ゲームのイベント
「何んだよ!?こんな時に!?」
「爆発!?此処から!?」
様々な声が会場中に響き渡る中に再びの爆発の音が響いた。
「まただ!?」
「ただライブを見に来ただけなのに何でこんな事になってるのよ!?」
会場中の声に段々と混乱と悲鳴が帯びてくるのが綴也にも解った。
そして爆発の音は段々近づいていきそして会場でもその音が響いた。
「うわっ!?」
「きゃあ!?」
会場中が悲鳴で埋め尽くされる。
爆発で身を屈めていた綴也は爆発が止んだ後顔を上げた時に煙の中から銃を
構える誰かの影を見た。
その銃口の先には先程まで会場で歌声を披露し客を魅了していた筈の少女の
姿があった気がした。
それが何を意味するのか理解していた訳ではないがそれでも綴也は少女に向
かって走る。
「危ない!!」
「え!?綴也君!?」
「綴也さん!?」
銃の引き金を引いた音がした直後綴也は少女を押し倒す形で地面に伏せた。
「え!?…あな!?」
しかしそれは正解だったと綴也は思った。
何せ綴也が歌姫を押し倒した直後彼女がいた位置を数発の銃弾が通過または
地面にや壁に小さな穴を空けていた。
そこに少女がいたらその結果は考えるまでも無かった。
「うぇ…っぷ」
「あ…あの!!大丈夫?」
「す…すみません。持病の様な物で女性の胸に触るとこうして吐き気が出る
だけなんで…」
「え!?ええ!?」
しかし代償はあった。
原因は先程の彼女を押し倒した際に彼女の胸部に接触した為だった。
少女が胸を両手で庇って顔を赤らめているが綴也にそれを様子を見る余裕は
無いし胸を触ってしまった人間が突如吐きそうな顔をしているので何とも言
えない顔をしていた。
アイディアルをやっていたのだからもっと上手いやり方もあったのかもしれ
ないが体が動いてしまった。
それにこんな状況になったら人間はこんな風に冷静にはいられないのかも知
れないと綴也は思った。
胸を触った事は謝りたかったが今は吐き気を押さえ込むので精一杯だった。
いっそ常備のエチケット袋に湧き上がるものを吐き出したかったが今度は会
場に銃や剣で武装した者達が突撃してきた。
その瞬間観客達は避難者、その場から動かずにそのままこの場の様子を
撮影している者そして姿が急に変わって侵入者と戦う者の三に別れた。
そして会場は正しく混乱が支配する場となった。
何でこんな事が起っているか綴也は混乱していたがそれでも理解した事があ
る。
これは自分の目の前にいる少女が狙われたという事だけだった。
それが綴也がこんな状況でも自分を見失わずに行動する支えになった。
「…こっち!!」
「え!?」
吐くのは安全な所に避難してからだと吐き気を押し殺しながら綴也は少女の
手を取って近くのドアに駆け込んだ。
「綴也君!?」
「ミフさん!!会長達を安全な場所までお願い!!」
「綴也さん!?ちょっと!?」
幸い綴也達が駆け込んだ通路に襲撃者の仲間はいなかったのでまるで先程ま
での混乱が嘘のように静かな通路だった。
綴也は出口のありそうな道を走って幸いいも出口の案内を見つけて会場の外
に脱出に成功した。
会場の外に脱出したのはいいがそれでも会場の近くでは安心は出来ないと思
った綴也は会場から離れる事にした。
あては無かったが人がごった返す街か駅にに出れば少しは安全かもしれない
と考え駅を目指した。
「うっぷ…オウェエエエエエエエエエエ!!ゴホッ!!ゴホッ!!オウェエ
エエエエエエエエエ!!」
その途中綴也は遂に耐え切れずその場で吐き出した。
我慢に我慢を重ねていたのでエチケット袋は開く余裕は無かった。
「だっ…大丈夫…ですか?」
「ご、ごめん大丈夫だから…さっきも言ったけど僕は…」
「それはさっきも聞きましたけど…顔色が…」
「まだ吐き気が落ち着いてないから仕方が無い…幾らか吐いたから少しは落
ち着いたよ…とにかく今は…」
この少女の安全を優先する事。
その為に駅の近くに交番が見えたので先ずはそこに知らせる事をしようと向
かうことにした。
「こおんのぉぉぉぉ…」
「え!?」
「クソ野朗がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「な!?」
と叫びと共に綴也の腹部にとてつもない衝撃が襲いさらに顔面に拳がめり込
み綴也を殴り飛ばした。
「ガッ!?」
痛みに耐えながら起き上がろうとすると綴也を殴り飛ばした桜色の髪と眼を
持った少女が綴也の胸倉を掴んでいた。
「グッ!?か…会…長!?な、なん…で!?」
「とうとう本性を表わしたわねこの外道!!やっぱり貴方は許される事なん
て無い!!ここで…」
何故こんな事になっているかは解らないがサクラが怒りを向けている。
しかしそんな事をしている場合ではない何とか落ち着いてもらいたかったが
彼女の右手が強く握られて振るわれる。
「やめて!!」
まるで石の様に握られたサクラの拳は綴也の顔に突き刺さる前に歌姫の少女
がサクラの手ににしがみ付く。
「え!?綴理ちゃ!?」
「この人は私を助けてくれました!!それなのに何で!?何でこんな事をす
るんですか!?」
「え!?でも…コイツは…貴女を」
サクラはしどろもどろになっている。
その間に綴也はサクラから開放されたが綴也は何故サクラがあんなに憤慨し
ているのか自分でも解らなかった。
「サクラ落ち着いてください…」
状況混乱の中新たな声がそこにシアと生徒会メンバー達が駆けつけた。
「ふ、副会長…」
「し、シアちゃん…」
「幾ら綴理さんのファンだからって明らかに正気を失っているのは貴女の方
ですよ…」
「ええ!?だって…」
「それも当人の前でそんな真似をしてこれの何処が貴女は正気だというので
すか?」
「うっ…」
「結果的に彼女は一応の危険は脱したのですからそれで良しとしましょう…
ね?」
「…解ったわよ」
「ごめんなさい朝倉君。サクラったら貴方がこの状況にかこつけてそこの歌
姫さんを拉致したんじゃないかって思い込んじゃって…」
「成程…それで…それで先輩は怒ってたんですね…」
綴也はようやくサクラの怒りの原因を知った。
どうやら彼女は自分自身が歌姫を誘拐したものと思ったらしい。
ならばあれだけ怒るのは当然でそんな事ファンならば許せない筈である。
「問題はそこではないと思うのですけれど…綴也さん」
いつの間にか綴也の傍にはミフルがいたが彼女の言葉は全く同意だった。
「そうだった、ミフさんこの人を安全な場所へ…」
「…それ以前の問題でしたね。私はですがそんな綴也さんが可愛くてたまらな
いですけど…全く」
「そんな事言っている場合じゃないでしょ!!」
彼女を避難させようとミフルに相談した心算だがこんな緊急事態にミフルど
こか冷静で可愛い動物を見ている様な表情をしていた。
何でこんな時にからかっている場合ではないだろうと綴也は彼女相手に珍し
く言動に怒りが込められた。
「綴也さん…貴方はこれがゲームである事を忘れてしまってますよね?」
「え!?ゲー…ム!?」
「はい…此処はゲームイリュシオンの中なんですよ…これは襲撃でなくゲーム
のイベントなんですよ…」
綴也はその言葉を言われて受け止めるのに何秒かかったのかは自身でも解ら
ない。
しかしその言葉が飲み込めた瞬間…。
「…あ!」
ただ一言しか発せられなかった。
「うふふ、ようやく思い出せました」
「うう、ごめんなさいミフさん。歌姫さんと会長も後で必ず謝りますからそ
れでも今は歌姫さん安全な所へ…」
「うふふ、落ち着いて下さいね大事な事なのでもう一度言いますが綴也さん
今起きているこれはこのゲームのイベントなのですから…」
「い、イベント?」
ようやくこれがゲームの中だという事を綴也は思い出すがそれでもミフルが
この事態をイベントと言ってしまうのには違和感を感じずにはいられなかっ
た。
これもまだ自分がこのゲームを受け入れられていないと言う事なのかも知れ
ないと思いつつミフルの話の続きを耳にする。
「ええ、このイベントに限らずこのようなイベントにこんな形で乱入する事
が認められているのです」
「な!?」
「もちろん、程度の問題は運営側である私達もリアルタイムで監視していま
すしそれでも度が過ぎたのならば我々が直接止めに入ります」
「じゃあ…これはやり過ぎじゃないと?」
「ええ、だってこのように襲撃される事はその歌姫本人とて知っているし了
承している筈ですから…」
「な!?」
「…ぅ」
綴也は歌姫の少女の方を見た。
すると少女は気まずそうに綴也の方を見てうつむいては綴也を見てはうつむ
いてを繰り返していた。
「まあ…毎回毎回イベントごとに襲撃がある訳ではありませんがこの娘のイ
ベントですしね…それこそひっきりなしでしょう」
「そもそも何で歌姫さんは襲われなくちゃいけないんですか!?」
「彼女はこのゲームで天照という名前を持つ名持ちと呼ばれる有名な幻想住
人なのです。だから彼女を殺してゲームオーバーにしてその名前を襲撃者達
は手に入れたいのですよ」
「名前?あまてらす?」
「まあ…街を真っ…平ら!!にしてしまう何処かの黒いドラゴンと世界斬殺
に比べれば規模が天と地程差があるのでまだマシといえるのですけどね…」
その言葉が出た瞬間一人顔を横にそらした少女がいた気がするが綴也にとっ
て今重要なのはそこではない。
襲撃者達にとってその名前がどういう意味を持つかは解らないがそれが欲し
いから彼女のライブ会場を襲撃したのだ。
「一応私は運営側なのでこの事態には傍観及び住人のやり過ぎか否かを監視
させていただています。でもこの話を聞いて貴方がどういう行動を選択する
かは貴方の思いのままですよ…社会ルールに引っ掛からなければですけど…
あ、あと誤解で本当の暴力行為に及ばなければも付け加えましょう」
最後にからかう事を交えながらもミフルはゲームのイベントだと言った。
しかし綴也はこの襲撃そのものが例え遊戯として認められているとしても完
全に納得は出来ていなかった。
「ふふ、では初心者の綴也さんにボーナスアドバイスを一つ…住人に変身す
ると良いです」
「住人に変身?」
「ええ、彼女を守りたいのであれば先ず綴也さんは住人にならないと襲撃者
に対抗は出来ますせんよ…」
「……ああ!!」
その一言でようやく綴也は自分も幻想住人の一人として戦えばいいのだとい
う事に思い至ったのだった。
「…何でそんな事が思いつかなかったのかな…僕、でどうやれば…」
「それはですね…なんでしょうね?」
「え!?何でしょうねって…」
「実は変身方法は人によって違っていてその方法は知りません。それに方法
によってはそれを理由から駅で設定を解除して住人になる人も多いのです。
そちらのお嬢さん達もそうですよね?」
「そ、そうなんですか?」
傍にいるサクラやシア達は額に手を当てて頭痛に悩まされてるような表情を
浮かべていた。
「流石にこんな所で変身は…はぁ…」
「…全くなんであんな条件なのよ…もう」
「ええ…今は私もサクラに同感です…」
「あの…それって…?」
「とにかく朝倉君も駅向かって解除しましょう。私達も設定が解除できます
し歌姫さんも一緒に行動できればサクラも安心でしょうし…」
「念の為に付け加えておきますけど歌姫さんは駅に避難は出来ないルールに
なっています。鬼ごっこで逃げる側の人間がその役をボイコットしているも
のなので反則扱いになります」
「ええ!?」
「ご安心ください。これはゲームなんですから綴也さんはこのイベントを楽
しめば良いのです!!」
シアの言うとおり自分達も住人になれば襲撃者達を撃退できる筈。
確か彼女を守る側にサクラやシアが加われば凄い戦力を得ることになる。
それは如何すればこのイベントが終わるかはわからないがこれはこの襲撃と
いう名のイベントが今度はサクラによる殲滅に変わるのでないかとそんな事
を思ってしまった。
ゲームとして恐らく反則なのかもしれないがそのようなものもゲームなのか
もしれないと半ば心が楽観から楽しげなものに変わりながら綴也は駅に向か
う中空から何かが近づいていた。
「つぅぅぅぅぅずぅぅぅぅぅりぃぃぃぃぃちゃぁぁぁぁぁん!!」
「!?」
と叫ぶ何かとてつもない速さで接近していた。
綴也はもう歌姫を庇う様に抱きしめながら身を屈める。
今度は胸に接触しないように注意したお陰で安全に彼女を伏せさせる事が出
来た。
その直後黒い何かは周りの建造物を切り裂き通り掛かりの人間達を何人も吹
き飛ばしながらその叫び声をエコーのように残し過ぎ去っていく。
「一体…何が?それに…あの声は…まさか…」
「ああ…綴也さんが思い浮かべた黒い奴ですよ…」
「で、でも…姿が…違う様な…」
「まあ…高速移動形態ですから…」
「形態って!?ドラゴンって変形できるの!?」
「ええ、彼女は変形が出来るんですよ…」
「そ、そうなんだ。でも…何だか様子がおかしい様な…」
「恐らくお隣にいる歌姫のピンチを知って先程のお嬢さんの様に正気を失う
くらい混乱しているのでしょう…」
「もしかしてドラゴンさんも歌姫のファンだったんですか!?」
「…ええ。ただ知らずに探し人を殺しかけ更に自分のライバルを吹き飛ばし
てしまいましたから…相当ですね」
「え!?」
そう言われて綴也は周りを改めて見渡す。
そこにあった景色はあの一瞬で強い嵐が過ぎ去った後と言われる程変貌して
いた。
ビルの群れにはまるで大きな何かに抉り取られた様な傷跡が何個も刻まれ街
を歩いていた人だかりは風によって吹き飛ばされたのか殆ど見えない。
更に綴也達が先程まで立っていた道は一直線に断たれて断崖と呼ぶ以外にこ
れを表わす言葉は無かった。
もし避けていなかったらどうなっていたかは想像する必要も無かった。
「会長達は…」
「思いっきり吹き飛ばされたか…あるいは先程の衝撃でコマギレになったと
か…」
「な!?」
「大丈夫です。ゲームの中なのでゲームの中で本当に死ぬ訳もコマギレにな
った訳でもありません。ああそうそう今更ですがこのゲームの中で住人登録
していない観客と住人になっていない状態の幻想住人はここで死亡すると自
動的に最寄の駅に転送されて最大六十分は駅から出られません…つまり一時
間お休みです」
「え!?何だか一時間って長すぎませんか!?」
「ゲームは一時間休憩するものです。しかしこれはちょっとピンチになって
しまったかもしれません。駅への道は先程の暴走ドラゴンの為に見事に寸断
されてしまいましたね」
「それじゃあ駅に戻って変身できないんじゃないですか!?」
「見つけたぞ!歌姫だ!」
「とまあ…こんな風に遂に見つかってしまったわけですね…」
考えるのは時間が欲しいが今は考える時間が惜しいと思い綴也は少女の手を取って走るしかなかった。
「そんな風に逃げるならいっそその人を横抱きにして運んでしまった方が早
い気がしますが…」
「そんな事出来るわけ無いでしょう!?それが出来る程筋力は無いよ僕は!
?そもそも横抱きして走るって不可能だって…」
「私を相手に時々しているではありませんか?」
「そうやってミフさんがランニングさせてますけどそれでも無理でしょう
!?」
ミフルの言うとおりであるが綴也は自分にはそれが出来ないと思っている。
時々そうやって長時間走らされているが現実には人間を横抱きにしていると
自身に思い込ませて走っているのであって実際に人間を横抱きにしているの
ではないので現実には不可能だと綴也は考えていた。
「ですが、前に一度女性をお姫様抱っこしてませんでしたか?」
「そんな事あったかな…?ってそんな事言ってる場合じゃないでしょ!?」
「うふふ、それでは私は一度運営として仕事をしますのでこれでイベントが
終わりましたらまた会いましょう…綴也さん」
「え!?ちょっと!?」
そう言って楽しそうにミフルはいきなりあっさりと消えて行った。
「何も走ってる途中で消えないで下さいよ!!」
と文句を言っても当人は遠くから今の文句を聞いて笑っているのかも知れな
いが追っ手が迫っているので走るのを辞めるわけには行かなかった。
取れる方法は一時間サクラやシアが幻想住人に変身して戻ってくる事に賭け
るしかなかった。
しかし追っての数は時間が経過すればする程増えて三十分経った頃には綴也
と少女は新天神とは違う大きな駅の公園で囲まれてしまった。
綴也と歌姫の周りには様々な装いの武器を携えた集団が二人を包囲していた。
「逃げて」
「え!?」
「私に構わず逃げてください…あの人達の目的は私ですから…」
「なっ!?」
「それに先程の電子製命体の方も言ってましたがこれはゲームなんです。そ
んな酷い事になる事はありません…だから」
「…嫌だ」
「…え!?」
「え!?じゃ無いです。嫌だって言ったんです。貴女を置いて行くのは嫌だ
と言ったんです。確かに僕が貴女を守れるかは解らないけどそれでも貴女を
見捨てて逃げるなんて嫌だ!!」
「でも…」
「天照!!さあ…今日こそ我ら全員との果し合いを受けてもらうぞ!!」
綴也と少女声に新たな声がかかる。
二人を囲んでいる集団の中から一人の男が綴也達に向け歩いてきた。
均整が取れた顔と体躯に騎士と呼べるような鎧を身に纏うその男の姿は数日
前に出会った狼の姿をした男とは対照的な青年だった。
「果し合い?」
「あの人達はは私の天照の名前が欲しいだけなんです。あの人達はその為に
私に戦いを挑んできてるだけなんです。だから…私は」
「だから…?」
「私が…彼等と戦えば良いんです。あの人達は真剣にただ楽しくこのゲーム
を遊んでいるだけなんだから…」
彼女の言葉は恐らく本当の事だと綴也は思った。
彼等にとっておそらくこの彼女への攻撃もゲームであり天照という名前を手
に入れる為のイベントに過ぎないのも本当の事だ。
「でも…貴女は戦いたくないんですよね?」
「え!?」
「何でかは解らないけど貴女は戦う事が怖くて嫌だって思ってる。そんな気
がする…」
「な…何で…何でそんな事!?」
「解らない…でもそう思った」
「そこの小学生!!我々全員の目的は天照との一対一の果し合いだ!!おと
なしく此処から立ち去れば我らは君に攻撃はしない!!」
「…こんなに沢山の人で一人の女の子を寄ってたかっているのに果し合いっ
て…だったら最初から一対一で挑めばいいじゃないですか!それに彼女は戦
いを嫌がっている!!それでも戦うんですか!?」
後自分は小学生ではないと言いたかったがそんな場合でないなと思い彼らの
誤解は解くのは諦めた。
「我々もそうしたいが彼女は基本このようなライブイベントでなければ姿を
現してくれない。ましてや彼女にはとてつもなく恐ろしい自称守護者達もい
る。自分達のしている事など自覚しているが我々は皆この天照の名前を持つ
この少女に戦いを挑み勝ってその名前を勝ち取りたいのだ!!彼女を守ろう
としているのは立派だが少年…言っておくが彼女は我々やましてや君よりも
強い!!」
「え!?」
「ましてや彼女に一対一で勝てずして天照の名など名乗れない!!」
「…」
男の言葉に恐らく嘘も悪意は無い。
この手段は彼等にとっても苦渋の選択なのだと。
この男にもその周りにいる者達もそれぞれの理由で彼女の持つ名前を欲しい
と思うから戦っているのだろう。
「解りました…挑戦を受けましょう」
「ちょっと待っ…!?」
「言ったでしょう。この人達はこのゲームを真剣に遊んでいるんです。私が
怖いからってこの人達の気持ちから逃げる理由には出来ない…」
そう微笑みながら言っている彼女の顔と声は戦う事を嫌がっているし怖がっ
ていると明らかに解るくらい震えている。
しかしその思いに応えなければいけないとその言葉に嘘も無いと綴也は理解
させられた。
「…」
でもだからこそ綴也はそれが嫌だと思った。
ミフルもこれはゲームでこれはゲームのイベントだと。
自分が心配している様に現実に彼女が殺される事は無いのだろう。
しかし何故そう思ったかは綴也自身も解らないしかしその思いは言葉になっ
て出ていた。
「なら…僕が!この戦いを止める!!」
Mル…まあ此処は綴也さんはあとがき所ではないので誰かにサポ
ートしてもらわないといけませんね。
Mラ…それで私を呼んだと言う訳ですか。
仕事で忙しいのですが…。
Mル…断ったら今貴方の仕事場のコンピューターをハックしてそ
こから…。
Mラ…仕方がありませんね。
可愛い妹に此処まで言われたら…。
Mル…まあ、イリュシオンではあの手のイベントは日常茶飯事な
ので中にはイベントの様子を写真でとる人もいるのですが
…。
Mラ…襲撃者が来る所を撮るとかネットに掲載したら間違いなく
誤解されますね。
Mル…実際誤解を受けた事があったのでイリュシオンで撮った写
真は専用のタグをつける事が義務付けられてつけなかった
ら逮捕されて罰せられる様になりましたけどね。
Mラ…技術の発展は新たな問題との戦いの始まりでもあるという
事ですね。
Mル…まさか綴也さんを誹謗中傷することしかしなかったあの兄
からそんな哲学者じみた言葉を聞くとは…。
E香…お前は何時までやっているその芝居。
Mル…おや、今日は此処までのようですねそれでは…
E香…私が気に入らないとはいえそれは大人げがないと言うのだ。




