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テスト?知らない子ですね  作者: 型破 優位
第一章  常識と非常識
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プロローグ?始まりですね



 皆、学生時代に一度は思ったことがあるだろう。



 ――国語や数学、社会、理科は今後の人生で必要なのか、と。



 確かにその職種によって必要になる可能性はある。だが、そのほとんどは全くと言って良いほど必要がないものとなるだろう。



 例えばごく普通のサラリーマンが車に乗って出勤するとしよう。

 車は今、高速道路を走っている。

 この時、時速と目的地までの距離から到着時間をおおよその計算をする可能性はある。だが、そこで『車の初速度と加速度』を計算するサラリーマンはいないだろう。



 なぜなら、必要ないから。



 いろいろな分野に触れることで発想豊かになる、と言う人もいるが、正直あまり意味が無い。

 頭が良いことと、社会で役立つ人材になることは決してイコールではないのだから。



 それが顕著に表れるのが、テストだ。



 中学や高校では、定期テストというものが行われる。そこで点数が高く順位が良いと、『頭が良い』と言われる。しかし、そのほとんどは『テスト週間中』の勉強の成果であって、『本来の頭の良さ』ではない。



 勿論、素で点数を取れる人もいる。

 だが、勉強しなければ点数は取れない場合が多い。ある意味当然のことだ。

 テストは意味がないということを表す言葉として、『一夜漬け』が一番妥当な表現だろう。短期的な勉強の仕方を知っている人なら、それだけでも高得点を取れる。



 だが、それでは社会にはいらないのだ。

 確かに規律を守って安定に仕事をこなしてくれる人も多く、比例して飲み込みも早い。しかし、そこまでだ。

 新たな発展をもたらすことは、あまりない。



 その発展をもたらす者こそ、『本当に頭が良い人』と呼ばれる人や、『頭が柔らかい人』などと呼ばれる人だ。それをテストだけで測るのは勿体ない。

 そこで、日本で初めて、『テストのない高校』というものが開校された。



 入試テストはあるにはある。

 だが、その割合は中学の範囲が三割、残りは全て閃きで解ける、だが普通にやれば難関大学入試レベルにもなる問題だ。



 例えば、『238の544乗の一桁目の値を求めよ』という問題があったとする。この問題、実はほんの数秒で答えである『6』を求めることができる。

 これは簡単な例に過ぎないが、その発想が出るかどうか。普通に解けば数分はかかるようなものも、発想一つで秒単位でいくつも答えを導き出すことができる。それがこの高校の入試テストの根底としてあるものだ。



 今年で創立八年目。

 卒業生には若くして幹部クラスになっている者も少なくはなく、卒業生だけで作られた会社は、創設たった一年で上場するにまで至った。



 上記の結果から、『卒業まで行ければエリート街道を歩める』という噂が広まり、いつの間にか、『入学すれば勉強が苦手でもエリート街道を歩める』という実際には根拠も無い噂となって、全国から人が集まるようになった。



 そんな高校に、とある一人の男子生徒が正しく異常な結果を残して合格を果たした。



 賄賂や替え玉受験などの不正による合格ではなく、ただ単に異常なのだ。

 入試の科目の配点は国語二十点、英語二十点、数学二十点、アイディア・閃き百四十点の計二百点。



 そのうち彼がとった点数は、0点。



 0点でも条件を満たせばその高校に入学することができる。それがこの学校だ。

 そして、本日はその高校で入学式が行われる日。



 名前を、『成程(せいてい)高校』という。

いろいろな理由があり、今日からこちらのサイトでお世話になることとなりました。


よろしくお願いします。


投稿は毎朝七時、感想は可能な限り全てに返していきたいと思います。

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