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怪力少女にご注意を!  作者: アエイラ
本編
64/93

☆エンターテイナー・キララ☆

「レディースエーンドジェントルメーン!!!さぁさぁ遂にこの日がやってまいりました!!謎の仮面少女キララ選手VS超強力な魔物達!!!実況は私ドーパミンと…」

「解説兼モンスターを連れてくる係のクレアです!」

「はい、ということで、現在コロシアムは満席、更にはコロシアムの周りも沢山の観衆達が取り囲んでおります。」

「魔術協会全面協力のもと、コロシアムの八方に配置された映像モニターからも観戦することが出来るようになってます!…因みに、私が考えた魔法です!!」


『おおおぉぉ!!』

『すげぇぇ!!!』


「…いや、クレアさんが注目集めちゃ駄目でしょう。」

「すみません☆」

「…まぁ、いいとして、今回登場予定の魔物達を見て驚いた方も多いと思います!普通のハンターでは太刀打ち出来ない者ばかりですし、それを、一人で、です。更に、ラストバトルはシークレット!!…これ、本当に大丈夫何ですか?」

「おね…えっと、キララさんはとってもお強いので大丈夫だと思いますよ♪」

「そうですか、クレアさんが言うなら間違いないのでしょう!…では、キララ選手の入場です!!」


キララ(マリ)は司会席の方を見て大爆笑しながらふらふらと入場してくる。


「…えっと?…何か爆笑してるのですが。」

「ドーパミンさんの見た目…あ、名前ですね!ドーパミンドーパミンドーパミン!!!」


キララはお腹を押さえて悶絶し、倒れた。


「…キララ選手ダウーン。…いや、まぁ…変わってる名前だとは思いますけど。」

「あの人、変な所にツボがありますから…。」

「クレアさんは知り合いなのですか?」

「あ…はい、私より遥かに強い方ですよ!」

「なっ…!?…そ、それは期待出来そうですね!」

会場はどよめきだす。

「ふふふっ…私も解説は程々にして、観客にまわらさせていただきます。」

「やめてください仕事して下さい。」

「…さて、では早速…」

「進行は私ドーパミンの仕事です!!…気を取り直して、第1ラウンド、準備運動として、ゴブリン5体、オーク5体…ってこれが準備運動!!?」

「白々しいですよ…何度も確認したではありませんか。」

「司会の仕事は邪魔しないでよ~!!」

笑いが起こる。

「…さて、では早速、おおっと、檻からゴブリンとオーク達がどんどん出てきます。…凄く怒ってますね。」

「意外と知能高いですからね。奴等。」

(先ずは観客に安心感を与えることが重要です。)

「おおっと…ん?」

「キララ選手、ビンタでゴブリンの頭を吹き飛ばした~♪」

「えぇ…何なのですか…これ…。」

「マ…えっと、キララさんは自己強化系の魔法を得意としています!」

「…もう全員倒しちゃったよ。…というか、何か私達の方を向いて骨を鳴らしているのですが…」

「ドーパミン。」

ぶふっとキララは吹き出す。

「私の名前を使って誤魔化すのやめて…。」

「さて、次はキングボルンです♪」

「ボルンの親玉ですね…って、私が司会ですよ!!」

「グダグダ何ですもん…ボルンはバッファローの仲間の中でも特に狂暴な種で、何と雑食!そのボスとなるとかなり皮膚も固く、大きく、重いです!真っ正面から闘うのは無理なので、数人パーティで、囮に突進させ、背後から攻撃して倒すのが普通です。が、キララ選手は一人!!!さて、どうするのでしょうか!」

「最後の台詞は私の…さて、第2ラウンド、ファイト!!……でかっ!?」

「キララさんの為に探した特大サイズですからね!」

「おおっといきなり突進だ~!!!……えぇ…。」

「頭から粉砕されましたね。まさか正々堂々一騎討ちとは…。」

「強いです!強いですよ!キララ選手!!」

「…ですが、次からが本番です。」

「はい、ブレイズカマキリ…全身から高温を放つ巨大カマキリです!格闘家や剣士の皆さんは、涙を飲むような思いをしたのではないでしょうか!」

「それ私の仕事…まぁ、遠距離技ではないと溶けちゃいますからね。…キララ選手はどうやって乗り越えるのでしょうか!?それでは…」

「「第3ラウンド…ファイト!!」」

「おっと…?これは…マントを外しましたね。」

「あのマントは普通の何の変哲もないマントですが…何に使うのでしょう?」


ドゴォン!!


「…結局殴るんかい!!!」

「一撃でしたね…。」

「…ですが、右腕が痛々しく溶けているぞ~!!これでは次の敵はかなり厳しいのでは~!!?」


キララは溶けた腕にマントを被せる。

「1☆2の、☆3☆」

キララはマントを空高く頬り投げる。

「…おぉ!?腕が…治ってる…!?」

「凄い!イリュージョンです!!」

(回復魔法の事は隠すのですね…。)


「…さて、万全な状態での第4ラウンドとなりますが…これ、本当にやるんですか?」

「エルシス…雄は翼で空を飛び、雌は地上を駆け巡る…夫婦の連携プレイで獲物を狩る、謎の多いドラゴンです!恐竜から飛竜になる途中の種と呼ばれているかなり強力なドラゴンですが…夫婦で連れてきちゃいます!!」

そういうと、クレアは消える。


「えっと…会場の皆さんはちゃんと覚悟を決めていらしているようですが…私はまだ…」

「連れて来ました♪」

「うぉう!?…観客席に見向きもしない…?」

「そりゃあキララ選手の強さに気付いてるからですよ!」

「そ、それでは、第4ラウンド、ファイト!!!」

「上空から太陽を背に急降下する雄に…おおっと!?キララ選手、雌に足を喰われた!?倒れ…なっ!?」

キララの右足は雌に喰われた直後、

左腕を雄に喰われてしまう。

「ちょ!?これ、ほんとにヤバいやつ…クレアさん!」

エルシス達はキララを獲物と捉え、捕食を狙う。

雌は正面から、雄は背後から…。


ドガーン!!!!!


「な!?」

突如起こる二つの大爆発。

煙が消えた所に立っていたのは…

「キララ選手!キララ選手は無事で…無傷です!!!…そしてエルシスは爆散しています!!いったい何が…」

「『ニトロム』という触れたものを爆弾にする魔法を、自分の偽者の腕に掛けて、喰わせた…といった所でしょうか…?」

(ちょっとドキドキしちゃったじゃないですか!)

「…何はともあれ、キララ選手は無傷です!…さて、最後のラウンド…私もどんなモンスターなのか知りません!!…エルシス以上のモンスターとなると…?」

「…この闘技場の大きさを最大限に活かして…とある所で辺境調査部隊がゲリラ戦を仕掛けている相手…イービルファングを連れて来ます!」

「は!?」

「三大竜害のうちの1体、暴食のイービルファング。目に写る者は片っ端から食べ尽くす害竜です!」

「…やめて下さい!!それでは王都が…!!」

「国王様から許可は貰っておりますので、大丈夫ですよ?キララさんなら倒してくれます!」

「…信じて宜しいのですか?」

「勿論です!」

逃げ出そうとしていたコロシアムの観客達も動きを止める。

「もしもの事があったなら、真っ先に私が盾となって時間を稼ぎますから!!」

「…クレアさんがそこまで言うのなら……。」

「では、連れてきますね。」

コロシアムの客席の中、殆どの観客は震えていた。

無理もない、竜害とは、国が滅びるレベルで危険な奴等。それを故意に連れてこようとしているのだ。


そして、突如としてその竜害の一角が現れる。

クレアの魔法『チェンジ』。

何かとイービルファングを入れ換えたのだ。

直ぐにクレアは司会席に戻る。

「さて、どうしますか?キララさん…。」

「キララさん、頑張ってくれ!!」

キララは飛び跳ね、頭をぶん殴るが…

「効いてない…。」

「イービルファングは皮膚に魔力の層を持っているため、頑丈で強靭なのです。」

キララは正面から殴りにいく。

…が、効かない。

「これは…不味いんじゃ…?」

「怪力が効かないとなると…どうするのでしょう?」

その時、キララのアッパーでイービルファングの頭が弾きとんだ。

「おおぉ!!」

…が、

「グアアァァ!!!」

イービルファングは自分自身の身体が浮いて逃げられなくなったキララの状況を見逃さなかった。

イービルファングの顎がキララを捉えた。

「ギギギギギ…」

キララは頭から喰われ…、身体を硬化して、何とか口が閉じ、身体が真っ二つになるのを防いでいる。

「クレアさん!!!」

「お姉ちゃ…」


バスン


どすっ。

イービルファングの口が閉じ、キララの下半身が力なく落ちた。


「あああああぁぁぁ!!!!!!!!」

クレアは何が起こったのかもわからず、全魔力を解放する。

「うわあぁぁぁ!!!」

クレアの魔法は放たれることはなかった。


「グアァ!!?」

突如、イービルファングが倒れたからだ。

全身が痙攣している。


「…ん?…あ…これって…。」

クレアは正気に戻り、冷静に分析する。


更に、イービルファングから煙が上がり始める。

(…貴女の回復魔法、凄すぎですよ。)


ドゴン!!

ドゴン!!

ドシュッ!!!


イービルファングの背中から、突如大量の血が吹き出す。

「ぷはっ!!…うぅ……レディースエーンドジェントルメーン!!!」

中から出てきたのは、血に染まった、しかし、無傷のキララだった。


『……。』


突然の事に、そして理解の追い付かない観衆達は静まり返る。

「もぅ!!キララさん、心配させないで下さい!!!…それと、イービルファング討伐、おめでとうございます!!!…貴女のお陰で救われた命が沢山あります!!」

「大げさだよ☆」

いつの間にか、キララの服には血の跡すら残ってはいなかった。

「流石、キララです!!!」

クレアは全力で拍手をする。

魔法で音を拡散させて。

それにつられ、コロシアムの中の観客、コロシアムの周りを囲んでいた観客達も一斉に拍手をし出した。


「決着ぅ!!!勝者、キララぁ~!!!!!!」

ドーパミンの雄叫びにより、闘技場の伝説の一戦は幕を閉じたのだった。

すみません体調崩しました。

投稿遅れます。

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