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処分…






ホームルームが終わった際に綴也は外見と声質が一致していないアメリア先

生から呼び止められて。


「朝倉君は帰る前に掲示板を見てから職員室の先生の所にに来て下さい」


と言われた。

アメリア先生の言葉にある種の予感と共に掲示板のある所に向かうと…。


朝倉綴也 右の者を三日間の停学に処す。


という紙が掲示板に張られていた。

そういう事はサクラから言われていたのでそれほど驚きはしなかった。

掲示板の張り紙を確認し職員室に向かう。

そこに待っていたアメリア先生に…。


「朝倉君のPDを三日間没収します。停学者は念の為にPDを預かる事にな

るんです」


とPDを没収されその代わりのPDを渡された。

学校が管理しているPDデバイスだった。


「ごめんなさい。話を聞く限りだけど綴也君は悪者と勘違いされて殴られた

だけの筈なんだけど…三日間は自宅謹慎だから外出は我慢してね…そしてそ

のPDは監視プログラム付いてるからキチン三日間は持っていてね」


しかしPDとはパーソナル・デバイスと言うのが正式名称であるので停学し

た学生に代わりに渡すという使用法はいささか贅沢だった。


「はい」


三日間大人しくとアメリア先生は言っていたが三日間の停学だが三日後には

学校はゴールデンウィークで休みなので取りに来たくても休日中は先生はい

ないので取りに行く事は出来ない実質一週間の没収である。

それにアメリア先生が聞いた話はきっとサクラ達生徒会から話が伝わったの

かも知れないがそれでも停学だった。


「…もしかして僕この学校が共学になって始めて男子で停学になったわけじ

ゃないよね…」


職員室を出た綴也の呟きはその通りだった。

綴也はこの学校が男女共学になってから初めての停学処分者である。

この学校初の保健室使用と女子生徒とのトラブルとを合わせると一ヶ月と

立たない内に三冠王だった。


「はあ…」


サクラ達生徒会はきっと自分の報告は信じていないだろう。

その結果がこの停学なのだろう。

普段は先生としてキチンと接しているがもしかしたらアメリア先生もかも知

れない。

しかし彼女達が綴也を信じないのは綴也に誰かが傷つけれ無い為に正義感や

善意から来ている。

ただそれはある意味悪意を向けられるより苦しいし悲しい。

アメリア先生からも生徒会室に行かないでこのまま帰りなさいと言われたの

でその言葉に甘える事にした。

今生徒会室に行って仕事をしても仕事に身が入らない気がした。

それに今日からお家の仕事を手伝いをしなければいけないのでそれはそれで

相談する必要も停学になった事で必要が無くなったと言えなくも無い。

しかし停学になったなんて家の両親にどう言ったら良いものかただただ理由

を言うしかないのだが高校に入って一ヶ月もしない内に停学は綴也の性格で

は溜息を吐きたくなるくらい気落ちするものだった。


「…ん?手紙」


綴也の靴箱に手紙が置いてあった。

内容は「校舎裏の桜の木ある所までお待ちしています」とあった。


「僕宛…じゃないよね…これは」


手紙には「貴方にどうしても伝えたい事があります」とあった。

この手紙の内容がどういうものか理解が及ばない程鈍感でもないし人を好き

になる事はほぼ間違いではないと言っている人間にとってこれは心が温まる

内容の手紙である。

綴也は今までにこのような手紙をもらった事は皆無である。

しかしそれは自分宛では無いのも間違いないと確信している。

そもそも姫神殺しで中学の頃から悪い噂が付いて回ったっている自分にそん

な手紙を渡す人間に心当たりは無いしそんな事をしてもらえるような事はし

ていない。

今日は先生からも真っ直ぐ帰らないといけないがこの手紙を持ち主に返さな

いままという訳にもいかないと思い綴也この手紙を手紙を書いた人に返す為

には校舎裏に向かった。


「はあ…」


綴也は桜の木にもたれて再び溜息を吐いた。

手紙の持ち主らしき女子生徒は直ぐに見つかったが綴也を見るなりまるで来

てはいけない者いると言わんばかりの表情と悲鳴と共に逃げられた。


「手紙やっぱり僕宛じゃなかったんだけど…サクラ会長達に相談するしか…

無いよね」


かといってこのままというのは良くないと思うので此処はサクラ達に相談す

る事にした。

本来このような手紙が関わる事で他の人間に相談もとい巻き込むと人によっ

てはその事自体を面白がり茶化したりしてそれが時に相手の恋の妨害になり

える事を綴也は理解している。

だが手紙が持ち主に返らないと結果は当人達のものだとしても綴也自身が障

害要素になっていると思った。

質問を信じてもらえるかはともかく。

自分一人ではどうしようもなく今日から三日間は迷惑を掛けるので信用の有

無はともかくせめて謝罪をするのが礼儀だろうと綴也は一先ず汚れないよう

に手紙を鞄にしまい徒会室に向かう事にした。


「…ん?」


突如として周囲が暗くなった。

目をこすり何かゴミでも目に入ったかと思った。

しかし目を凝らしても体育館も校舎も地面も何もかも見えなくなった。


「な、何…が…?」

「見つけた…」


正しく全てが真っ黒一面な光景にフードを誰かがいた。

そしてそこ手には鎌が握られていた。

鎌はイリュシオンで見た事があったがそれでもこんな校舎でそんな物を持ち

歩く人間が何で此処にいるのか不思議で明らかにおかしいと思えた。


「あな…」


綴也が「あなたは…」と言う前にフードの人物は鎌を振るった。

その瞬間綴也の視界が突如として傾いた。

何でと思ったが倒れた瞬間理解した。

綴也の眼に自分の両足が地面にあった。

そう…綴也は自分の両足を斬られたのだ。


「!?」


フードかぶる誰かから再び鎌が振るわれる。

綴也の両腕が自分の目の前に舞った。

両腕も切断されたのだ。


「!!?」


痛みで悲鳴も上げられないし悲鳴にすらならない。


「貴方はそれだけの罪を犯したんです…だから死神が貴方を裁きに来たんで

すよ」

「!?!?!?」


綴也が何でそんな事をと思う前にフードをかぶった誰かが言った。

その言葉の真意は解からない。

しかしそのその一言でも綴也に言葉を放つのも穢れると言わんばかりに鎌が

三度振るわれ綴也の意識は消えた。


「っ…うわぁ!?」


目が覚めた綴也は周囲を見渡すとそこには校舎と体育館があった。


「ゆ、夢…?」


そして綴也は校舎裏の桜の木にもたれていた。

そこには周りを覆っていた黒一面の光景もフードを被った誰かの姿も無い。


「よっ…良かった…」


どうやら桜の木に背にもたれていたらそのまま寝てしまった。

最近この様な夢を見る事があるが今回は夢で本当に良かったと思える類の夢

だと綴也は思った。


「やっぱり日頃の行いが悪いのかな…」


夢の内容は怖い内容だからか良く覚えていた。

突如として周りが暗くなり突如として現れたフードの人物に手足を切られて

最後は自分も斬り殺される夢。

体中も汗で濡れているのが自覚できた。


(もっと良い事をする事する様に心掛けた方が良いのかな?)


だが夢と言うのは自分ではどうしようもない。

如何いう風に結論を出すかは当人次第なので綴也は自分の日頃の行いが悪い

のだろうと結論付けた。


「あら…まだここにいましたね…」

「ん?」

「もう帰ってしまったかと思ってました…」

「へ?…副会長!?」


そこにはシアがいた。

何で此処にいるのかは解からないがこれから生徒会室に向かおうとしていた

綴也には都合が良いと思えた。


「何をしていたんです?」

「この手紙を持ち主に返そうと思って来たら…その人に逃げられて生徒会室

に相談しようと…」

「あら、それは私のクラスメイトのものなんです。朝倉君の靴箱に間違って

入れちゃって君を見て逃げ出して如何しようかと私に相談してきたので…一

度念の為に此処に来たんですけどまさか未だに朝倉君が此処でお昼寝してい

たなんて」

「すみません。いつの間にか居眠りしちゃって…でも良かったならばこれを

お願い出来ませんか?僕が返そうとするとまた逃げられると思うので…」

「ふふ…解かりました。私から彼女に返しますからね」


綴也は鞄から手紙を取り出しシアに手紙を渡した。

これで手紙はあの女子生徒の元に戻る。

綴也は胸を撫で下ろした。


「副会長…もう…」

「それじゃあ…もう今日は帰った方が良いですよ…トラブルに巻き込まれた

とはいえ寄り道をしない様にと担任の先生からも言われたんでしょう?」

「は、はい…」

「それじゃあ…さようなら」


今回の事を謝罪したかったがシアに先に帰りなさいと話を打ち切られてしま

ったので綴也はこのまま返る事にした。

向こうが謝罪の意思を信じてくれるかどうかは解からないがそれはしておき

たかったが謝罪はもう停学が解けてからもといゴールデンウィークが明けて

からしか無いなと校門に向かう。


「ん?…焼却炉?」


綴也が校舎裏から校門へ向かう中焼却炉が見えた。

今の時代は汚染物質対策が義務付けられているがそれでもこの高校の焼却炉

は素人の綴也でも解かる位の旧いと解かる物だった。

そんな旧い焼却炉に教師らしき人物が焼却する物を中に投入していた。


(え!?あれは!?)


燃える焼却炉の中に放り込まれた物の中にに先程アメリア先生に預けた筈の

宝物が眼に写った。

先程あんなに怖い夢を見たとはいえ眼の錯覚とは思わなかった。

その瞬間綴也は全力で走り目の前の焼却炉の中に迷わず手を伸ばした。


「全く…火傷らしい火傷は無いけど…何考えてるの?」

「す、すみません」

「焼却炉にいた先生も驚いていたよ」

「す、すみません」


幸いにも直ぐに宝物を焼却炉から取り出す事は出来たが騒ぎになって近くに

いたシアが駆けつけにそのまま保健室に行くようにと言われてしまった。

保健室にはPDを預かった筈のアメリア先生も来ていた。

綴也は二人の教師にお説教を受けていた。

その後ろには保健室まで連れ添ってくれたシアもいた。


「ごめんなさい…預かっていた筈なのに失くしちゃって…」

「いえ…先生が悪い訳じゃ…」

「話に聞くと焼却炉にいた先生もそれが君のPDだって知らなかったそうよ

…どうやら誰かが悪戯に持って来た玩具と間違えられて捨てられたみたいだ

よ」

「すみません元々は玩具なんですけど…」

「廃棄に入れた教師に話を聞いたら何か勘違いしていたのよ」

「勘違い?」

「どうも盗聴や盗撮目的のものと思われたらしいわ…だから廃棄させられか

けたのよ…」

「…」

「わ、解かりました…」


メリッサ保健医や彼女に振られたアメリア先生も憂鬱そうな顔をしている。

しかし自分の宝物がその先生に自分の宝物をそんな風に思われるのはやはり

悲しかった。

危うく宝物が灰にされる所だった。

そうなったら落ち込むどころか寝込んでしまい先程の怖い夢よりもうなされ

そうだと思った。


「先生…あの…」

「そうね…こんな事があったら不安よね…解かったPDはそのまま持って帰

って良いわ」

「あ、ありがとうございます!!」

「但し…三日間は外出禁止とPDの起動はできない様にします…良い?」

「良いです!!」

「そ、そう…」


アマリアが少し驚いていたがそれでもPDが戻ってきた事の方が大事だった

ともかく火傷も無いので綴也戻ってきた宝物を大事にしまって保健室を出て

家に帰る


「朝倉君…帰る前によろしいですか?」

「は、はい?」

「停学が解ける四日後の午前中にミトラさんのいるあのスポーツセンターに

来てくれませんか?」

「え?」

「貴方にお話したい事があるんです…詳しい話はそこで」

「は、はい…」

「それと…今回の事も停学の事もで謝罪は不要ですよ…朝倉君」

「え?」

「ふふ、それでは停学とはいえ明日から三日間を有意義に過ごして下さいね

…」


そう言ってシアは微笑んで去っていった。

何があるかは解からないが綴也は今度こそ保健室を出て行った。


「うーん」


高校に入って一ヶ月も経たない内に停学させられるとは思いもしなかったが

学校から出ようとする綴也は自分で思ったよりも足取りは軽かった。

三日間どころか実質一週間は没収される筈だった自分の宝物が起動は出来な

い様になっているが手元にある安心感があるからだ。


「父さん達になんて言おう…ん?」


家族に昨日の経緯は説明しているが停学になったら家族は何と言うだろうか

と怒られる事は無い気がするが何か周りからからかわれそうだと気にしてい

ると学校の校門に一人の女子が立っていた。

それは今日綴也を見るなり悲鳴を上げて逃げていったサクラそっくりの少女

天宮撫子だった。


「天宮さん?」

「ご、ごめん!!」

「へ?」

「お、お昼は逃げてごめん!!」

「そ、それは良いけど…もしかしてそれで待っていてくれたの?」

「うっ…うん…じゃなくて…」

「?」

「わ、わたし…

「うん?」

「わたし…は」

「天宮さん?」

「…ごめん!!」


そう言って天宮撫子は再び走り去ってしまった。

周囲の視線が綴也は集まっている気がしたが気にしても仕方が無いのでその

まま歩いて校門を後にした。


「…もしかして…天宮さんお父さんに惚れたとかだったりして…」


家路を歩く中綴也はそんな考えがよぎった。

彼女の顔には少し見覚えがあった。

それは彼女そっくりの桜色の髪と眼をした少女が自分の父に告白しようとし

た時の表情だった。

その時の経験がその結論を導き出した。

綴也自身が相手と言うのは最初から論外。

ならば自分の関係者でその手の事になる自然と父の顔が浮かんだ。


「…どうしよう」


自分でも突飛な仮説という自覚があるが確信的な予感を感じる。

自分の父に思いを寄せる同年代の女子が二人も現れる事に複雑な感情を抱き

ながらも人を好きになる事は間違いでは無いを信じる綴也は家路を急ぐのだ

った。


T也…三日間如何しよう?

   家で手伝い以外何をしたら良いんだろう?


Mル…そんなこと簡単です。


T也…ミフさん?


Mル…これを機に綴也さんのお父様の事を聞いたらどうですか?

   イリュシオンの服装の事もお話しなければいけないでしょ

   う?


T也…た、確かに…。


Mル…それ以外ならば勉強の予習復習をしておくことでしょう。

   解からなければ私がPD経由で綴也さんのお家に…


T也…あ!!三日間PDの起動ができない様になってるんだ…。

   ごめん…。


Mル…綴也さん。

   この三日間の間にどっかの国の秘密兵器工廠から核兵器以

   上の何かが暴発するかもしれません。


T也…あの…冗談ですよね?


Mル…うふふ…

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