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IFかもしれない世界で綴る物語(あるかもしれないみらいで生きるライフ・ストーリア)  作者: きちだ しんゆう
理想と幻想の間~ミックスド・リアリティ
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先輩






その頃一足先にたどり着いたトイレの蛇口で


「うぶげええええええええぇぇぇぇぇぇ…」


と綴也が今日の昼に食べた弁当を盛大に手洗い場で戻していった。


「ハァハァハァ…ゲボッ!!ゲボッ!!」


しかし説明に聞いていた以上に遠かった為か我慢しすぎてなかなか自身の吐

き気は治まりはしなかった。

彼がトイレで吐くのは中学時代、教室で吐いてからイジメがエスカレートし

た為それ以来綴也は極力トイレでするを心掛けているのだった。

そんな湧き上がりつづける吐き気と戦っている時その耳に足音が聞こえてき

た。


「そこに誰かいるのかい?そこは女子トイレだ。男子が入って良い場所では

ない!!」

「…っ!!?」


その声を聞いて綴也は自分が置かれている状況に今更なが気が付いた。

この学校は今年から共学になったのだ。

トイレも外見声音不一致の担任教師からも自分の教室の近くしか使わないよ

うに言われている。

今は緊急事態とはいえ自分は女子用トイレを使っている。

このまま女子に見つかってしまえばまた何か変な噂をばら撒かれるかもしれ

ない。

しかしまだ気分が悪くて動けない。

こうなったら逃げも隠れもせず後でサクラ達に証言を頼むしかないと思って

いる内に足音の主がトイレのドアまでやって来てドアを開けてきた。


「君…綴也…君…かい?」

「…?」


しかし入ってきた人物は自分の名前を呼んだのである。

しかし、その声はサクラのものでもなければシアのモノでもない。

誰かと思い声の主の顔を確認しようと吐き気の残る頭を何とか上に向けるそ

の途中にある危険地帯は目を閉じてやり過ごして顔を見ると。


「こんな所でなにしているんだい?」


黒髪の女子生徒が微苦笑しながら語りかけてきた。

身長は180cmくらい髪と眼の色はどちらも黒色顔のパーツ一つ一つが繊

細な造りをしていて髪の一本一本を見てもまさしく人形師が長い年月をかけ

て完成させた完成した人形の様である。

彼女は例えるとサクラやシアのような花でなく研ぎ澄まされた雰囲気を持っ

ており刃というのが相応しかった。

しかしそんな彼女は綴也を見ると驚きながらも優しく声をかけてくれた。


「恵理…香…先輩?」


神条しんじょう 恵理香えりかそれは中学時代2つ上の先輩だった。


「何やら女子トイレから男子の吐いている怪しい声がして何だと思って覗い

てみれば見覚えのある男の子が何やら盛大に吐いているじゃないか…」

「ずみまぜん…」

「ほら…大丈夫かい?」


と言って彼女は綴也に近づき彼の背中を擦り始めた。

その優しい手のお陰か心なしか落ち着いてきたのを感じた。


「綴也君!!」

「ん?」

「神条先輩?」

「恵理香先輩?」

「生徒会長と副会長じゃないか…どうして此処に?」


そんな時にサクラとシアがトイレに突入してきた。

二人は少し迷いながらも事の次第を説明し始めた。


「なるほど…相変わらずなんだね君は?」

「はい、迷惑をおかけしました」

「いや、責めてるわけじゃないよ…」


生徒会室に移動しながら事の次第を説明を終えると恵理香は苦笑していた。


「2人が知り合いだったなんて…」

「そうですね…」

「僕もびっくりしました。女子高に行ってたというのは聞いてましたけど

…」


まさか、この学校でこの知り合いがいるなんて綴也は思いもしかったので

ある。


「オイオイ綴也君、この学校は当時は女子高だったんだぞ…」

「あ…」


自分の頭は最近知った事実まで忘れていたようである。

そんな事に綴也の様子に先輩が苦笑している。


「でも、本当に久しぶりです」

「うん、君が入学すると聞いたから久しぶりに会って話しでもしようと思っ

ていたのだが中々時間が無くてね…」

「いえ、その時はこっちからお邪魔しますよ」

「そうか…そういえば彼等はいないのかい?何時もなら君と…」

「あはは…僕だけこの高校になっちゃいました…あはは…」

「綴也君…連絡は沢山取るんだぞ。数少ない君の親友たちなのだからな…」

「あの…旧交を温めるのもいいのですがそろそろそのへんで…」


話をしていたらどうやらもう生徒会室の前だった。


「まあ、色々綴也君には聞きたい事が沢山出来てしまったけれど…君は今日

はもう帰りなさい」

「え?」

「元々こっちの用事は終わっていたのにあの信号機トリオが余計なことをし

てくれたからね。今緋途美先輩に拘束をしてもらっているの今から私達はあ

の信号機トリオをおしおきしないといけないから…」

「でも…ルージュ先輩達にも謝らないと…」

「それは明日でも大丈夫ですから、今日は大事を取って今日は帰りなさい。

副会長と会長の命令です」

「では、私からも先輩命令だ綴也君。今日は帰りなさい」

「え?恵理香先輩?」

「「「帰りなさい」」」」

「…はい」


さすがにここまで言われたら逆らうことは許されなかった。


「綴也君!!」

「はい?」


綴也が教室に足を向ける寸前時にドアから…。


「今日はまっすぐ家に帰るんだぞ。あのポンコツ野朗の所に行くのも駄目だ

からな!!」


顔を出した恵理香からアイディアルの練習も禁止!!と釘を刺されてしまっ

た。

それでもスポーツセンターに行きたかったが後が怖いので此処は先輩の心遣

いに従う事にした。

しかし、話し相手は愚か友達も出来ていない綴也にとって見知った人がいる

と言うのは心なしか気分が軽くなった気がした。

そうして綴也は教室に向かっていった。


「あ、しまった…」

「何です?先輩?」

「念の為に110番していたのを忘れていたよ」

「って!?」


そんな事を恵理香が思い出すのと同時にサイレンの音が近づいていた。

綴也が学校から出る頃に校門の前で止まるパトカーとそこから出て来た警官

に職務質問をされるが呼ばれた通報者本人によって事無きを得るが綴也は家

路に着くのが後数時間遅れる事となった。

Mル…おい。


E香…(沈黙)


Mル…自身の初登場で綴也さんを警察に売り飛ばす気ですか?

   ええ!?


E香…人聞きの悪い言い方をするなポンコツ野朗!!

   流石に綴也君があそこにいたのは予想外だ!!

   

Mル…綴也さんが入学すると言う噂くらいは聞いていたでしょう?

   貴女ならば予想も出来たでしょうに…。


E香…もしかしたら別の人物なのかも知れないから警察に連絡す

   るのは当然だろう。

  

Mル…実は未だに綴也さんを恨んでいるのですか?貴女?

   あんなに貴女の為に奔走した彼を未だに恨むとは…。

   綴也さんもかわいそうに…。

   こんな女の為にあの時あんなに頑張ったというのに…。

   未だ恨まれるとは…。


E香…違うと解ってて言っているだろう貴様!!


(この後も言い合いは続く)





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