ついに始まった誕生祭!!
「えっと、…私も手、振ります?」
「子供を泣かせないようにな…。」
冗談キツいぜ…。
「…執事みたいにしてますね。」
「一応、俺との仲の良さ的なの、アピールしといてくれ。」
「どうやってですかぁ!?」
「あらあら…可愛いわねぇ…うちの娘にならない?」
「王妃様は私を撫でるのやめて手を振って下さい!」
クレアに王族事情を軽く聞いた後で、王族になろうなどとは思わないよ…。
…はい、というわけで、絶賛パレード中でございます。
「お、あれ学校の皆じゃん!」
私はつい手を振ろうとして…
「キララの友達か?」
王様の言葉で緊急停止する。
「そっか…何かムズムズするなぁ…。」
「これが終われば直ぐに会える。もう少しだけ我慢してくれ。」
「りょうか~い。」
パレードが始まって10分。
私の疲労はピークに達していた。
「目線が…ひそひそ話が…辛い…。」
「慣れてくると気持ちの良いものよ?」
「そりゃあ王妃様はお綺麗ですから憧れの目とかで見られますけど…私に来るのは好奇の目だけですよ…?」
「なら、その仮面をこの国に広めれば良いじゃない!」
「それでは意味が無いだろう…。」
「うへぇ…。」
私達は張り付いた笑顔でそんな会話をしていた。
「皆私を見てドン引きしてたなぁ…。」
学校の皆は私を見て呆れたような…凄い顔をしてたよ。
あんなの女子がしていい顔じゃ無いでしょ。
…そんなにドン引きされるような仮面…かなぁ…?
「…おっ、ガッドさん達だ!」
あのひょろひょろした人がトーヤって人かな?
…何ですか、その何とも言えないという顔は!?
…ん?
…マーラさん、目を輝かせてない?
…まさか、マーラさんのファッションセンスとこの格好…合致しちゃった?
「あれは…ミレーヌ!」
インスタール家の方々もまさかパレードに出るとは思ってもいなかったであろう。
特に、ミレーヌの動揺は激しかった。
…これじゃあリーゼさんみたいになるにはまだまだだね。
「ん…ザラさん!…それに、サヤソヨさんとエリー!!」
エリーは隈が出来ていた。
…が、目を輝かせている。
他の三人は唖然としてるのに…
…ねぇエリー?
まさかと思うけどさぁ…
私だと気付いていない感じ?
…うん、そうみたいだね。
エリーの周りの三人がエリーの方を向いて驚いてるし。
「あれ?…獣耳が沢山いるよ!?」
ヤバっ!?可愛すぎ!!
うぅ…写真撮りたいぜ…。
「あれはケモカフェと言うカフェで働いている獣人族だな。」
「そんなのあるの!?」
「あぁ、人間と獣人族との仲はまだまだ悪いが、積極的に友好関係を築こうとしてくれる者も少なからずいる…。」
「よし、絶対に行こう!」
「…ただし、おさわり禁止、だぞ?」
「ガーン…。」
私のモチベは奈落に落ちた。
「アイリと…リリィさん…何美味しそうな物食べてんのぉ…寄越せよぉ…。」
「少しは我慢出来んのか?」
「あらぁ、確かに美味しそうねぇ。買ってきて貰おうかしら。」
「冗談でも怖いからやめてくれ…。」
王妃様はフワッとしているが、どこかリーゼさんと同じ空気を感じるから、少し怖い。
「そんなわけで、特に暗殺者とかも現れず、無事にパレードは終わったのでした。…しかし!!午後に行われるパーティにて事件が…」
「不吉な事を言うな!!」
「痛っ!?」
「ふふふっ、私が死んだらマリちゃんが復讐してくれるわよねぇ…?」
「いや、そこまでの義理は無いです。」
「お前ら…。」
王様は項垂れたが王妃様と私は笑顔になった。
「さ~ってと~♪まっちあっわせ~♪」
私はシルヴィの勤め先、であろう、ケモカフェに向かう。
「あれ?…もう皆いたんだ!」
……。
誰も反応してくれない。
「…えっと、ですわね。…マリは…王族の方なの?」
「何だ、そんなことか…違う……よ…???」
…あれ?
……むむむ?
…………バレてる!?
「なっ…何の事かな~?…そっそういえば…」
「仮面の女性がマリって事は全員気付いてるんだけど?」
「……マジすか?」
「マジです。」
「……マジかぁ。」
「マジだぁ。」
「………マ…」
「もういいわよ…で?何で王様の隣にいたの?」
「…何となく?」
「私の知る限りパレードは何となくで出れるものではないわ。」
「マリは…王族か何かですかぁ?」
マルグリットはキラキラした目で聞いてくる。
私との友人関係を悪用する気満々って感じがする。
「…はぁ。秘密にしてくれるなら話しても良いけど。」
「秘密に出来ない人はいる?」
アトラは皆に問いかける。
シーン
「大丈夫、友達でしょう?」
女子は秘密を守れない人種だと私は知っている。
本当に話さないのは正義感の塊、エリナくらいだろう。
「誰かに話したら、どこかから漏れて、その友人の皆が酷い目に…最悪死ぬかもしれないんだよ?」
「…えっ?」
そう言ったのは、アトラだった。
…他の四人は覚悟は出来ている、といった顔つきをしているのに。
「私、ベロ…なんちゃらっていう…さっきのパレードのドラゴン、一人で倒してね…この国の最終兵器的な扱いされてんのよ。」
「あー、あー、あー、アー、ア~~!!!」
アトラは聞かないように耳を塞いで叫んでいる。
「アトラうっさい。」
ベシッ
カルネは容赦なくアトラを叩く。
「だってぇ~…。」
アトラ…言い出しっぺよね?
「マル、宜しくね!」
マルグリットだと長いので、マルと呼ぶことにした。
「えぇ!…私達に危険が及ぶかもしれないですし、アトラは口が常に開いてますからねぇ…。私が常に見張ってますわ!」
「ありがと!」
「ひいいぃぃ~!??」
…いや、何でそんなに怯えてんのよ。
「口が軽いっていうのは信用にも関わるぞ?…貴族様がそれで良いのか?」
カルネが問い詰める。
「いやぁ…だってぇ…」
「秘密を漏らすようなやつは悪だ!容赦なく切り捨てるぞ!」
「悪!!?」
カルネの脅迫にエリナが過剰反応する。
「アトラ…貴女、悪だったのね…悪は許さない…」
「ちょ、ちょっとまて!?…アトラはまだ悪じゃ無い!…秘密を漏らしたやつが悪、だ!」
…私、秘密漏らした気がするの。
今、皆に。
「そういえばこの前カルネの体重を…」
マルグリット…マルが口を開いた。
「「敵!!」」
勿論剣士二人からヘイトをかう。
「マルグリット!それは秘密にしてって言ったでしょう!」
アトラは慌ててマルを止めようとする。
「マルグリットは…アトラとの秘密を…話したってこと…?」
ここでやっとシルヴィが会話に混ざった。
「って事は…マルグリットも敵!!?」
「悪は…やっつけないと…。」
「「ひいいぃぃ~~!!?」」
…賑やかで楽しい夏休みになりそうだ。
「…因みに、マリはさっきのこと、王様に秘密にしろとか…言われなかったの?」
…シルヴィ、鋭いな?
「ん~?…何の事かなぁ~??」
私は知らんぷりを貫き通したのだった。
この小説、ストーリーもあまりなければ、個性もない、伏線もない、可愛さも…余りない、需要が何処にあるのかもわからない…
さて、いったい何処に向かっているのだろうか。
正直話を畳む方向に持っていきたいのですが、毎日10分程度で考えた内容な為、適当に、無駄に風呂敷を広げてしまった感がありすぎるのですよ~…。
まぁ、ある程度きちんとは終わらせたいですし、そうするとまだまだ続いてしまうのですが…。
…というか、主人公を雷属性だけの静電気幼女にして、静電気体質故のトラブルとか友達の出来なさとか、異世界に来てから必死に克服しようとするんだけど、後ろから肩に手を置かれたりして驚くと静電気が発動してしまう…的な感じの設定にすれば、もっとやり易かったと思うの…。
マリさん、水と火も使えるせいで、あの適当神話の伏線?回収するの大変だし…。




