です!!訳は後でご説明しますが今この街の周辺にいる

と知らせが入ったので何としても捕まえなければいけないのです!!」

「「は、はい!!」」


それだけ言い残したシアは一瞬で外に向かった。

突如して綴也と思命は謎の人物調査に借り出される事になった。


「何処にいるんだろう?捕まえるって…一体この人に何が?」

「まあ…私は分かったんですけどね…」

「どういう事ですか?」

「今は捕まえる事に専念しましょう…理由も自ずと解かりますから…」


シアから送られた写真を二人で見て捜査を始めて十分くらい経った。

二人は写真の人物を見つけられずにいた。


「見つかりませんね…」


写真を見た時に綴也が思ったのは目立っている一言だった。

服装も装飾もまるでファンタジーに出てくる女王かと思える物だった。

ガラーシアの言う人物は直ぐに見つかると思っていた。


「まあ…考えてみれば…ですが」


思命の言う通り考えてみればこの写真の様に目立つ格好をしている人物はこ

のイリュシオンの中では当たり前で逆に綴也の様にワイシャツにズボンに上

着と言う普通の現実なら何処にでもいる格好の方が目立つのである。

二人で手分けして探せばと良いのだが綴也はイリュシオンにいる間はこのリ

アルは女性の老紳士の傍を離れる事が禁止されている。


「僕の方が目立ってます?」

「姫神殺しの事も伝わってますし…私もいますからね…」

「とにかく聞き込みを続けるしかないか…」

「まあ…彼女の事ですからおそらく我々だけでは無く知り合いにも出来るだ

け声を掛けて協力を要請しているでしょう例えば君が前に助けた町内会の人

達とかね」

「町内会って聞くとゲーム内のグループには聞こえないけどガラーシアさん

の仲間なんですね」

「まあ…流石に町内会の人達は無いとしてもあの人は他にも知り合いはいま

すから」


写真の人物を捜索しているのは自分達だけではないというのは少し荷が軽く

なった。


「……」

「どうしました?」

「いや…狙撃が来ないなあ…って思って…」

「まあ…イリュシオンもゲームで幻想住人もリアルはありますから現実の事

情で此処に来れない可能性もありますね」

「……」

「何だか落ち込んでませんか!?」

「いえ…自分の考えが浅はかだったなあ…って思って…」


思命の一言を聞いて綴也は少し頭を抱えたくなった。

何故ならば綴也はその一言があるまでその可能性を一切考えていなかった。

謎の狙撃手も現実があり何かあるはずなのに対策ばかりを考えて向こうの都

合を全く思命が言っている事は今の今まで考えてすらいなかった。

そう思うと自分がとても考えが浅はかと思えてきたのだ。


「成程…まあ…考えられても実際撃たれたらそんな余裕はなくなりそうです

けどね…」

「狙撃が無いのはありがたいけど…複雑です」

「まあ私がいても再び狙撃が無いとは言い切れませんし別の住人から襲撃が

あるかもしれませんから…」


狙撃や襲撃を警戒しながらこのイリュシオンと言うゲームをプレイしないと

いけないと言うのはこのゲームが戦闘も出来るので仕方が無いと思うしか無

いがそれはそれで綴也も自分の悪名を自覚していても望む物では無かった。

そもそもイリュシオンと言うゲーム自体を知らなかった綴也はアイディアル

と言う人生の中で情熱を燃やしていた事が出来ない上にイリュシオンの世界

の在り方にまだ着いて行く事は出来ていなかった。


「ぎぃぎゃああああああああ!!」


綴也が悩みを口にする前にその耳の中に悲鳴が入り込んだ。


「悲鳴!?」

「ああ…これは…もしかすると…」


直ぐに二人は悲鳴のする方へ向かった。

綴也達の目の前に一人の人物が走って来ていた。

それはガラーシアに渡された写真に写っていた人物だった。

そして先程の悲鳴は写真の人物のモノだった。


「いた!!でも…」


写真の人物は涙目で逃げている。

誰から見ても涙目で恐ろしい何かから逃げている。

そんな状況だった。


「何で?」

「まあ…こうなりますよね」

「どういう事ですか思命さん?」

「…後ろです」


呆れただろう表情で思命が指を指した方を見ると写真の人物の後方に追いか

ける人物いた。


「あはははははははははははははは!!」

「ガラーシアさん!?」


それは自分達に写真の人物の捜索を依頼した人物だった。

その朗らかな笑い声と共にガラーシアが写真の人物を追いかけていた。

そしてそれは今のガラーシアが今まで見てきた彼女とは様子が明らかに異な

る事を意味していた。


「一体なんで!?」

「まあ…その…」

「思命さん?」

「とりあえず…逃げましょう」

「え?写真の人は?」

「彼女を捕まえる前に逃げないと私達もガラーシアに斬り殺されるかもしれ

ません」


思命の言葉を聞いて理解が及ばないままだが綴也は思命の言葉に従い今まで

来た道を戻るように全力で走った。


「あはははははははははははははは!!」


逃げる綴也達の後ろからガラーシアの笑い声が聞こえると共に悲鳴が聞こえ

た。

逃げながらも後ろを振り返ると彼女が走りながら大きな鎌を振るいその近く

にいる沢山の男達が皆首を刎ねられている様に見えた。

首を刎ねられているだけの者もいれば先程目撃した五体がバラバラにされた

者達もいた。


「一体なんで!?」

「今はとにかく逃げることですとにかく振り返ってはいけません!!」

「あの写真の人は…いつの間にかいなくなっちゃった!?」

「しまった!?今の彼女はあの女よりもこっちですか!?」


写真の女はいつの間にか脇道に入り込んで逃げた様だった。

それにも関わらず笑いながらガラーシアは周囲の男性達を斬り刻みながら綴

也達を追いかけて来る。


「ど、どうしましょう!?」

「わざと殺られてと言うのはゲームとはいえ精神衛生上お勧めしませんので

…何とか止めるか或いは…」

「或いは」

「この状況でさっきのあの女を捜してあの女に今の彼女をぶつけるしかあり

ません!!」

「それは素人の僕でも流石にそれは現実的じゃないと思うんですけどって…

って!?」

「ツッ!?これは…」


思命の策に反論しているが自分でも有効な策が見つからず逃げるしかない綴

也の目の前に逃げ遅れた集団らしきものが見えた。

そのまま進めばどうなるかは考えるまでもないが他の道を探す暇は追いかけ

てくる者が与えてはくれなかった。


「クッ!!」

「綴也君!?」


綴也は立ち止まり大剣を腰から引き抜き笑いながら切り刻み走りこんでくる

死神に向き合う。

その時間はそれほど長くは無い。

彼女が鎌を振るう速さは綴也は見えなかった。

だから今立ち向かえば綴也は先程の男たちと同じ末路を辿る事は確実だった

がそのまま逃げ遅れた集団を巻き込むのも嫌だった。


「だああああああ!!」


綴也は大剣を構えガラーシアの鎌を受け止める。

駅から出た時はその速さにとても受け止められるとは思わなかったが今の彼

女は様子がおかしい為か綴也は幸運にも受け止める事が出来た。

しかし受け止めただけで何か出来る事が浮かんでいた訳ではない。

ただ逃げる為に何の関係も無い人達をこれ以上巻き込むのは嫌だと思って行

動しただけだった。


「え!?」

「!?」


綴也の大剣から蒼い炎が噴出し一斉にガラーシアに取り囲み一瞬にして球体

状に閉じ込めた。

その瞬間無我夢中で綴也は包まれた球体をそのまま野球のボールを打つ様に

必死の形相で打った。

彼女を包んだ炎の球体はそのままホームランの様に円を描き地に落ちて爆発

を起こした。


「はあ…はあ…ガラーシアさん!?」


我に返った綴也は思命と共に爆心地に向かい彼女を探す。

ガラーシアは目を回しているようだった。

何にせよ彼女の無事とまではいかないが健在は確認できて安堵したかったが

彼女の下には誰かが下敷きになっている様だった。


「え!?」


暗澹たる気分になりたかったが今は下敷きになっている人物を介抱するのが

先と心を振り絞り思命に目を回すガラーシアを抱えてもらう。


「え?」

「これは…?」


下敷きになっていたのはのは先程綴也達が探していた写真の女性だった。


「申し訳ありません。我を失ってあんな真似を…アレではサ…ヴィヴィアン

ヌやあの黒竜の事を言えません」


ガラーシアが綴也に先程の事を謝罪していた。

元に戻ったのは良かったがゲームとはいえ彼女がしたのは伯仲堂々の連続惨

殺事件と言っても過言ではなかった。

考えれば考えるほどにその重さが圧し掛かって来る綴也は周囲が何も気にし

なていない事に居心地の悪さを感じながらも一先ず目の前にある事を見る事

にした。

目の前には何処から取り出したのか縄で縛られている写真の女性がいた。


「元に戻って良かったです。それで…この人は一体何者なんです?」

「自称コーディネイターの幻想住人です。そして私にこの忌まわしい服を着

せた人でもあります」

「え!?」

「私にこの忌まわしい服を着せる為に罠に嵌めて…」


ガラーシアの言葉に綴也は驚きながらも先程の彼女の豹変ぶりの理由も理解

した。


「だってその姿が貴女には似合ってるって思ったんだもの…」

「…は?」


謎の女の一言に綴也は口からそれしか出なかった。

ガラーシアは怒り共に女を見つめる。

女はその視線を受け流す。


「あの…何でガラーシアさんにこの服を着せたんですか?」

「このイリュシオンにいる全ての住人に彼女の最高の姿が見せたかったから

に決まってるでしょう!!」

「は?」


理由を尋ね返って来た言葉に綴也は再び口からそれしか出なかった。

言葉は理解している心算でも普段から周囲から理解できているかどうか疑わ

れているので不安を抱いた。


「そしてこの私が彼女のこの姿が見たかったからよ!!」

「は?はあ?何故?」

「だって似合ってるじゃないこの姿!!」


女の回答に綴也は困った。

綴也自身の耳に異常が無い事が証明された瞬間だった。

謎の女性は本当にガラーシアの今の服装を似合っているとそう思っているの

が解かった。

綴也にはこの冬には絶対に寒そうと思う以外感想が無いので本当に回答に困

った。


「ええっと…ガラーシアさん?」

「この服を着せられて以降歩けば男の視線がいやらしいしマントで隠そうと

してもそれは服自体がそれを阻害する様に仕掛けられていてもう…だから私

は男が嫌いなのです…本当は自分の傍に男がいるなら直ぐにでもこの鎌で斬

り殺したいのに…」


ガラーシアの男嫌い原因がこの事が起因していると綴也は確信した。

きっとガラーシアからすると自分はそんな連中よりも信用が無いから初めて

会った時に投げられて顔を床に叩きつけられたのもこの所為なのだと思うと

納得するのは難しいが無理も無いと思うしか無かった。


「想像以上の人気が出たわね…それも含めて今の貴女はは住人の人気高いの

よね。こんなレベルの美人がこんな格好でいれば心を射抜かれるかだって貴

女の魅力を最大限引き出す為の服ですもの!!」

「元凶がぬけぬけと…」

「だって気に入った人を一番似合う姿にコーディネイトするのがこの私なの

!!貴女はその姿が一番似合っている…間違いは無かったわ!!」


ガラーシアが穏やかに語っているがそこに込められている怒りは募っていく

のが綴也には分かる。

そして捕まっているにも関わらずに女はそれを気にせずに自分の持論を熱く

展開している。

まるで味方が誰もいない裁判所で毅然として自分の無罪を主張する無実の人

間の様だった。

先程逃げていた時には泣きながら必死の形相で逃げていた人物と同じなのか

と思うくらいだった。


「ねえ…アンタも思うでしょ?この服は似合うと…」

「うーん…思いません」

「え?え?」

「朝倉…くん?」


周囲がまるで綴也がそんな一言を言うとは一欠けらも思わなかったと言わん

ばかりの驚愕一色にに染まっていたが綴也はその反応に少し不思議に思いな

がら言葉を続けた。


「だってガラーシアさん困ってるじゃないですか。ましてやガラーシアさん

を罠に嵌めたって事は脱げない服を無理矢理着せたんですよね?そんなの駄

目だって解かってますよね?」

「これはゲームなのよ?これは運営もいけないとは言っていないのよ。言わ

ば現実の人間に幻想住人という衣装を着せてその上にこの彼女にお似合いの

服をちょっと無理矢理だけど着てもらっている自覚はあるけどだって…彼女

はこの姿が一番美しいだもの!!」

「そう思うならだったら何で素直に最初に着てくれと頼まなかったんですか

?無理矢理着せるなんて事しなくても…」

「綴也君…アレは似合うと言われて喜んで着る女性はいないと思いますよ」

「朝倉君…コレは私は似合うと言われても頼まれてもこの服は着ませんよ」

「す、すみません」


常識的な事を言った心算だったが内容はこの場には不適切だったと反省して

気を取り直し綴也は続けた。


「どうしたらガラーシアさんの服は脱げるんですか?」

「綴也君…間違ってはいませんが…」

「その言い方は誤解を招きます」

「へ?ごめんなさい…」


がまた言い方が不適切な言い方をしてしまった。


「そんなの答えないわ。だってこれはゲームだしそれに君噂の姫神殺しよね

?口では何とでも言えるけどこんな美人がこんな格好してたら…」


このガラーシアに服を着せた女は質問に答える気は無い。

困ったその時大きな音が耳に入った。

綴也は最初それが人の声とは思わなかった。


「我らの女神を護れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「我らの希望を護れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


それは叫び声と気付くのは目の前に男性の集団が現れた時だった。


「一体何ですか!?あの人達!?」

「ふふん…私の支持者達よ」

「え!?」

「言ったでしょうガラーシアの人気は服装も含めてなのよって…彼等はね彼

女にのその格好を変わって欲しくないと思っている人達なの」

「ええ!?」

「この…」


ガラーシアは女に鎌を振るう。

我慢の限界だったのかその速さは先程綴也が受け止めた一撃の速さとは比べ

物にならない一撃だった。

それは正に死神の一撃。

の筈なのに振るった鎌は女に届く事は無かった。

突如現れた支持者と思われる男が女を庇ってその鎌を受けたのだ。


「え?」

「ありがとう…助かったわ…」

「全ては…我らが女神のた…め…」


男はその瞬間飛び散る血飛沫と共に光となって消えた。

その一瞬に謎の女の前には男達が彼女の盾になる様に集結している様に見え

た。


「逃がしません!!」

「女神よ!!お許しを!!」

「そのお美しいお姿は護らなければならないのです!!」


女を追いかけようとするガラーシアに男達がまるで大事な何かを護ろうとす

る戦士の様に彼女の前に立ち塞がった。

ガラーシアは言葉ではなく鎌を振るう事で男達の言葉に応えていた。


「ああ…美しい」

「女神のお姿をこの眼に焼き付ける事が出来きて何と幸福な事か…」


綴也と思命も女を捕えようとするが男の集団が彼女の盾になる様にそれを阻

んでいた。


「姫神殺し!!」

「我らの女神は貴様には穢させはしない!!」


綴也に対しては敵意を漲らせ襲いかかっていた。

綴也はその攻撃を避けるので手一杯で思命は仕事上綴也の元を離れる訳には

いかずその間に謎の女は彼等に護られる様に去っていった。


「…」

「…」

「…逃げられてましたね」


謎の女が逃げた後綴也達の周囲は切り刻まれて消えるのを待つだけの男達の

残骸が山の様に重なっていた。

皆ガラーシアがその手の鎌で斬り刻んだのだ。

ゲームとはいえ再びのこの惨状は初めて此処にきた時の破壊の後よりも酷い

と綴也の心が叫んでいた。


「以前…私が参加すれば彼女の捕獲が成功するかもしれないこれ以上に無い

機会があったんです」

「そうなんですか?」

「ええ、ですが私はその日急遽用事が出来てしまいいけなくなってしまって

結果…この服という呪いを解く最大の機会を失ってしまったんです」

「何か…あったんですか?」

「ええ、その日は朝倉君とサクラのアイディアルの試合が急遽入ってしまっ

て…」

「え?」

「ウフフ…ウフフフフフフフフフ…」


何よりこのゲームの中とはいえ惨状に至る経緯ともいえる話を聞いた綴也に

は彼女がこうなった原因に何も言えなくなった。

Mル…ガラーシアさんの衣装の事はあの謎の女も言っていますが

   幻想住人という衣装に更に服を重ね着している様な状態な

   ので現実に彼女にあの格好をさせている訳では無いという

   論理武装は一応成立します。


E香…だが彼女は嫌がっているが…。


Mル…あの女は気に入った人間に自分が思う一番似合う格好をさ

   せたい住人なのです。

   言ってしまえば男達が彼女に嫌がられるような視線をしな

   ければ良かったんですが…


E香…それは可能なのか?


Mル…あははははははは、それが可能ならば今回の様な連続斬殺

   事件は起らなかったでしょう。


E香…それが答か…。


Mル…アレはある意味本当にガラーシアさんを神格化している人

   もいる様ですけどどちらにしてもう同じにしか見られない

   でしょうしね。


E香…綴也君には絶対に真似して欲しくは無いな…コレは…。


Mル…貴女と意見が合うなんて何たる奇跡ですがそうですね。

   綴也さんの教育には私も最新の注意を払いませんと…。


E香…サクラのアイディアル復帰の協力のお願いを聞き入れなけ

   ればこんな事にはならなかったかもな…言い掛かりに近い

   が…。


Mル…同感ですがそれは言わない。

   過去を紐解くともっと悪いのは信号機トリオの赤い人にな

   る可能性がありますね。

   何せガラーシアさんが服を着替えられる最大の好機を悪気

   は無いとは言え潰してしまいましたからね…訴えられたら

   責任罪を追及されるかもです。


???…な、何!?寒気が…。

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