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怪力少女にご注意を!  作者: アエイラ
本編
90/93

再始動と謎ハーレム

暇になってしまったので書きました。

ハーピーさんの方も更新していきます。

 走った、飛んだ、転がった。

日は沈み、再び昇ってゆく。


・・・そう、つまりは。



「あ、リビ先、おっは~。」

今日は2学期始業式、校門の前で立っている先生に挨拶し、元気よく中へと・・・。

「おい、何処へ行く気だ?」

?何故か先生に突然声をかけられた。

そのお顔はとっても笑っている。

「きょ、今日も笑顔が素敵ですね~。」

私は上ずった声で精一杯の命乞いをするが、これは無理そうだ。


現在、午後2時。


盛大に遅刻した。




「成程な、うん、・・・そっか。だが、二度とするなよ。」


私は言い訳した。

でも、ちゃんと全部事実を言った。

盗賊の話。

全力疾走すれば間に合ったかもしれないが、地響きと地面に次々とできるクレーターに失いかけていた乙女心が復活してしまったこと。

リビナード先生は僅かに微笑むと、私の頭をポンポンと叩いた。


・・・気持ち悪!?!??


いやいや先生ってそーゆー人じゃないでしょう!?

もっと悪口ばかりで陰湿な嫌がらせを・・・。

「そうか、そんな風に思われていたんだな!」

「やべっ。」

ついつい声に出ていたらしい。

「そうだな、以後、気を付ける。」

!?!?!?!!?!?!?!!?!?

おかしい、これは絶対におかしい!

「先生失恋でもしましたぁ!?」

「なんでそうなるんだよ!」

バシィ!!

今度はひっぱたかれた。

そうそう、これだよ!って私は別にドMじゃないよ?

「・・・いろいろあってな。いいか?お前は人間の女の子だ、誰になんと言われようともな。」

含みある言い方に私は首を傾げた。

「ついてこい、教室で皆が待ってる。」

なにはともあれ、久しぶりにクラスメイトに合うのは楽しみだ!



 案内された教室は私とケモッ娘のシルヴィが授業で使う特別クラスの教室だった。

「入れ、皆が待ってる。」

皆?ここに?

私は首を傾げながらもリビ先にドアを開けてもらう。

因みにだが、私が入学してから、この学園には私専用の手をかざすと水が流れるトイレ、寮の部屋もシルヴィと私の二人部屋だけ登録型魔力感知システム(指紋認証感覚)の鍵になったりと、向こうの世界にいた時とほとんど変わらない生活をおくれている。が、教室のドアを自動ドアにするのは難しいらしく、いつも誰かに開けてもらわなければならない。


 私が教室に入ると、シルヴィ以外に見知った顔が二つあった。

「遅かったね、マリ。」

そう言ってにこりと笑う黒髪少女は、幼女に恥ずかしげもなくお菓子をせびっている。

「マリさんっていつも遅刻してません?」

酷い・・・が、あながち間違ってないことを言うのはどうみても黒髪少女を餌付けしているようにしか見えない紺色の髪の幼女だ。

「なんで二人がいるの・・・?」

意味が分からない。

「マリ!」

取り敢えず嬉しそうに飛びついてきたシルヴィに頬擦りしつつ、幼女・・・クレアに話を聞くことにした。

「マリさんが出発した後直ぐ、くらいに王都にリビナードさんから連絡があって、私のチェンジでこっちに来ました。」

チェンジはクレアが開発した物質等価交換の法則みたいなのを完全に無視した、いわばテレポートみたいな魔法だ。

「そして!今日から特別クラスの臨時講師を務めさせて頂く、クレアと?」

「特別クラス所属となったアイリです。」

「「よろしくお願いします。」」

もう何がなんだかわけわかめですわ・・・。



 「あ~、諸事情で私が遠出しなくちゃいけなくなってな。代わりの先生を形だけでも置かなくちゃいけなくなったんだ。まぁ、ひと月程で帰ってくるからあんしんしろ。で、アイリはリーゼに呼ばれたんだがまぁ、お前と置いといた方が安心できるから短期留学生ってことにして呼んだ。」

リーゼさんとはこの学園都市ラシャにおける女帝みたいなヤバい人で、薄いピンクの髪のおっとり系に見せかけて、大司教であり領主であり、修道院長であり、全校の校長であり、この街の全ての機関の最高権力者というぶっ飛んだ人だ。この街の修道院はほんとにヤバい。

だが、学生たちが平和に学園生活を送れているのは、彼女の事前討伐のお陰でもあるのだ。

そして、アイリが呼ばれたという理由も、恐らくそちら側の仕事であろう。


 私が複雑そうな顔をしていると、クレアが首を傾げていた。

「なに?」

「いや、マリさんって魔物には容赦がないのに人間にはやけに優しいですよね。」

・・・確かに。

言われてみればそうかもしれない。

人殺しなんてしたことない。てか、したくないし。

「あ~、えっと、まだクレアとアイリが何処に泊まるか決まってないんだが、それを決めないか?」

私の思考思案を遮るように、リビ先が提案する。

「マリと一緒の部屋がいい。」

アイリが即答すると、シルヴィが怪訝な顔をする。

「まだ部屋は空いていた筈です。お二人はそこで寝ればよいのでは?」

いつになく不機嫌で攻撃的なシルヴィは尻尾が大きく膨らんでいた。

もふもふ♪

「私は誰とでもよいですけどね。」

「それって尻軽ってこと?」

クレアが幼女なくせに大人の対応をするのが気に食わなかったので、敢えて真顔で言う。

「酷いです!なら私もマリさんと寝ることを所望します。」

酷いこと言った人と一緒に寝たいなんて、変わった子だね。

「なら、丁度四人部屋だし四人で寝れば・・・。」

「そっか。」

「そうなんですか、なら。」

「やだ。」

「嫌です。」

リビ先の提案は賛成2反対2だった。

また幼女が大人ぶっていやがる。

そして先程からやけにシルヴィが強くしがみついている。

「え~と、シルヴィってさ、前にペット枠で良いって言ってなかった?」

シルヴィは真顔で首を傾げ・・・いや、この娘目が泳いでるんだけど。

「・・・ペットだって嫉妬するんですよ。二人きりの時間ぐらいあってもいいじゃないですか。」

シルヴィは頬を擦り付けてくる。

「却下。マリは私のもの。」

アイリが食い下がる。

なんだこの状況。まるで私が浮気してる気分になるよ。

「なんならアイリとシルヴィと三人で寝るって手も・・・。」

「マリさんさっきから私に冷たくないですか!?」

「小さいくせに大人ぶってるからね。」 

「小さいってどこの話ですかコラァ!」

クレアがぷんすか怒ってるのを横目に、私は周囲を見渡した。

リビ先、貧乳。

シルヴィ、慎ましい。

アイリ、まな板。

私、標準?

・・・あれ?

気が付くと、四人に囲まれていた。


「「「「その胸に着いた脂肪を寄越せぇぇぇぇ!!!」」」」





「・・・もうお嫁にいけない。」

「大丈夫。私が貰うから。」

「大丈夫だ。私が面倒を見る。」

「大丈夫ですよ。マリさんは国で管理しますから。」

「大丈夫、ずっと一緒。」

なんなんだこのハーレム状態は。

てかしれっと先生混ざってるし。

それよりもクレアだけなんかおかしい気がするけれど!


部屋は今までどうりシルヴィと二人部屋だけど寝るときだけ日替わりチェンジになったよ。

まるで私がとっかえひっかえしてるみたいで嫌だね。

また直ぐにバテるかもしれませんがよろしくお願いします。

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