表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
IFかもしれない世界で綴る物語(あるかもしれないみらいで生きるライフ・ストーリア)  作者: きちだ しんゆう
理想と幻想の間~ミックスド・リアリティ
26/178

どうして此処に来るのだろう?






土曜日。

綴也は何時ものスポーツセンターにいた。

気分は恐らく最悪といってもいい状態ではある。

恋を自覚しその相手の真意を聞いてしまった。

それも悪意ではなく善意に満ち溢れた真意を。

実はあの時は思わず明日はスポーツセンターに行きたいと言った。

自分が心がどんな気分なのかは心理学が素人以前の自身でもわかる位良いも

のでは無い。

でも何故か此処に足を運んでしまった。

あるいは自分の好きな事をやっていた方が気がまぎれるのかもしれない思っ

たのか?自分の事なのに不思議だと思いながら他にやりたい事も思いつかな

かった。


「てぇぇぇぇつぅぅぅぅやぁぁぁぁさぁぁぁぁああああん!!」

「うわぁぁぁ!?」

「あんた!!二日だけだって言ってたのに何で三日も休んでるんですオラッ

!!」



精神状態は決して良いといえない綴也が着替えて何時もの練習部屋に入った

瞬間女性にしてはドスの利いた声に歓迎された。


「…あ」


そうして綴也は思い出した。

二日だけ休むとミフルに何とか説得したのに此処に来るの昨日も忘れもとい

サボったから三日ぶりだったっけ…と。


「ごめん。本当に忘れてた!!」

「何で忘れてんだ!!ホウ・レン・ソウは大事だって言っただろうが!!」

「でも前に連絡先聞いたらそんな事聞いたら犯罪だって…」

「それくらい何かで盗み見くらいしてくださいよ!!」

「それこそ犯罪じゃないですか!?」

「やかましいゴラァ!!私はこの三日間我慢しすぎでストレスが溜まりまく

って溜まりまくって仕方ねぇんだよ!!この間の無断欠席した日の分も含め

て四日分今日一日私に付き合えゴラァ!!」


今日の彼女はどこか言葉遣いがおかしい。

胸倉つかまれ体を前後左右に揺さぶられる。

そんな中自分はそんな気分ではない筈なのになんで此処に来ているのだろう

?とそんな時に考える事ではないはずなのにそんな事を考えていた。

三日もサボればこの人はこんな事になるという事は知っていた。

ああ、だから来ているのか…とそんな事を揺さぶられながら思っていた。

綴也はアイディアルの練習においてミフルに毎度毎度からかわれる。

それでも綴也は大好きなスポーツの練習を欠かす事無く此処に来ていた。

しかしそんな綴也でもどうしても長い期間此処に来られなかった時期があっ

た。

そう…高校受験である。

高校受験期間中は流石に受験勉強が優先で綴也はスポーツセンターに来る事

が出来ずにいた。

するとストレスが溜まったというミフルはスキあらば胸を触らせて来たり自

分の頭を胸に押しやろうとする等少し()()悪戯を仕掛けてき

た。

健全な男子ならばそれは夢だと、羨ましいい、けしからんとうかもしれない

がそれはダメージになる体質の綴也にとって気が気でならないは地獄の日々

だった。


「今日は私の胸で死ぬまで吐かせてやろうか!?ああ!?」

「ひぃ!?」


今日は本当にドスが効いているので綴也も本気で悲鳴が出てしまった。

男が悲鳴とは自分自身情けないと思ったが今日のミフルは怖かった。


「……そんなに脅えないで下さいよ冗談なのに…」

「そんな風に見えないんですけど。だって今胸倉つかまれてるんですよ

僕!!」

「酷い!!私が何時綴也さんをからかっているというのですか!?」

「今現在進行形でからかわれてますよね!?」

「それが私の生き甲斐だから仕方がないじゃないですか!!」


と何時も通りのやり取りをしながらようやく綴也は開放された。

いきなりの歓迎だったが不思議と気分は落ち着いていた。

綴也は昨日の事をサクラへの思いと生徒会の秘密の会話をミフルに話した。


「そんなの当たり前でしょう?」


一通り話し終えたらミフルに一刀両断だった。


「綴也さんの同年代や十代からの信用を数字にしたら目も当てられないでし

ょう!それこそ貴方を信用する輩は私が知る限りご家族以外ならあの旧友三

人とファザコン妻とヴェコちゃんだけでしょう…」

「あの…ミフさん、ファザコン妻って…?」

「そんなの決まっています。ちなみに二位と新をかけて…二位つ」

「言わなくても解ったからそんな呼び方はやめて下さい」

「周りには貴方があのファザコン妻に復讐するのが目的だと思われている訳

ですか。全く、あの女も何がせめてもの恩返しですか全く役立たずですね…」

「いや、先輩も悪気があったわけじゃないし…」

「しかしコレでは綴也さんはあの学校で現状友達を作るのはほぼ不可能とい

う状態ではないでしょうか…」

「不可能…」

「いっそ退学します?周りからも望まれているらしいですし」

「それは嫌だ!!」

「そうですよね…中卒では就職厳しそうですし…」

「それで辞めると負けたみたいで嫌です!!」

「よろしい!!そんな不屈の精神に敬意を表し今日は是非とも私が相手にな

りましょう!!」

「勘弁して下さい…」

「私のお胸は学校の退学より嫌ですか!?」

「嫌です」

「即答!?こんなに形も良いし大きいのに!?」

「知りませんし遊ばないで下さい…吐きそうです」

「遊んで下さいよ…もう、いい加減そちらも克服しましょうね…」


最初は自分が全校生徒から警戒されているという話だったのにいつの間にか

関係の無い話になっている。

彼女はいつも自分をからかうのは生き甲斐だといって時には先日の金網電流

(以下略)のような事もやる。

でも、他の人と違いミフルは綴也を否定しない。

自分の過去の事を知っても姫神殺しと呼ばれても変わらずに接してくれてい

る。

案外自分がこのスポーツセンターに来るのはこんな味方がいてくれるからだ

と綴也は思っている。


「そう、お嫁さんに欲しいくら」

「って…何時の間にかナレーション入れないで下さいよというか告白はしま

せんよ」

「ええ!?こんなにも貴方に尽くしているのに貴方は私を捨てるのね…」

「ミフさん…しないって解っているのに何でからかうんですか?」

「そんなの貴方をからかうのが生き甲斐だからですよ!!」


だから、へこたれる事があれど思ったより平気でいられるのかもしれないし

感謝もしたくてもし足りないが…。


「ってだからナレーション入れないで下さいよ!!」


ただこんなやり取りばかりしていたら落ち込む暇も無さ過ぎて逆に忘れてし

まうから思わず此処に来ているのかもしれない思う綴也だった。

それから綴也はミフルを相手に休み無しの実戦練習をした。

綴也は銃と剣でミフルは今日は中国のドレスに扇子だった。


「うぅ……」

「もうおしまいなんですか…まだ私は満足していないというのに…」

「…あのー朝から午後まで三十ラウンドもすれば十分じゃないですか?」

「そもそも三十ラウンドやるのは綴也さんが倒れるのが早いからですね」

「…うっぐ」


現在、午後十二時半過ぎそれまで一切休み無しのぶっ続けである為渇きと空

腹で綴也の声も少々かすれ気味になっていた。

しかしミフルは扇子を仰ぎ余裕と満面の笑みを向けていた。


「いけません綴也さんそんな事では私は満足してません今日は一日中付き合

ってもらいませんと」

「ならせめてお昼を食べさせて下さいもうお昼です」

「あら、綴也さんと楽しみ過ぎて時間を忘れてしまいましたね。じゃあ、お

詫びにご飯を食べたら膝枕してお昼寝させてあげましょう」

「それ…」

「大丈夫、眠ってしまえば胸なんて見えませんから」


目をつぶりながら寝れば良い言う人もいるかも知れないが綴也も目を開くと

そこに見たら気分が悪くなるものがあると解っているのにそれこそ余程それ

こそ物語に出てくるそうでもしないと誰かを助けられないくらいの事でもな

い限りはそんなリスクは背負いたくは無い。

それに以前それで膝枕させられて目が覚めると周りからの視線が痛かったの

で遠慮しますと言おう思ったらその前に言葉を挟まれてしまった。


「い…」

「その前に気絶させてあげますから」


いやそんな問題じゃないと拒否の台詞すらも言わせない。

それ以前にセリフを先読みされて一文字目に言葉を重ねられて潰されていた。


「し…」

「ご飯の後気絶して膝枕で昼寝と金網電流デスマッチミフルカスタムⅢとど

っちがいいですか?綴也さん?胸枕で寝ろと貴方にとって地獄を提案してい

ないだけでも慈悲だというのに…」


食後に寝ると健康に良くないと聞いた事があると言おうした瞬間ミフルが笑

顔を見せながらその表情と周囲から何かが滲み出ているのを綴也は見えた。

どうやら彼女は綴也が三日間此処に来ていないストレスを解消していなかっ

た。


「それ…」

「ぐちゃぐちゃ言ってないで飯食って少し寝ろ。でないと力尽くで寝かす」


これでは言う事を聞く以外の選択は無いと聞かなければ力尽くで来られる事

を悟った綴也は自分から寝る事を選択した。

彼女と綴也には本来それだけの実力差があるのである。

それからお昼ご飯を食べて一時間後綴也はミフルの膝の上で眠る事になる。

綴也はどうか誰かに見られて噂が立ちませんようにと祈った。


「絶対胸につけないで下さいね」

「しませんよそんな事。折角の膝枕ですし…」

「絶対ですよ!!絶対ですからね…」

「はいはいしませんから」


綴也は眼を瞑りミフルの手の導きのまま自分の頭がどこか柔らかな何かに置

かれたのを自覚した。

吐き気が無いので膝なのだろう。

眼を開けて確かめたいがそれも怖いので出来なかった。

顔を横に動かしてからしよう思ったがミフルの手がそれを許さず顔は上に固定されて動けなかった。

最初は落ち着かなかったが不思議と眠気がすぐにやって来た。


「綴也さん。良い夢を…」


ミフルの優しげな声を最後に綴也は眠りの海に入っていった。


「ようやく寝ましたか…全く明らかに寝不足で顔色も良くないのに気づけぬ

程にショックだったのですね」

「すぅ~すぅ~」

「貴方が死んでしまったら私は貴方がからかえなくなって死んでしまいますよ。だから…死なないで下さいね…綴也さん」


綴也が眠ってからミフルではない男の声がそんな事を呟いた。



Mル…久々に綴也さんが此処に来てくれたので一話ぶりのあとが

   きですが…。


T也…スヤスヤ…。


Mル…まあ、無理矢理寝かしつけたんですけど…。

   三日前私に連絡してきた事すら忘れるとは相当凹んでいた

   んでしょうね…。


T也…スヤスヤ…。


Mル…本当は誰かが…綴也さんは私の連絡先を知らない設定して

   おきながらうっかり綴也さんに私に連絡させた事への隠蔽

   工作でしょうけど…。


???…ギクッ!


Mル…まあ、今日は気分が良いので許してあげましょう。


※初の設定ミス発見の回です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ