清々しいお昼の目覚めに…
「ん…んん」
それからどれだけ時間が経ったのか綴也は自然と目を覚ました。
どのくらいの時間寝ていたのかは知らないが疲れきっていた昼飯前より気分
は良かった。
これなら午後からの練習もいけると思い起きようとした。
「は!?」
そこで綴也は自分が今までミフルの膝の上で眠っているの思い出した。
此処で目を開ければそれを見た瞬間折角昼寝してよくなった身体の調子に支
障をきたすので綴也はそこで彼女の膝からどちらかに転がって離れてから起
きる事にした。
念の為に顔を横に向け膝をむいている方である左目だけ開けて周囲の状況を
確認する。
念には念に上のほうには手で覆い万が一にもあれが視界に入らないように万
全を期した。
すると目の前に人も障害物になりそうな物は無かった。
上の危険物は視線の中に入れない様に眼を瞑りながら手で顔を覆い綴也はそ
のほうに二メートル転がって大の字から目を開けてき上がった。
「ああー!!良く寝たー!!」
と声を上げた。
こんなにも気分がいいのは何日ぶりだろうかと思ったほどである。
昨日の生徒会室の秘密の会話の事も忘れて練習に没頭出来そうな気もした。
から元気な事を言っている気がするがそれでも今はそんな気分だった。
しかしそうして思い出したがこんな時に自分を膝枕させた電子製命体が話し
かけてこない事に気付いた。
「もしかして…ミフさんは寝てるのかな?」
ミフルが正座している方を向こうとすると。
「……」
目の前に沈黙していたの桜色の髪と眼を持つ生徒会長が立っていた。
「……え?」
「こ、こんにちわ綴也君。い、良いお天気ね…」
「か、会長!?どうしたんです」
膝枕されていたのを目撃したのか彼女は表情明らかにおかしかった。
表情も声も引きつっている。
このままでは問題になり退学させられるかもしれない。
まさか昼寝をしていただけで寝起きにこんな問題が発生するとは予想外も良
い所である。
「あの会長言っておきますけどこの膝枕は自分が無理矢理させている訳では
ないので…」
「そ、そうなの…ま、まあ当人同士が納得しているならし、仕方がないわね
…それは…ね…」
今の証言をサクラが本当に信じている。
綴也はそれに驚愕した。
あの生徒会室の秘密の会話を聞いていたので綴也は信じてもらえないと思っ
ていた。
自分の言葉が信じてもらえた?本当に?
その事に少し心の中で感動した。
ましてやこんな風に自分の言葉を誰かが信じてくれるなんて滅多に無いから
である。
「か、会長?」
「……」
サクラの表情は何だか様子がおかしいままだった。
自分の証言を信じているというのに何かどこか混乱しているように思えたの
でミフルに証言してもらおうとミフルに話をしようと思い。
「あの…ミフ…え?」
そこにはミフルはいなかった。
代わりに髪と眼を山吹色を宿し女性に見間違われそうな青年が正座をしてい
た。
背丈だけならミフルよりも十cm程高い。
「おはようございます綴也君…久しぶりですねすみませんねミフルの膝枕では
なく私の膝枕で…」
「ミ、ミトさん!?」
彼はミトラ。
綴也をからかう事が生き甲斐だというミフルの兄である。
「ま、まさか貴方にそんな趣味だったなんて驚いてしまって何といっていい
のか…ご」
「「違います(よ)!!」」
「え、違う?」
「違いますむしろ膝枕の言いだしっぺはそこのミ…じゃなくてこの人の妹さ
んなんです!!」
「い、妹?」
「ええ、妹が突然仕事が入ったので兄である私に膝枕の役を押し付けていっ
てしまったのです。本当に何が悲しくて男相手に膝枕なんてしなければなら
ないのだか…」
「何だかすみません」
「いいえ、これも全ては妹が元凶なのですから。まあ、これ以上言ってもキ
リが無いのでまずは自己紹介を、私は電子製命体の”ミトラ”と申します。
妹のミフルが縁で綴也君とは付き合いがあるのです決してお客様が思ってい
るような関係はございませんので誤解なきようお願い申し上げます」
「え、ええ…こっちも誤解してごめんなさい。だけど何だか聞いた事があった
名前だった気がするけど…きっと気のせいね。私はサクラ、サクラ・レノン
フォードよ。綴也君の学校の生徒会長なの」
「サクラ様ですね。して今日はどのような御用でこの施設に?」
「私も元々は理想求者だったからフリーバトルをね。今日はイリュシオンも
メンテナンスでお休みだからたまには久しぶりに地元のセンターで気楽にア
イディアルでもやろうかと思って久しぶりに此処に来て見たら何だか凄い予
想外のものを…」
「それは誤解ですからね…ってちょっと待ってください」
「ん?何?」
「会長…理想求者なんですか!?」
「ああ、そういえば言ってなかったわね。元理想求者なのよ私」
「ええ!?」
それは彼女が此処にいる事は彼女は近所にすんでいる事に驚いたがまさか彼
女が元理想求者である事に驚いた。
今思い返してみれば彼女は自分が今イリュシオンに適応できていない事をま
るで自分の事の様に聞いていた気がした。
それはサクラ自身も元は理想求者だったからそれが理解できていたから言え
たのだなと綴也は納得した。
「ごめんね、言うのを忘れてたわ…それでミトラさん?私もアイディアルを
しに来たんだけど良いかしら?」
「ええ…構いませんよそれでは隣のスペースを…」
「いいえ…此処でいいわよ来て見れば他は誰もいないからフリーバトルの相
手がいないのよだから…綴也君、お相手してくれないかしら?」
「ええ!?」
「考えてみ見れば私あなたの事は噂しか聞いてないから貴方の実力は全然知
らないのよ…だから貴方の実力に興味が湧いたのよ…」
突然のサクラ・レノンフォードの試合の提案アイディアルで試合が出来る事
は綴也にとって喜ばしい事であるが同時に嬉しくもなかった。
「少しお待ちください…」
「ミトラさん?どうしたの?」
「サクラ様が彼と試合をするのは貴女の自由。しかし彼は姫神殺しと呼ばれ
るアイディアル史上最大の悪役ですよ。それでも貴方は彼との試合を望むの
ですか?」
「別に後輩に相手を頼むだけだから…別に負けたからって恨みはしないわよ
それに…もうアイディアルは辞めて三年近くになるしね…」
「そうですか…解りました。失礼を致しました。只彼との試合を望まれるの
ならばこの子はは姫神殺しのペナルティで自身から試合を申し込む事は愚か
対人の練習試合も出来ないのです」
「そうなの綴也君?」
「はい」
「だから試合をするにはそちらから申し込んでもらわないといけません」
「…解ったわ…じゃあ綴也君、お手柔かにね」
「は、はい…あの会長…本当に…」
「良いも何も申し込まないと試合出来ないでしょう…」
「さて、ルールはシンプルに相手に行動不能な一本を取ったら勝ち舞台も設
定を変えずに施設のままという事で二人供よろしいですね?」
「はい」
「ええ」
審判役のミトラの前にアイディアルウエァに着替えた綴也とサクラは向かい
合うように立っている。
綴也は血のような赤い点が返り血を浴びた様な模様となっている白い装束に
右手にSFなデザインの剣を持っているが左手には銃を持っていない。
対するサクラは自身の眼と髪の色に合わせたドレスを思わせる服装だった。
サクラの剣のデザインは綴也と違い西洋のファンタジーの主人公や英雄が使
用していそうなデザインで大きさも彼女の綴也よりも高い背格好という事を
考えても違和感が無いと綴也は思った。
「但し、今回は練習試合でもあり武器がお互い剣とを使うという事なので二
人供剣だけで戦って下さ。いいですね?綴也くん」
「ミトさん…僕は」
「綴也君、女性相手に銃を向けるなんて紳士にあるまじき事ですよ」
「いや、僕は女性と近距離で戦うのは…」
「たまには良いではありませんか。それから妹からの伝言で三日間此処に来
なかったペナルティで午後からは銃無しで女性と戦ってもらいましょうとの
事です。三次元の女性に戦ってもらえるなんて貴方には滅多に無い事ですか
ら頑張って克服の糧にして下さいだそうですよ」
「…ミトさん」
体質の事を訴えても訴えはミトラに却下された。
最早綴也も覚悟を決めるしかなかった。
しかしそれでも練習とはいえ久しぶりの誰かとのアイディアルの試合。
綴也は誰かと練習試合が出来る事が少しだけ嬉しかった。
「それでは…始め!!」
審判役のミトラの声と共に開始のアラームが鳴り響いた。
Mラ…全く何が悲しくてこんな人間の屑の膝枕などしているのが
初登場など…。
T也…ええ…っと…。
Mラ…全く可愛い我が妹にも困ったものです。
こんな男との付き合いは良くないからやめろと言っている
のに…。
T也…あの…。
Mラ…そうすると綴也さんとの付き合いをやめるくらいなら世界
中のコンピューターにハッキングして核兵器や反物質を暴
発させると脅してくるのです。
T也…み、ミ…。
Mラ…だから仕方が無いので私はこの男との付き合いを監視付き
で許しているのです。
全く持って仕方が無い…。
T也…(何ともいえない沈黙)




