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ケビン
目の前の情景に門番のケビンは漏らしそうになっていた。
「…お前ら、来すぎだ」
目の前の黒衣の青年がため息をつきながら明らかに人でない人物達と相対している。
見た目は人ではあるが明らかに一般人でも高位の魔人、もしくは魔王クラスの人物であるとわかる。
リーダー格と思われる、細身の執事服をきた穏やかな老人はにこやかに微笑む。
「…いやいや、我が主から親友であるトウゴ様へ祝いをお願いされてますので」
「…多忙であるのに娘が出来たことへの祝いか、あいつらしい、ニコラス、来るのはお前だけにしてくれ、異界の悪魔が山ほどきたら通常の人間は倒れる」
「難儀ですな、一般人は」
ニコラスと呼ばれた執事悪魔はにこりと笑うと後ろに控える悪魔達を散らせた。
「マジなんだよ、あの冒険者」
門番であるケビンはごくりと唾を飲み込む。




