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強欲を冠する者
「おめえら、ちゃんと並べよー」
とある孤児院にサングラスをかけたいかにもな男がにこやかに立っている。
あからさまに怪しい男なのだが何故だか子供達になつかれてるのだ。
「グリードさん、いつもありがとうございます」
「いいってよ、俺の主が世話になってんだし、メイリアのお嬢ちゃんもここがあるから、たのしんでるし」
アイシアの村で子供達の面倒をみているシスターマリアがにこやかにグリードに声をかける。
グリードも含めてだがこの世界の実力者は異空間収納という高度なスキルを習得している。
グリードは見た目こそどこか凶悪ではあるのだが、見た目に反して子供が好きな男でもあり、村の人間からも面倒見がよい男として受け入れられていて毎日のように子供達にお菓子も配っているのだ。
彼の力の源は強欲、本来であればもっと別なものに反応するのだが、子供達の無邪気に生きたい気持ち、この欲望がグリードには好ましくおもい、なんだかんだ面倒をみてるのである。




