プロローグ・もしかしたら…
人生と言うのはもしかしたらこんな事があるかも知れない。
入学式。
それは卒業式と並ぶ学校の重要な行事で卒業式が学校の生徒が学び舎から次の場所へ門出を祝うものならば入学式はこの学び舎に来た学生たちが来た事を祝う為の行事でこの四月に日本の学校では必ずと言って良い程行われている。
(クスクス…)
しかしそんな行事が行われている中でも世界と言うものは常に変化をしているもので自分が見えている所でも見ていない所であったとしても世界に何かしらの変化が起こっている。
(何なんだろうな…コイツ)
(何の心算かしら?)
もしかしたら何処かで歴史に名を残す人物が生まれたかもしれない。
もしかしたら何処かで表には名は出る事は無いが世界を又に駆けるエー
ジェントが誰にも出来ない高度なミッションを遂行中かもしれない。
(コイツもここの生徒なのか…?)
もしかしたら何処かで表に名が出る事は無い殺し屋が悪い人たちを無償で殺し回っているかもしれない。
(保護者席と間違えたのか?この人)
もしかしたら魔法使いと超能力者は本当は実在していて自分達の知らない所で戦いを繰り広げているかもしれない。
(何で…)
それは自分達には関係ないかもしれないが世界は常に自分達の見えない所で変化しているかもしれない。
(((((((何で入学式なのにこんな格好なんだ?)))))))
故にもしかしたら自分一人だけ明らかに違う服装で入学式に出席してしまい周りからくすくす笑われるという事件を経験するかもしれない。
(うう~~目立ってるよ…やっぱり)
その少年は凄く目立っていた。
それに所々からくすくすと小さく笑われている。
あまりの気まずさに顔を伏せており周囲の視線が突き刺さるのを感じて誰の祝辞が述べられているのかあまり聞いていなかった。
この少年 朝倉 綴也の外見は黒髪黒目の好きなスポーツに熱中しているので鍛えられているが体型はごくごく普通。
身長は160cm髪の毛は少しツンツンしているが地毛である。
顔立ちも平々凡々何処にでもいるであろう顔立ちでどこにも目立つ要因は無いが目立っていた。
(やっぱり、見られるよね…この格好は…)
理由は彼の服装だった。
彼が入学するこの聖アウローラ学園の制服はブレザーである。
故にこの入学式の参加する新入生は皆ブレザーである筈が彼の服装はこの学校指定のブレザーではなかった。
その服装は本来は東京のとある私立高校の制服だった。
自分が大好きなスポーツの名門校でそのスポーツが好きなだけで実績が無い自分があの高校に合格したと知った時彼は大喜びして仲の良い友人達と一緒に喜びも分かち合った。
卒業式も無事迎え涙を流しても春からは皆で一緒の高校だー!!中学では旨くいかなかったけど高校では好きなスポーツも勉強も頑張るぞー!!の筈だったがその東京の学校から…。
「実は書類ミスで貴方は間違って合格にしてしまっていました。真に申し訳ございませんが合格は取り消させていただきます」
という電話が東京に出発する前の日にかかって来るまでは…。
つまり、自分は不合格だったのに書類ミスで合格にしてしまったというあまりにも残酷な真実を突きつけられてしまった。
準備もしたし、荷物も先に送ったし今日は入学記念に一緒に通う友達と家族でパーティだー!!と盛り上がっていたその日の午前十一時十一分十一秒頃であった。
連絡が遅くなった事への謝罪と代わりに別の学校に行けるようにしてくれる事を言って詳しい話はまた日を改めてしましょうと頭の中が真っ白になりながらも一通り話を聞いて電話を切った直後ににまるで狙ったかの様に数日前に東京の寮に送ったはずの荷物が「ピンポーン!」と帰ってきた。
その翌日の午前十一時十一分十一秒頃には代わりに通える学校の教師と名乗る人物から連絡があった。
そうして三日後。
今日から通うのがこの聖アウローラ学園である。
彼は滑り止めでこの高校を受けて合格していた為に東京の学校が不合格だったらこの高校に通う予定だった学校である。
実は東京の高校の方で面接試験があってその中に他に合格している高校はあありますか?という質問の時にこの聖アウローラ学園の名を出していた。
東京の高校がこの聖アウローラ学園に通えるようにしてくれたと言うのを電話の相手から聞いた。
此処に通えるようにしてくれた東京の高校と急な入学を許可してくれたこの学校には感謝しないといけないが彼には一つ差し迫った問題があった。
それは学校の制服である。
元々彼は東京の高校に合格したはずので東京の高校の方に通うと決めていたのでこちらに通うなんて考えていなかった。
しかし入学ギリギリに実は不合格が判明して急遽アウローラに転入しなければならなくなってしまった為に彼はこの学校の制服であるブレザーを持って
いなかった。
入学式まで後三日どうすればいいのか翌日の電話をかけてくれたその声はどこか子供のような声だったアウローラ学園の女性教師に。
「ならば今持ってるその制服で来て下さい」
と言われた。
中学の制服ではだめですか?と聞いてみたが。
「中学は卒業してもう高校生なのだから駄目です。例え自分だけ違う服で恥ずかしくとも着て来てください。制服は今度改めて用意しますからまた
詳しい話は入学式が終わった後でしましょう」
と言われてしまった。
この様な経緯で彼の制服はこの学校のの制服ではなく通うはずだったの学校の制服だった。
担当者の言った事は間違ってはいないとも綴也も思っている。
だから彼も中学の制服ではなくその制服で来た。
しかし、他所の学校の制服で入学式に出席するのだから目立つのは当然だった。
さらにその学校の制服はこの高校の制服であるブレザーでもなければ学ラン呼ばれるものでも無かった。
白いシャツに黒いズボンならば普通のデザインなのかもしれないがそれにの上着はロングコートで上着や外から見えない所々にはSFやファンタジーに出てきそうな装飾がなされていた。
少年は入学式だというのにSFかファンタジーかあるいはそれらが融合した格好とも言えた。
SFとファンタジーの融合した物語のジャンルをサイエンス・ファンタジーと言うが今はこの少年の格好の表わすには一番正解なのかも知れなかった。
試しに着た時は良いなこれはと喜んでいたがその後間合格が間違いと解り制服がないのでこれで着てきなさいと言われ自分だけこの服で入学式に出席しないといけない思うと大丈夫かと思った。
そしていざ着てみれば案の定周りからくすくす笑われている為に少しいやとても気まずかった。
自分が場違いな所にいるみたいだと思える位に彼の制服姿は目立っていた。
後で此処の制服も用意してくれると言っていたのでさすがにずっとこの制服のままというわけでは無いようだがしばらくはこの制服でいなければならないという事だった。
一人だけ目立つ格好である気まずさを感じながらも入学式も終わりに近づいていた。
「何かの物語の一幕じゃないんだから…」
と彼が呟いた4月上旬春真っ只中。
まさか書類ミスで自分だけ違う制服で入学式を迎える事になるとは夢にも思っていなかった。
正しく何かの物語にありそうな体験だと思った。
(だけどこの制服も嫌じゃないんだけど。ああ、あの学校行きたかったなあ…)
そして何だかんだで綴也もこの格好を嫌だとは思えなかった。
自分一人だけこの格好でなければ…と少年は心の中で呟いた。
登場人物紹介
主人公
朝倉 綴也
生年月日12月25日 年齢15歳
身長160cm 体重55k
髪と目の色 黒 血液型 A型
好きなスポーツの有名校に合格したと思ったら入学式間近に書類
ミスにより実は不合格だった事が発覚し滑り止めで受けていた聖
アウローラ学園に入学する事になった。
しかし急な転校ならぬ変校の為に制服はアウローラ学園のもので
はないサイエンス・ファンタジーな格好になっていて入学式で凄
く目立ってしまい気まずい思いをした。
??? 周りはブレザーなのに自分だけ所謂コスプレみたいな格
好で入学式に出たんですか?
??? …はい
??? それはTさんさぞかし目立ったでしょうね…ウフフ
??? あのMさんこのあとがきって…
Mさん はい、実はこの第一章のプロローグが二回目で第2章の
プロローグが一回目です。
まあ私はこの後すぐに出てきますからまあ良いでしょう
と作者も考えたわけです。
一回目が第2章のプロローグで二回目が第一章のプロロ
ーグなんて少し面白そうだと…
Tさん 駄目だと思ったら修正いたしますのでしばしよろしくお
願いします。
Mさん 投稿を優先したので第一章の各話にもちょくちょく後書
きも加えたいそうですけどあくまでも投稿が優先ですの
でよろしくお願いします。