家族
メイリアは起きた後に二人からとある提案をされた。
「養女にならないか」
目的を果たすにしてもメイリア個人の力では果たせず、この二人の力がなければ可能ではないという事からいっそのこと家族にならないかという提案。
それをメイリアは了承した。
メイリア自身も寂しかったのもあるし、内情を知らない二人を受け入れる事に不思議と違和感はなかった。
そして黒い紋様の意味は[共鳴者]という所謂自身の望みを顕現できる超越者との契約に用いられる契約紋ということだ。
色によって階級や属する存在が違い、黒は階級不明………そして呪われた者であるという証明であり、この契約紋を知る者は脅威を感じて滅ぼしに来る程の者であるとの事だ、だが恩恵もあり、経験を同調し自身の糧として成長するという特性もある、また契約している者の技能の取得、研鑚能力の上昇、この時点ですでに7歳児の技能を遥かに超えた能力を有しているといってもいい。
身体能力としてまだ同調がなされていなかったために馴染むのに時間はかかったが、気づけばメイリアは自身の中から湧き出る力を感じていた。
「技能はこれから教えてあげるよ」
母と呼ぶことになったメディアはくすくすと笑う。
こうしてメイリアは生涯において大事にし続ける第二の家族ができることになった。
やがてトウゴとメディアも実の娘としてかわいがるようになるのは近い未来の話である。




