表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
IFかもしれない世界で綴る物語(あるかもしれないみらいで生きるライフ・ストーリア)  作者: きちだ しんゆう
理想と幻想の間~ミックスド・リアリティ
25/178

善意






それから二日後生徒会に入会する為に綴也は生徒会室に向かっている。

現状綴也は高校生活に幾つかの問題に直面している。

一つは友達が出来ないという問題。

二つ目はアイディアルの練習時間。

これらはそれは自分の半生が関わっている問題である。

そして彼には頭を悩ませる第三の問題が生じていたのだった。


「僕ってやっぱり現金な奴なんだ…」


と綴也は廊下でそんな事を呟く。

その頭の中で彼は一人の桜色の髪と眼をした少女の事を思い思い浮かべるだ

けで心が躍っていた。

胸が熱を発していた。

それは何度か味わった感覚で自覚もあった。


「…自分の事だけど恵理香先輩の時から全然懲りてない気がする…」


そう、サクラ・レノンフォードに惚れこんでしまっていた事だった。

気付けば何か考える度に彼女の顔が浮かんでくるのである。

いや自分で彼女のことばかり考えていた解りやすい恋煩いである。

もしかして自分は出会った頃から彼女に惹かれていたのかと思うと少し自分

が少し惚れやす人間なのかと思えて頭を抱えたくなる

そんな事を思っていても綴也はこれから生徒会に入る。

ならば生徒会の仕事で彼女と顔を合わせる事になる。

どうしたら良いのか等答は決まっていた。


「まあ、それを考えるのは後にしよう…」


生徒会に入るとサクラに言った。

恋煩いと生徒会に入るのは別である。

これは自分の思いでサクラは何も知らないし関係が無い。

しかしそんな中自分は生徒会でやっていけるのだろうかとも思う。

しかし恋煩いを理由に生徒会を入るのをやめるわけにもいかない。

そんなへ理屈は通らないし何より退路は無い。


「…よし」


頬を叩き覚悟を決めて綴也は生徒会室のドアを開けようとした。


(話に聞いている限りは何も問題は無いらしいですね)

(ええ、私達も周りに話を聞いているが今の所何も無いみたい…)

「ん?」


扉の向こうからそんな話し声が聞こえてきた。

そして、思わず扉に聞き耳を立てている事に人間心理は声が聞こえると思わ

ずこんな風にせずにはいられないのだろうかと自身の行為に呆れつつも気に

なるので聞き耳を立てる事をやめなかった。


(普段は誰とも話さないというか話してもらえないらしいわ…)

(でも恵理香先輩言っていた通り朝倉君は…やっぱり)

(そうよね実際私の胸触らせたらその場で吐きそうになってるの見てるしね

…)


話を聞いている限り話に出ていたのは自分自身だという事が直ぐに解った。

話の中に恵理香の話が出て来たので自分が生徒会には信用はしてもらってい

る事みたいなので恵理香に感謝しながらドアを開けようとドアノブに手を延

ばした。


「いえ、そう判断するのは早いわ…」


とそれを否定する少女の声が聞こえた。


(え!?)


その少女の声に綴也は驚いた。

その声の主の顔が頭の中で直ぐに思い浮かんだからである。

その声だけはさっきよりもよりはっきり聞こえた気がした。

むしろその内容にその意味に直ぐに気がつきそれ故に彼は驚いたのだった。


「あの男が入学して一ヶ月も経っていないわ。今は何もしていないけれど今

後もそうとは限らないわ。それにあの時だって彼は目の前で吐かなかったし

私は実際に吐いたのを見たけどそれだって演技の可能性だってあるわ…」

(そうですね。今は何もありませんがですがあの男がいつ何をやるかわかり

ませんものね)

(やっぱり噂どおり恵理香先輩への復讐の為に…)

「解らないわ、現時点では何もね。でもあの男は恵理香先輩の前では何食わ

ぬ顔で接していたし他の部活や委員会に入らせて自由にさせたら余計に彼の

行動を監視できないわ」

(そうですね。全くなんでそんな危険人物の監視を私達の様なか弱い乙女に

命じるのでしょうね…。それこそ危険だというのに…)

(いや、下手な男子よりシアちゃん強いじゃない…)

(その言葉そっくりそのまま貴女に返すわサクラ)

(私は…シアちゃん程じゃないわ…)

(それにこの生徒会室には監視カメラも着いているし安心なんじゃない…何

かあれば人が来てくれるって…)

(そうですね。一度投げてみましたけれどあの程度ならば私達の実力で制圧

も可能でしょう…)

(じゃあやっぱり姫神殺しの時も…)

(何か卑怯な手段でも使ったんでしょうね…)

「…!!」


言葉の内容は自身はまるで解らなかった。

いや、解りたくなかった。

今生徒会の面々が話している内容は…。


「とにかく私達生徒会は風紀委員と共に朝倉 綴也を監視を続行します。シ

アちゃんアマリア先生にもあのクラスの子達にも伝言で極力あの男への接触

は避けるように伝えて。もちろん全教室にも同様の連絡を…」

「そしてルージュ…二度とあんな真似はしては駄目よ…あれが原因で貴方も

あの男に何されるか解らないんだから…」

(うん…もう二度とやらないから…心配しないで)

「それから、あの男がいつ本性を顕にして恵理香先輩を襲うか解らないから

彼女の先輩への監視を緋途美先輩お願いします」

(…任された)

「とにかく私達は朝倉 綴也の目的を探り何かあれば直ぐにでも彼をこの学

校から追放する。いいわね!!」


この声の後にそれぞれが同意の声を上げたのが聞こえた。


「…」


彼女達がそろそろ自分が来るだろうとこの話は一度此処までにしようという

声が聞こえた気がするが耳に入らなかった。


「……」


綴也は生徒会室の扉の一枚の隔てたそこで立ち尽くしていた。

自分が思いを自覚した相手にそんな風に思われている事等似たような事はあ

った。

綴也にとって決して今回だけではなかった。

恵理香の時も似た様な事になった。

何度も何度もあった。

それでも体が動かなくなっていた。

あるいは呼吸も止まっていたかもしれない。

飲み込むのに時間が必要だった。

同じ様な事が何度もあってもそれは必要だった。


「………」

(それにしても…少し遅いですね…朝倉君)

「は!」

(先程の話を聴かれてたりして…)

(ちょっとルーちゃん!)

(怖い事言わないでよ!!そしたら私達何をされるか解らないわよ)


彼女達の会話で我に帰った綴也は何とか何も知らない振りをして生徒会室に

入り生徒会の入会を果たした。

皆は拍手をして迎えてくれた。

綴也は笑顔だった。

が心は寂しさしか湧かなかった。


「明日一杯イリュシオンできるんだから今日は出来る仕事は全部やるわよ。

そして仕事終わったらまっすぐ帰りましょ」

「サクラ…今日から日曜日までイリュシオンはメンテナンスでお休みですか

らいっても遊べませんよ」

「は!!そうだった…」


生徒会の入会がすんで今日の仕事を終えた後綴也は駄目元であるがアイディ

アルの練習の方にもに行かせて欲しいと頼んでみた。


「まあ、全部って訳にはいかないけどまあ…」

「休日はイリュシオン付けの貴女が生徒会長なんですもの。許可が無いと何

を言われるか解りませんものね…」

「私それほどイリュシオン漬けじゃないもん!!」


すると意外にもサクラはOKをくれた。

その声と今のサクラ達に扉の前の会話の時の様な雰囲気は無かった。

アイディアルとイリュシオンの二足草鞋を履く事に許可が出たことには思わ

ず彼女達の前でガッツポーズを取って声を上げてサクラに叱られて周りに笑

いが起こったがそれでも綴也の心は其処には無かった。

自分が周りからあまり評判が良くない事は知っている。

その為に周りから色々悪意を向けられる事もあった。

しかしそれ以上に一番心を抉るものがあった。

それは善意である。

生徒会メンバーの行為ははあくまでも神条 恵理香やこの学校の生徒をを自

分から護る為のものだ。

自分の悪評を知りその人自身の善意で自分を否定又は排斥しようとする事の

方が悪意を向けられる事よりも比べ物にならない心に突き刺さり心を抉って

いく。

彼はそのまま家路に着き食事と風呂を済ませ部屋に入った。

一人きりになるまで家族の前で何事も無かったか様にあり続けた。

一人きりになって綴也は我慢をやめて泣いてもいいかと思ったが涙は出てく

れなかった。

綴也はそのままベットに横たわりただ何も考えずに眠るまで天井を見続け続

けていた。


Mル…綴也さんが来ない…。綴也さんが来ない…。綴也さんが

   来ない…。綴也さんが来ない…。綴也さんが来ない…。

   綴也さんが来ない…。綴也さんが来ない…。綴也さんが来

   ない…。綴也さんが来ない…。綴也さんが来ない…。綴也

   さんが来ない…。


お知らせこの回のあとがきは電子製命体のトラブルに着きお休み

致します。

お客さん様にはご迷惑をおかけしますが何卒お許し下さいますよ

うお願い申し上げます。


Mル…テツヤサンガコナイ…。テツヤサンガコナイ…。テツヤサ

   ンガコナイ…。テツヤサンガコナイ…。テツヤサンガコナ

   テツヤサンガコナイ…。テツヤサンガコナイ…。テツヤサ

   ンガコナイ…。テツヤサンガコナイ…。テツヤサンガコナ

   イ…。テツヤサンガコナイ…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ