少女と青年2
「目が覚めたか」
目の前に居るのは侍と呼ばれる剣士が持つ紅い禍々しい色の刀を持った黒髪の青年と白いローブの美しい女性。
「名前はメイリア、白き奇跡の種族の生き残りか、7つで天涯孤独………運がないな」
「………」
名前を知られている事に驚きもしたがそれ以上に傷だらけの身体が何事もなかったかのように元に戻っているのにも驚く。
「肉体修復と血液復元の魔法を使った、それと名前とある程度の情報はな、まあそういう魔法が使えるとでも思ってくれ」
「………」
視線を腕にうつすと右腕に黒い複雑な紋様が刻まれている。
「それは呪印だよ、神をも滅ぼす異端者と契約した時に刻まれるね」
女性は静かに語る
「改めて私はメディア=クウジョウ、そこの無愛想な男の妻だ、そして男はトウゴ=クウジョウ、神殺しの男さ」
その言葉に少女メイリアは目を見開く
「魂を捧げるんだろ?これはお前の選んだ結果だ、私は聖女ではないんでね、何、これからお前はこの世界を改革する者となる」
メディアの言葉に肩を竦めてトウゴはため息をつく
「………お前もお前で大概だけどな」
「何を言う、少女の願いを聞き遂げただけだが?」
「………まあメイリア、これからの事はこれから話すさ、今はそういうもんだとおもっておけ、………子供に理解できる範疇ではないとおもうがな」
メイリアはトウゴと呼ばれた男の言葉にただ黙って頷いた。




