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IFかもしれない世界で綴る物語(あるかもしれないみらいで生きるライフ・ストーリア)  作者: きちだ しんゆう
理想と幻想の間~ミックスド・リアリティ
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朝倉 綴也からアオバ・アオヤへ…






「え!?ちょっと待って!?」

「待て!!我々は君と戦いたい訳では…」

「僕が戦うのはただ僕が貴方達の戦いを止めたいだけだ!!」


自分の行いは余計な真似で格好など良くないものだと思われるし笑われるだ

ろう。


「戦うと言うが今の君は住人ではないじゃないかだったら住人では無い君は

戦う事など…」


実際に何かで嗤われたり批判させる事もあった。

今も集団の中に嗤う人間がいたのが見えた。


「確かにそうだけど…僕はそれでも始めて此処に来た時住人じゃなくても黒

くて大きなドラゴンさんと戦った!!」


もしかしたら最近こんな出来事に似た夢を見てしまったからそれを思い出し

たからかもしれないと綴也は思った。


「何!?まさか!?」

「例え此処がゲームで貴方達が真剣に楽しんで遊んでいたとしても…」


夢の中の男女は理由は解らなかったがお互いを想い合っているのにお互いを

殺そうとしていた。

あの夢を今になって思い出していた。


「例え貴女が怖くてもその思いに応えようと頑張って戦う姿がきっと正しい

としても…」


あの夢と違うのはここはゲームではあっても現実だという事あの少女が言う

様にこれは綴也が危惧しているイジメの類ではなくゲームのイベント即ち遊

びに過ぎないという事だった。

それでも戦いを怖がって震えているにもかかわらずそれでも相手の思いに応

えようとする彼女をそのまま見ているだけなど綴也は嫌だった。


「僕は…貴方達を止めたい!!」


その様子に襲撃者達は困惑したり嘲笑していたりしていた。

それでも綴也は玩具の光剣を取り出し彼女を守ろうとした。


「…え?」


その綴也自身が蒼く燃えた。


「「え?」」


その声を最初に上げたのは他ならぬ綴也自身それに続く様にその場が同じ様

な声を上げた。

何故自分自身が燃えているのか綴也自身が理解できていなかったのだからそ

の疑問は当然だった。

その隣にいる少女も周囲の人間達もその出来事が理解できなかった。

しかしその綴也自身は自身が燃えているのに焼かれているという痛みや感覚

は無かった。

始めは何か攻撃されたのかもと思ったがそれも一瞬で違うと確信出来た。

何故ならその蒼い炎は綴也自身が見覚えがあった。

蒼い炎は一瞬で綴也を包み込みより大きく燃え上がりそうして消え去った。

蒼い炎が消え去った中心に少年はいた。

しかしその姿は先程とは異なっていた。

蒼い髪に蒼い眼蒼い服に蒼い大剣その身の全てが蒼に包まれたこのイリュシ

オンの幻想住人アオバ・アオヤの姿だった。


「え?」


と声を上げたのはまたしてもアオヤ自身だった。

突如として見覚えのある炎が自分の身体を燃やして炎が消えたら服装も変わ

りその手には見覚えのある大剣を握っている。

何が起きたのかアオヤは理解できていなかった。


「貴方は…もしかして感情タイプ?」

「かんじょう?…何なんですか?…それって?」

「簡単に言えば住人の姿をしていない住人が自分の感情が一定レベルに昂ぶる

と住人に自動的に変身してしまうタイプの事だ」

「自動的?」

「しかし君に聞きたい事が出来たな…先程君は住人登録する前にあの黒いドラ

ゴンと戦った事が有ると言ったがそれは本当か?」

「本当です」

「もう一つ、その観客はあのアイディアルで悪名高い姫神殺しという噂があ

る…君は自分が姫神殺しであると言うのか?」


その問い掛けとそれ答える事がどんな意味があるか綴也はおぼろげながら理

解した上で綴也否アオヤは答えた。


「そうです。僕が姫神殺しです」

「「!!」」


その言葉に少女を囲っていた集団の雰囲気が明らかに少女からアオヤに注が

れ視線の種類も変化があった。


「成程、まさか自分から名乗り出るとは思わなかったが例え君…いや貴様が

その名を騙る偽物だろうと本物だろうと貴様のような者がこのゲームにいる

事を私達は許しはしない!!」


騎士がその外見に見合っている白く輝く剣を引き抜くしかしその表情には先

程までは無かった明らかな敵意が宿り今にでも溢れ出そうになっていた。

アオヤ達を囲む集団も明らかに先程までの遊ぶ者からまるでそこに現れた悪

者を倒そうとする者へと変化したという例えが正解と言わんばかりだった。


「待って!!この人は…」

「今すぐ天照から離れろ!!姫神殺し!!」


しかしそこにはアオヤへの敵意以外にも隣にいる少女を助けようとする意思

があった。

ほんのついさっきまでは少女の傍にいた少年が少女を守る側で彼らが少女と

戦おうとする側で少年は少女を守る為に戦う筈だったのに自分が姫神殺しで

ある事が明らかになっただけで自分が少女を攫おうとしている悪役になり戦

いは一人の少女を守る為の戦いから一人の少女をアオヤから救う為の戦いに

激変しになってしまった。

アオヤがその剣に身を委ね死んでしまえば解決するという選択肢が頭の中に

無くはなかった。

しかしこの後自分が死んだら彼女は今度こそ彼等の思いに応えて戦おうとす

る気がした。

だからアオヤは何としてもこの少女を戦わせたくは無かった。

それが正しいとしても…。


「はぁああああああああああ!!」


アオヤは自分が持つこの大剣にどんな力があってどんな事が出来るのかは全

く理解していない。

理解しているのはその剣から蒼い炎が出る事だけでそれも自分で自由自在に

出せるものではないという事。

先日の人生初の鬼ごっこの時も出る時と出ない時があった。


(お願いだ…今は)


しかし今は自分は多くの敵に囲まれていてどうしても助けたい少女がいる。

あの蒼い炎がどうしても必要な時だった。

それでこの窮地から脱せられるかどうかは解らない。


「何やろうとしてんだ…アイツ?」

「姫神殺しでもこの人数じゃああなるんじゃないの?」

「それでも歌姫に手を出した事後悔させる事は変わらないがな!!」


迫る集団からの嘲笑を侮蔑が聞こえた気がしたがそれでもアオヤは大剣を握

り締めて炎が出る事を祈り叫びを乗せて構えた大剣を振るう。

その想いが何かに届いたのか振るった大剣から初めて戦った時と同じく蒼い

炎がまるで津波の如く迫る騎士達に向かっていった。


「その様な虚仮脅し!!」

「通じるか!!」


騎士の前に二人の男ががその炎の前に立ちその手にある武器で炎を払おうと

した。

しかし蒼い炎の波はまるで意に介す事無く彼等を飲み込んでいった。


「な!?」

「に!?」


騎士や何人かはその波を飛び越えたりかわして炎を逃れたが多くの者達が蒼

い炎の波にそれこそ津波に飲まれた様に蒼い炎と共に遠くに押し流されてい

った。


「ええー!?」

「って何で貴様が驚くんだ!?」

「って何で貴方が驚くんですか!?」


自身の手と武器で起こした目の前の結果にアオヤは驚きその驚きに目の前と

自分の隣から驚きと突っ込みがあった。


「え!?ご、ごめん…この剣の事はあまり良く解らなくって…」

「流石は姫神殺しこのゲームでもそんな違法武器を何食わぬ顔で使っている

とは…」

「いや、これは…」

「問答無用!!」


と騎士達は突撃を再開する。

何とか騎士の誤解を解きたかったアオヤだがそんな余裕も無かった。

蒼い炎は彼等の円陣に少し溝を作っただけで数の有利は消えない。

蒼い大剣の一撃が作り出した真っ二つに割れた海のような溝もあっと言う間

にふさがり四方八方からの進軍が再開された。


このままではどう考えても自分は負ける。

しかしどうすれば良いかなど思いつく事もなかった。

アオヤがとった行動は半ば自暴自棄とも取れるものしかなかった。


「伏せて!!」


アオヤが少女に叫ぶ。

少女が言うとおりに地に伏せるとアオヤは大剣を真横に円を描く様に振る。

確証も無いが先程のように大剣を振るって蒼い炎が出たのならば円に振るっ

たらその炎が自分達を囲う人達を先程のように押し返せないだろうかとそん

な事を思ったのだ。


「でぃいやぁあああああ!!」


大剣を振りぬいた。

再びその思いが通じたのかアオヤの周囲に大剣から発せられた蒼い炎が円を

描きその炎がまるで水に落ちる波紋の様にアオヤ達に迫る住人達にとてつも

ない速さで再び襲い掛った。

蒼い炎の波はまるで住人達を壁の様に阻み押し返しそのまま彼等を押し流し

ていった。


「ええ!?」

「だから何で貴様が驚くんだ!?」

「だから何で貴方が驚くんですか!?」


アオヤは再び驚愕し再び目の前の生き残っている騎士と隣で伏せている少女

に突っ込まれた。

最近似たようなことあったがそれでもアオヤはこの大剣の力には驚かされて

ばかりだった。


「クッ、例え貴様が違法な手段を幾らでも使おうとも我々は負けないぞ!!」

「いや、これは登録の時に作ったもので…」

「正々堂々と戦って貴様に勝つ!!此処はイリュシオンは貴様の居場所など

ではないのだ!!」


そうして最後に生き残った騎士は綴也の所まで翔けその剣を振るい綴也はそ

の剣を大剣で受け止める。


「天照を解放しろ!!」

「いや…だから…ちょっ」

「嫌だと!?…貴様は…」

「ん!?待って何だか言葉が…」

「やっぱり貴様は何としてでも此処で倒す!!」


騎士はさらに剣を振るうがその剣をアオヤは大剣を盾の様にして全て受け止

めていた。

騎士が振るう剣はその一つ一つが速いがアオヤにはそれが見る事が出来た。

それはこのイリュシオンの恩恵だけではなく昨日これと同じくらい速く剣を

振る相手と戦った為にアオヤにはこの攻撃は対処は不可能ではなかった。

…ただしそれは此処がアイディアルで自身の獲物がアイディアルで使う剣や

銃ならばの話だった。


「クッ…」


騎士の動きは見えていてもアオヤは大剣を打ち返さないいや打ち返せなかっ

た。

一つはアオヤは大剣の扱いに慣れていない事。

ゲームの中とはいえ今迄使ってこなかった武器で戦う経験は少なく対応が出

来ずにいた。

もう一つはゲームの環境に適応出来ていないアオヤは長時間動くと吐き気を

押さえられなくなる事だった。


「うっ…くっ」


実は騎士の最初の二撃を受け止めた時点でアオヤは吐き気に襲われかけてお

りそれを押さえ込んで騎士の剣を受け続けていた。

このまま剣を受けても反撃出来なければアオヤは勝つことは出来ない。

しかし反撃するにもこの武器でどう反撃したら良いか解らないし反撃を行え

ば直ぐに吐き気に襲われてアオヤは戦闘不能になる可能性もあった。

もしかしたら蒼い炎で押し流した襲撃者達の何人かがこの場所に戻って再び

包囲されるかもしれない。

故にアオヤは今のうちに彼女に此処から避難する事を叫ぼうとした。


「天照逃げろ!!」

「え!?」

「貴女を討とうとした者の言葉など信じることは出来ないだろうが貴女をこ

の男から助けたいのは本当だ…だから!!」


その前に騎士が彼女に叫んでいた。


「良いから行って!!この人は貴女を助ける為に戦おうとしているのは本当

だ!!きっと貴女と戦う様な事はしない筈だ!!」

「貴様は何を!?」

「でも…貴方は!?」

「姫神殺しの言う事は聞きたくないだろうし信じられないだろうけど…行っ

て!!」

「待って!!私は!!」


そんな不思議なやり取りの間に彼女の元に二人の女性が空から降り立ってい

た。


「天照!こちらに!!」

「此処にいたら巻き込まれるわよ!!」

「彼女を頼む!!最早挑戦どころ話ではないこの男は私が止める!!」

「違うの!!その人は…!?」


どうやら騎士の仲間らしく彼女達は少女を連れて去っていた。

アオヤはその声に何処かで聞いた覚えがある気がしたがそれを思い出す所で

はなかった。


「何の心算だ!?姫神殺し!!」

「彼女が此処から逃げる事は僕も同意見だから言ったんだ」

「彼女を攫おうとした者が何を言うか!!だが彼女が保護された以上これで

僕も心置きなく戦える!!」


確かに彼女が保護された以上綴也は戦う理由がなくなってしまった。

しかし向こうはアオヤをここで倒そうとしているので辞める事は難しそうだ

った。

此処はアイディアルでない為にアイディアルの武器も使えずPDも使えず昨

日のアイディアルの試合よりも条件が厳しいく思わず苦笑が漏れる。

彼等も最初は少女への果し合いを望んでいたが少女が悪者に攫われそうと思

ったら自分達の目的よりも少女を助けようとしている。

あの少女を自分から守ろうと戦っている。

しかしどうして自分は彼女を攫おうとする悪者として扱われる事に何でこう

なるのかと思いたくなる。

しかし自分があの少女と彼等が戦おうとしているのが嫌で止めようとしたの

は理由は自分でもはっきり解らないが自分に後悔は無い。

身体的な理由からアオヤが不利だが彼女も保護ので最早ここで自分が勝とう

が負けようが勝敗等彼女が保護された時点で決着しているような物だった。

だが目の前の相手に逃げるという考えは浮かばなかった。

自分の事を悪者だと思い誰かの為に戦っているその様は昨日の戦いの相手を

思い出させるからか同時にそれは昨日辞めると約束したアイディアルを思い

出させるからかも知れない。

大剣で受け止めていたばかり綴也は目の前に振るわれる剣の舞を受け止め続

けながら。


「その大きな不正武器で僕達のイリュシオン好きにはさせない!!」

「貴方の…いや君の剣は昨日戦った人と同じかそれ以上に速くて凄いよ」

「…貴様、いきなり何を…?」


綴也の言葉に騎士が剣の舞を止めた。


「でも…何かが違う」

「何を言っている貴様は!?いきなり訳のわからない事を!?」


自分の言葉なのに何でこんな言葉が出たのかアオヤ自身も不思議だった。

騎士の反応も尤もだと言った本人がそう思う。

でもそんな言葉を目の前の騎士に言いたくなった…いや…言わずにいられな

かった。


「夢の中で戦っていたあの二人は君よりもっと凄かった!!」


Mル…綴也さんは自分の行動をきっと主人公の行動とは思ってお

   りませんね。


E香…それがどうした。


Mル…綴也さんは物語の主人公の様な自分になりたいと思いイリ

   ュシオンでは今の姿になっています。

   ですがああいう風に誰かを助けるいや助けようとするのは

   現実にはとてつもなく難しい。


E香…な、何だいきなり…。


Mル…現実でそんな事やればそれは尊重されて尊ばれます。

   でもこれはが極端ではありましょうがそれを正しいと定義

   してしまえば普段からそれをやらないあるいはやれない人

   間はそれだけで悪と定義されてしまうでしょう。


E香…どうした?何だか哲学的なことを言い出して…。


Mル…だから人間は無意識にそん人間を英雄や主人公という言葉

   で封をして差別しているのではないのでしょうか…。


E香…お、おい…本気でどうした!?


Mル…貴女と会話するのが嫌で尤もらしい言葉を並べてみたので

   すが…。

   あとがきを無駄に浪費するという結果になってしまいまし

   たね…。


E香…あとがきを無駄使いするな!!(怒って退場)


Mル…ふう…(意味深な溜息)   


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