召喚勇者
魔王と対とされる勇者………。
おとぎ話の中の英雄がこの世界にも表れた。
名をシズリ=クウガ、日本名としては空我シズリだ。
身長は180に憂いを秘めた美少年、年は16であり、長身の細身。
本人は先祖代々受け継がれてきた古武術を受け継いでいる。
剣術、刀術、拳術、骨法、あらゆる武術のエキスパートであり、性格も穏やか。
そんな召喚勇者が何故馬鹿と称されたのか。
「………魔王と結婚できないですかね?」
「いや私が呼んだのはその魔王をどうにかしてほしいからなんだけども」
グランシア王国国王ミハエル=グランシアは思い切り苦笑しながら目の前の勇者クウガを見る。
「いや確かに彼女は敵対するわけでもないし、良心的な女性の魔王なんだがね、寧ろ友人なわけだ、ただ彼女のレベルが限界突破したせいで、普通に魔力制御できない状態でちょっと封印具で封印してる状態なわけなんだけども、いくら君が異世界補正と召喚前のスペックが合わさって歴代の勇者よりも強いとおもうけども、正直まだまだ対応できないよ?てかなんでいきなり結婚にいくかなあ」
「………あの美しく知的な人なかなかいませんし、何より眼鏡にスーツ、いいですよね、胸も大きいし、むしゃぶりつきたい」
「………わかった、君変態なのか、やばいなー、挨拶だけでもとか挨拶させるんじゃなかったなー」
「罵倒されたいとかそんなんじゃなくて普通に男子の欲望さらけだしたいだけなんですがね」
「………もう少し理性がほしかったなー、いくら我が国に魔王滞在してるっていってもそれないなー、彼女2000年は生きてるけどウブなんだからさあ」
「………一目ぼれ」
「勇者がいきなり女魔王に一目ぼれしちゃったかーどうしよーかなー」
「グレイシア王、魔王様も一目ぼれみたいだが」
「火の四天王のガイゼルさんも認めちゃったか―、一応神託で死ぬ予定の魂を召喚してるわけだから召喚は問題ないけど、いきなり消滅させる危険性があるのはやだよ、やっぱり召喚した以上はこちらでよい第二の人生を送らせたいし、バカよばわりされてるけども、恋愛は皆バカになるしねえ」
「………じゃあ頑張ってつよくなります!」
「愛のために強くなるかー、もうしょうがないなあー、ガイゼルさん、魔王国に連れてってくれる?うちより修行できるでしょ?」
「………うーむ、それはいいんだが、確か辺境の村に良い人材がいるはずだ、まずはそちらにいくとしよう」
「任せるよ、友人の恋もいいもんだが、いきなりだとねえ」
グレイシア王は苦笑した。




