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新たなる天神の地に再び…

※設定間違いがあったので直しました。



 



「やっと…来れたわね…」

「ええ、たった数日間の筈なのにもう何年も来ていなかった気持ちです」


サクラは感慨深く気持ちを口に出しシアもその気持ちと言葉に同調いや彼女

はサクラ以上にそんな気持の様だった。


「ええ…その気持ちも解るわシアちゃん!!だってやっと此処に!!」

「ええサクラ!!何故ならばようやく此処に!!」


それは言葉にならずとも二人はお互いの気持ちを理解している様だった。


「「イリュシオンに!!私達は!!帰って来たのだから!!」」


二人はそのまま同じ言葉を紡ぐほどに二人は今理解し合っていた。

時間は朝の八時四十五分。

多くの学生や大人がこの新天神の地を歩いていても今の彼女達は気にしては

いない。

彼女達の情動に着いていけない為に若干距離を置いて見つめている信号機ト

リオと表情は変わってなくとも距離を置いている事がその気持ちが現れてい

る風紀委員長は今は蚊帳の外だった。

しかし彼女達二人は気にしなかった。

例え後で後悔で顔を紅く染める事になろうとも今此処にある喜びを世界に叫

ばないなど彼女達には出来なかった。


「でも…ようやくイリュシオンに来れたって気持ちはわかるわ…」

「昨日も先生から急に仕事が入ってイリュシオンに行けなかったものね…」

「うん…」


そう…今日は土曜日。

サクラ達は決してイリュシオンに行けなくて我慢できずに金曜日に学校を休

んで新天神にきている訳では無い。

木曜日に鬼気迫る勢いで溜まっていた仕事を終わらせたサクラ達は金曜日は

その日の仕事を終えて心置きなくイリュシオンに行くつもりだったが突如と

して別の仕事が入りイリュシオンに行く事は叶わなかった。

彼女達はその時社会人が急に入った仕事に自分のスケジュールが狂わされる

精神的ダメージとはこんなにも心を抉るものなのだと思い知り人間として少

しだけ成長したのだった。


「…」

「どうしました?」

「いや…あの男…本当に来るのかしら…?」

「流石に来ないというのは無いと思いますが…自分から説明した事は証明出

来なければその時点でクロですから…」

「だからこそあの男の真意が逆に謎になってくるんだけどね…」

「…そうですね」


サクラ達は先程までのはしゃぎ様がまるで嘘だった様に表情が真面目になっ

た。

そう今この場に綴也はいなかった。

本来ならばそれば最重要監視対象の消失という緊急事態に当たる。


「まあ…待っているより入っちゃおうか?」

「そうですね。あのミトラさんも朝倉君の事は監視しているそうですから…

彼が来れば連絡はしてもらえる様に貴女との試合の時にお願いしましたから

…」

「それなら少しは大丈夫…かな?」

「それに彼が此処にのこのこと来れば確実に何か起きるでしょうし…」

「そうね…という事は…」

「ええ…だから今は…」

「私達があの男を監視しているとばれない様に自然にイリュシオンを遊ばな

いとね!!」

「ええ!!その通りです!!ばれない為には自然を装いイリュシオンを遊ぶ

のです!!」


朝倉綴也を監視しているのは自分達だけではない。

それが彼女達の安心に一役買っていた。

故に彼女達は少しだけ心の天秤を目の前の遊び場に大きく傾けたのだった。

楽しそうに二人は駅の改札口を通っていった。

それを見て四人の女子も少し時間を置いてから改札口を通っていった。

彼女達四人の為に念の為に表記しておくがそれは決して彼女達四人がサクラ

とシアの二人と他人の振りをしたい訳ではなく彼女達のテンションの高さに

着いて行けず思わず思考が止まってしまった為に遅れをとってしまっただけ

である。


それから三十分後。

男性専用車両が連結されている電車に乗った綴也は新天神に到着した。


「会長達は…もういないか?」


しかし綴也は決して遅刻をしている訳ではない。

これは意図的に時間をずらして此処に来ていた。

サクラ達にも了承は得ている。

彼女達がどう思っているかは彼女達次第ではあるという問題は残るもののそ

うしたのは理由がある。

それは綴也自身がイリュシオンで初めてデスペナルティによって課せられた

自分自身というペナルティにある。

イリュシオンは多くの人間がコントローラーを持たずにこのゲームをプレイ

するという特性を除けばこのゲームも多人数参加型のゲームである。

この手のゲームではプレイヤーのリアル…現実の姿を無闇矢鱈に知ろうとす

る事はルール違反であると言うのは法律とは関係なく暗黙の了解である。

もしもそんな事を実行すれば都市日本の方の下とても厳しい罰が下る。

しかし綴也の受けた自分自身というペナルティは自分自身の姿と名前でこの

ゲームをプレイするというその暗黙ルールそのもの恩恵を受けられないよう

な物だった。

ただしこのようなゲームではペナルティとは関係無く自分自身の姿や名前の

ままでもプレイする人間がいても何ら不思議では無い。

それでも現実で不利益が発生する事は稀でそれはゲームをプレイする人間の

人間性の結果である。

そんな事をすれば都市日本の法に下に最悪一生罰と共に生きなければならな

い。

二つ目の理由は彼自身の持つ姫神殺しという仇名である。

日曜日に彼が自分を姫神殺しと明かした瞬間理想求者ではないにも関わらず

多くの幻想住人達が綴也に敵意を向けてきたのだ。

彼自身が理想求者から此処に来た裏切り者と呼ばれる者だからと言うものあ

るかもしれないがそれはミフルによるとイリュシオンの多く幻想住人にその

事実が知られているので自分と一緒にいるとサクラやシア或いは未だにどん

なキャラクターになってプレイしているかはわからないが彼が一緒に来てい

て他のメンバー達も不用意にリアルが割れて迷惑を掛けてしまう可能性もあ

る。

ゲームという遊戯で遊んだ経験が無いとは言えこんな事は基本ゲームという

遊戯で考える事ではないくらいは綴也も馬鹿ではない。

ミフルがからかうという要素が含まれている一言とはいえ自分の出来る限り

サクラ達に迷惑を掛けない為にも綴也はイリュシオンに関しては来る時から

基本別行動をするという事をサクラ達に願い出た。

初め綴也は反対されると思っていたが流石に綴也を色々疑っているサクラも

生徒会のメンバー達も今回に関しては反対はしなかった。

なので綴也はイリュシオンに来る時も時間をずらして来たのである。

サクラが来てから三十分は経過しているが新天神のホームには沢山の人が詰

め掛けていた。

その多くが学生だが中には高齢の人も見受けられた。

行きかう人々の多さに思わず見入ってしまう中時々綴也は視線を感じる事が

あった。

主に見るからに学生達からの物だったがそれがどんな視線かは解るような人

間ではない綴也にも解る位良くない種類であると解るものだった。


「…良し、行こう」


このまま此処にいるわけにもいかないので最初にミフルことミトラに会いに

行く為に下にある受付に向かった。

そう本来なら綴也は父と母と三人で出かける約束をしていた。

だが綴也は父親に他にどうしてもやる事が出来たと約束を無しにしてもらっ

た。

それがゲームだとは言いにくくそこだけは言えなかったが父は約束は今度に

しようと笑って言ってくれた。

もしかしたらこの話をサクラ達にしたら今日もイリュシオンに来なくてこの

ような視線に当てられずにすんだかもしれない。

ましてや初めて此処に来た時から自分の心にあるこの世界に対する恐怖はあ

るしもしかしたらこのまま消えないかもしれなかった。

しかし綴也はこのイリュシオンという世界から逃げているようでどうしても

此処に来なければいけないと思った。

だからこの視線の雨に当てられた程度で臆するわ事は嫌だった。

受付係の人に尋ねると受付の人はすぐ傍にあるドアを綴也に案内した。

案内を聞いた綴也が向かう際に…。


「君が来たらミトラさん…ミフルちゃんはすぐに来てくれるわよ」

「え!?」

「あの人首を長ーくして待ってたわよ…姫神殺し君」


と仇名を若干フレンドリーな呼び方をされた。

何日か前にもそんな事があったと思い出しながらも姫神殺しである自分をそ

んな風に言って来た事に驚きながらも係りの人に手を振られて微笑まれなが

ら綴也はドアを開けて進む。


「うわぁ…」


開いたドアの向こうは蒼い空と海が広がっていた。

無論これはMRによる風景である。

しかし蒼い色が好きな綴也は心奪われた。

時間すら忘れてこの風景を焼き付けようとしている。

そんな心奪われた空の風景から一筋の流星が綴也に向かって来た。


「…え?」


それはまるで意思を持って綴也を直撃した。

正確にはしっかりと揃った両足が綴也の腹を直撃し彼を吹き飛ばしたのだ。

途轍もない高度からのドロップキックと呼んで良いものか疑問が沸く蹴りに

吹き飛ばされた綴也の眼に山吹色の髪をした人影が写る。


「全く待ちくたびれましたよ…綴也さん」


無論ミトラいや綴也をからかう為だけに作り上げた女性型フォーム”ミフル

”が満面の笑みで綴也がイリュシオンに来た事を心から歓迎したのだった。


「何も言う事はありません!!」

「ええ!?あんな凄いキックをお見舞いしておいて!?」

「あれは五日間も此処に来てくれなかった綴也さんに対する私の気持ちなの

です!!それともハグされて私のお胸お見舞いして…」

「ごめんなさい…お心遣い感謝します」

「折角綴也さんが此処に来てくれたというのに此処で色々言うのも時間の無

駄と思いましてね…それに日曜日の私のアドバイスを聞いて気をお使いの様

ですし…」

「日曜日の…って…あ!?」

「まあ半分はからかうのが目的だったんですけどね…」

「やっぱりそうだったのか…」

「まあ自分自身というレアなペナルティを受けましたが此処まで来た貴方に

私が言えるのはそれでも貴方がこのイリュシオンを楽しむ事が出来る様にな

る事を心からお祈りしています…それだけです」

「…ミフさん」

「そうすればアイディルの代わりに此処で綴也さんをからかい放題ですから

たっぷり此処でからかってあげますよ」

「うーん本当は怒るべき筈だけど何だか何時ものミフさんで凄く安心しちゃ

った…」


本来ならばきっと何か自分の受けたペナルティに関する説明や何かを聞くべ

き筈だったがそんな内容よりも遥かに脱線したミフルとの会話を終えた綴也

は不思議な安心感と共に由緒正しいピンク色のドアをくぐって駅へと戻りイ

リュシオンの舞台である新天神の街へと出る。


「久しぶりに…」


片手で数えられる程しか来ていない筈だが綴也それがとても昔に来たような

そんな気持ちになった。


「ここに!?」


久しぶりに此処に来たなあ…と。

感想を口にしようとしたがそれが最後まで語られる事は無かった。

何故ならその前に綴也は意識を失った。

何が起きたのかは綴也は解らない。

だが彼の周りにいたイリュシオンのプレイヤー…幻想住人達は綴也の眉間が

何かに打ち抜かれて血飛沫を上げて倒れたのを目撃した。


Mル…新たな天神の地に再び…立って数秒で狙撃!!


E香…いきなり何だコレは!?


Mル…それは次回説明になるかは解りませんがある程度語られる

   筈です。


E香…街に出ていきなり眉間を撃ち抜かれるとか何処の無法地帯

   だ!!


Mル…私に言われても作者は今回は短めだけど此処で切るとイン

   パクトがありそうでやってみようと思ったそうです。

   ですが綴也さんにごめんなさいとごめんなさいと謝ってい

   たそうですよ…夢で般若の仮面をかぶった黒髪の女に追い

   掛け回されたそうなので…。


E香…それは絶対嘘だろう!!

   その黒髪は私の事だろう!!


Mル…綴也さんへの謝意は本当なのに何でもかんでも嘘だという

   なんてそんなんて悲しい女なんでしょう。

   それにあんまり綴也さんに肩入れすると貴女は不倫とみな

   されますよ。


E香…それくらいの区別くらいはついてるわ!!


※あとがきにしても本文にしてもあえて説明していない複線と言

 って良いものか解らない物をちりばめていますが楽しんでいた

 だければ幸せです。



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