少女と青年
少女の名前はメイリア。
白き奇跡の種族と呼ばれる種族。
本来なら白い髪と白い角が特徴だったのだけれどいつの間にか黒い髪と黒い角へと変わり、扱う全てが様変わりしたかのように変わった。
内側から構築するものが変質する感覚。
今まで扱えたはずの魔法が黒い何かに侵食されていく。
私は………異端なる種族へとこの日産まれ変わった。
あの紅い眼の魔女………本来ならば世界を守護するべき失われたはずの勇者の血族………。
伝説通りの聖剣ラグナロクを持ったあの狂気に満ちた魔女………。
共に居たのは暴虐の魔王クロス=クレイモア………。
最古の吸血鬼にして種族最強と名高い魔王種へと自身を変質させた数ある魔王の中でも最強と名高い最強の魔王。
村を滅ぼし血の海に沈めたあの二人を忘れない………。
私の魂を捧げる………。
私の慟哭を捧げる………。
神に祈りはしない………。
わが身を持って殲滅する………。
「やれやれ、不信心の幼女か、お前はいつも面倒な案件を持ってくるな」
「そう言うな、神を信じずともその命を捧げるとまで言える諦めの悪さは素晴らしいぞ」
メディアの隣にいつの間にか現れたトウゴはため息をつく。
「………今度の主はこの子か」
「そうだな、お前の目的もこの子がいれば叶うかもしれんぞ」
「………自らのために変質させた少女か、名は?」
「記憶は読んだ、メイリアという年は7つらしいぞ、やれやれ7つの幼子にここまでの殺意を覚えさせるのも実に罪深い」
「………相変わらず、勝手だな」
「………私だからな」
「………まあいい、契約するぞ」
「勇者で非ずとも魔王非ずとも………人をやめし超越者か………」
メディアの言葉に肩を竦め
「俺は俺の目的のために喰らい屠り人を捨て王になる、人でなしの王にな」
「………私は屠り混沌を愛おしく思うが故にお前と夫婦となったのだ、約束は果たせよ?」
「俺とて愛する妻の願いを叶えるくらいの甲斐性はある」
「利害の一致からの愛もまたおもしろい」
メディアはクスクスと笑う
「………はじめようか死屍累々の世界修復を」
「………ええ、この少女を引き鉄にした一方的な蹂躙を」
メイリアの身体に無数の魔法陣が展開される




